154-参-通常国会
2002年7月2日厚生労働委員会速記録
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
国民生活と日本経済に深くかかわる健保の問題、総理に今日はお伺いをしたいと思います。
まず最初に、あなた、私の御質問に総理は本会議で、健保本人が三割負担になっても必要な医療が抑制されることはないというふうにお答えになりました。
そこで総理にお聞きしたいんですが、九七年、総理が厚生大臣当時の、健保本人一割から二割に引き上げた、あのときはどうだったんでしょう。あのときは必要な医療は抑制されなかったんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、全体として、今回三割負担お願いしておりますけれども、二割負担の際も低所得者等にも配慮いたしましたし、あるいはまた高額の療養費制度という制度も設けておりますし、必要な医療が制限された、抑制されたというふうには考えておりません。
○小池晃君 しかし、九七年の前後に厚生省の患者調査を見ますと、三十五才から六十四才までの年齢階級で一二%の患者が受診をやめております。一二%というと三十五万人。総理は必要な医療は抑制されていないとおっしゃいますけれども、ということは、この一二%、三十五万人というのはすべて不必要な受診だったと。必要な受診が抑制されなかったということはそういうことになると思うんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 共産党の立場からそういうことも言えるかと思いますが、一方ではそれは、余りにも病院側に患者さんが多過ぎるということで、三分診療、三時間待ちとかいうような批判もあったわけであります。こういう点についてどういう改善策を講じられるべきか、必要な診療は行わなきゃならないけれども、何でも大病院集中ということをどうやって解消すべきかという問題もあったわけであります。
そういう点から、医療費の問題につきましても、出来払制度が本来だったらば望ましいという点も私は理解できます。一方では、あらゆる検査、あらゆる治療といういい点もありますが、同時に、中では必要でない検査もやっているんじゃないか、必要でない薬も与えているんじゃないか、三日分で済む薬も一週間分、十日分、出来高払制度、あるいは薬剤全部公費負担というふうになるとそういう点もあるんではないかということから無駄も指摘されました。そういう点も考えて今の制度というものをよく考える必要があるんじゃないのかという観点からいろいろ改正を考えてきたわけでありまして、それは一朝一夕に解決するものではございません。
そういう点も考えて、私は、患者負担の引き上げというものは、患者さんにとってみれば苦痛かもしれませんが、できれば二割負担、三割負担で、一方から考えてみれば八割給付、七割給付してくれると。これは、病気にならない方々の保険料負担によって、あるいは税金の負担によってできるだけ軽い負担に抑えようということも大事でありますけれども、総合的な観点から、患者さんの負担にしても、あるいは診療側の面においての診療費においても、あるいは保険を負担してくれる保険者の方々、あるいは税金を負担してくれる国民のことも考えながら改革していこうということで、私は、これはある程度、一部の患者さんにとってはそれは確かに負担増でありますし、ああ、一割負担から二割負担になったらば、少しお医者さんに掛かるのをやめてこようかなという気持ちがあるのは否定しませんが、本当に必要だったらば、やっぱりこれだけの皆保険制度、できるだけ多くの方々の協力によって成り立っているんだということを考えれば、この点については、それは安ければ安いほどいいというような気持ちは分かりますけれども、そこら辺は全体のことを考えていただければ必要な医療というのは確保されているんではないかと私は考えております。
○小池晃君 私は、それは全部が必要だったと、無駄は全くなかったとは言いませんよ。しかし、総理は、三割負担になっても必要な医療は抑制されないと言う。二割負担になったときも抑制されなかった、何でそんなこと断言できるんですか。一二%、三十五万人も受診をやめたんですから、私はそんなこと言えないはずだと。私、当たり前のことを聞いているんですよ。二割負担になって十二%も減ったんだから、この中には必要な医療だってあったでしょうと、それも認めないんですか。そのこと、当たり前のことを私聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、必要な医療というのは、どうしてもこれは必要だという医療というのは確保されていると思います。それは、二割負担になったといっても一定の制限あるわけですから、現に一定の高額療養費制度もありますし、特別な、低所得者に対しては配慮はなされているわけですから、私そういう点については必要な医療は確保されているんではないかと思っております。
○小池晃君 私、当たり前のことを言っているんですが、こんなこともお認めにならないと。二割負担で一二%も受診抑制が起こっているんです。三割負担になれば被害は私、より深刻化することは明らかだと思います。
この点で今日ちょっと議論したいのは、本会議で総理は、「三割負担の国民健康保険や被用者保険の家族外来において受診抑制がなされていることはない」というふうにおっしゃいましたが、それが本当かということです。
資料をお配りさせていただきましたが、二割負担の政管健保とそれから三割負担の国保を比較すると、外来受診件数を折れ線グラフにしておりますけれども、二十歳以上のすべての年齢階級において政管健保本人より国保の方が少ないんです。二十歳代でも一割違う。五十歳代後半では千人当たり百件以上の開きがある。
その結果どういうことが起こっているかといいますと、一人当たりの入院診療費、下の棒グラフです、これは国保の方が政管健保本人よりもはるかに高いんですね。例えば、四十五歳から四十九歳までの一人当たりの毎月の入院診療費は、政管健保本人が二千八百四十七円、国保は六千九百九十二円、二・五倍にも上ります。国保の外来受診件数は少ない。外来にはなかなか掛からないんだけれども、入院になると政管健保より国保の方が一人当たりの入院費は高いと。私、これは正に三割負担で国保の外来受診が抑制され、件数だけじゃないと思います、中身も問題だと思うんですね。その結果、病気が重くなって入院するケースが増えている。国保の方がやはり入院医療費が高くなっているという点も私はあると思うんです。
もしも三割負担による受診抑制以外にこの入院診療費の違いについて理由があるというふうに考えるんだったら、お示しいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) お示しをいただきましたこの資料は、何年度のこれは資料でございましょうか。
○小池晃君 平成十一年。
○国務大臣(坂口力君) これは平成十一年の一年間の平均でございますか。
○小池晃君 これは厚生省が作った資料で、平成十一年の四月―五月のポイントで調べている、厚生省が発表している資料ですよ。
○国務大臣(坂口力君) そういたしますと、これは一か月の平均でございますか。
我々の方の資料、一年間の平均で見ますと、大体変化ないんですね。若干の、年齢層によりましては違いのあるところも若干はございますけれども、保険別に国保とそれから政管健保との間の年齢階層別を大体見ますと大体パラレルに、パラレルと申しますか、大体一致をいたしております。少し、五十五歳から六十五歳、その辺のところは若干の違いのあるところも出ておりますけれども、大体一致しているという案が我々の方の調査では出ているわけでございます。
○小池晃君 外来受診件数については、「保険と年金の動向」、厚生省も監修に加わっている雑誌でこの数字を出しているわけですから、私はその数字を使って言っているわけです。
今、受診件数のことだけおっしゃいましたけれども、入院診療費はどうなんですか。国保と政管健保を比べれば、これは明らかに国保の方が入院診療費高くなっているという実態あるんじゃないですか。ですから、このことを説明する場合に、三割負担で受診抑制で重症化しているということが私一つの大きな理由だというふうに考えるんですが、そうではないというふうに言うのであれば、そのことをお示しいただきたいと言っているんです。
○国務大臣(坂口力君) それは、国保と政管健保と入っておみえになります年齢層が違うわけでございますし、そしてまた所得層も違うわけでございますから、それは一概に平均することはできないというふうに思っております。
○小池晃君 年齢別に、年齢階級別に見て、国保が全体として入院診療費高いというのは、それは当然ですよ、高齢者多いから。年齢階級別に見ても明らかにこれだけ違うでしょうと、これが今言った所得の違いとかあるいは階層の違いということだけで説明できるんですかと私申し上げているんです。
私、この違いというのは、やはり三割負担が受診抑制を起こしているということの一つの証明にはなるんじゃないかというふうに思いますよ。だって、このことによって結果として重症化して、そのことで入院診療費が上がっているということは、一つの原因として考えられるんじゃないですか。もう一度お尋ねします。
○国務大臣(坂口力君) それは一概には言えないというふうに私は思います。
先ほど申しましたように、一年間を通しましたその統計によりましたら、こういう差は出ておりません。したがって……
○小池晃君 入院費の問題を聞いているんです。入院費。
○国務大臣(坂口力君) ですから、その医療費の問題を私は申し上げているわけでありまして、こういう明確な差は、一年間を通じて見ましたものは私は出ていないというふうに思います。
そして、三割だから、三割になりました場合に、例えば、ちょっとのどが痛いとかちょっと熱があるといったような人たちは、あるいはそれは控えられるということが一時的に起こるかもしれないというふうには思いますけれども、それが私は医療の大勢に影響していくということは私はないというふうに思います。
○小池晃君 軽いうちに気軽に病院に掛かれるかどうかということが医療費を将来的に抑えていくということになるんじゃないかというふうに言っているんですよ。だから、軽いうちは三割お願いする、重くなったら高額療養費があると、これは間違っているんです。軽いうちに安心して病院に掛かって、高額療養費に達しないように、重症になる前にしっかり治しておくということが全体として医療費を抑えていく道じゃないですか。考え方が私、逆立ちしていると思いますよ。
三割負担の問題から、次に健康保険の財政の問題をちょっとお聞きしたいと思うんですが、財政悪化の原因と責任についてであります。
総理は、財政悪化の原因の一つとして、経済の低迷ということを私の質問にお答えになっています。正にそうだと思うんです。景気の悪化が一つの大きな要因になっている。政管健保も組合健保も、リストラの影響で保険料収入減っています。
例えば、日本最大の企業グループの健保組合である日立製作所の健保組合で見ると、今年度予算の赤字は約五十六億円です。四年連続赤字なんですね。その原因は保険料収入の減少です。すなわち、予算を見ると、被保険者が昨年予算と比べて八千四百人減少している。リストラです。それから、保険料算定の基礎となる標準報酬月額が昨年と比べて一万一千六百二十七円減少している。そのため、保険料収入が昨年と比べて約六十六億円減っているんですね。もちろん、これはリストラの影響であります。
私は、こういう状況の中で保険料や患者負担を増やすということになると、個人消費を冷え込ませる、失業と倒産の連鎖を生む。かえって景気を悪化させて、健保財政を改善するためと言いながら、結果として健保財政の悪化を招くんじゃないか。
総理、これ本会議でもお尋ねしましたが、もう一度お答え願いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、先ほどもお答えいたしましたけれども、医療費だけの問題ではないと。経済全体を活性化する中で、例えば保険料一つ取ってみましても、これは率ですから、パーセントですから……
○小池晃君 医療費の影響を聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、ちょっとお答えしているんです。
医療費だけの問題ではないと、保険財政というのは。それは給料が上がれば保険料収入も増えるでしょう。だから、医療費だけという面だけでは一面的に量れない面があるんです、この医療保険財政も。全体の経済の活性化する中で、財政状況が良くなれば、それは医療費をどんどん下げて患者負担を下げることもできます、財政収入が多いと。景気が良くなって予想以上に税収が入ってくるという場合もかつてはあったわけですから。
そういう点において、医療費だけで経済の消費が冷え込むということは、一概に私は言えないと思っております。
○小池晃君 それは当然ですよ。私が聞いているのは、全体いろんな要素あるでしょう、医療費の負担増が影響はどうなんですかと、与える影響はどうなんですかと、そのことについて聞いているんですよ。
総理は、本会議で私の質問に対して、中長期的には国民全体にとってプラスになるとお答えになりました。中長期的にプラスになる根拠を示していただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、中長期的に、この国民皆保険制度が持続可能、維持されるということは、国民全体にとってプラスです。かつては国保だって五割負担だったんですから、それが三割負担になった。経済が発展していくうちに財政状況が良くなれば患者負担は引き下げられる場合があるかもしれない。あるいは保険財政が破綻して国民保険制度が崩れた場合には、一番痛みを受けるのは国民全体であります。
私は、そういうことから見れば患者負担だけの引上げが痛みじゃないと。保険者、税金負担者、診療側、いろいろな点を考えるべきではないかということから見れば、私は、この医療保険財政を健全化するような歩みを進めること、そして皆保険制度を守るということが国民全体になってプラスになるということを言っているわけであります。
○小池晃君 そんな大ざっぱなことで答えたんですか。だって、私が聞いたのは、具体的に聞いたんですよ。負担増になれば、総理は言ったんです、短期的には痛みを伴うけれども中長期的には国民経済全体にとってプラスになると。答えた以上はその根拠があるはずでしょう。今みたいな、何かもう本当に飲み屋で話しているようなよた話みたいな話じゃなくて、ちゃんと計算して、シミュレーションして、どういう効果があるのかということをした、ちゃんと根拠を持った上で初めて言えることですよ。根拠もなく言ったんですか、そんなことを。どうなんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、飲み屋じゃない、国会の委員会じゃないですか。飲み屋で話している話じゃないですよ。何を言うんですか。当たり前の総理として大方針を言っているんじゃないですか、国民皆保険制度をどうやって維持していくかという。何でも患者負担を引き上げれば国民負担と思うのは私は大間違いだと思う。
○小池晃君 そんなこと言っていないんですよ、今は。根拠を示してください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 根拠にしても、この財政状況を考えてどうするんですか。どんどんどんどん借金を増やして税金で負担してやればいいというんですか、共産党は。公費負担、公費なんというのは税金負担ですよ。(「答えてください、答えて」と呼ぶ者あり)答えています。これが答えですよ。
○小池晃君 全く答えになっていませんよ。
私はちゃんと、この問題が中長期的にも非常に景気に対しても悪影響を与えるんじゃないかと言っているんですから、政府が答える以上、きちっと経済に与える影響というのを試算をして委員会に示すべきですよ。中長期的にこうこうこういう効果が出てくるんだということをきちっとシミュレーションして、その試算結果を当委員会に提出していただきたい、そのことを政府の方に要求をしたいというふうに思います。
さらにもう一つ聞きたいのは、国庫負担の問題です。
政管健保財政悪化の要因です。これは本会議で指摘したように、一六・四%から一三%に国庫負担下げた、九二年。総理は、先ほども議論ありました、三方一両損というふうにおっしゃる。この三方一両損というのは、患者、保険者、医療機関だと。その場合、政管健保の保険者というのはだれか。これは国ですよね。ということは、政府ですよね。ということは、私はその三方一両損に政府が入っていないじゃないか、国庫負担入っていないじゃないかというふうに予算委員会で言いましたけれども、政管健保について言えば、これは国が保険者なんだから、三方一両損というのであれば保険料も上げますよと、窓口負担も上げますよというふうに言うのであれば、まずこの政管健保の保険者である政府の負担、つまり国庫負担を元に戻すと、これやるべきじゃないですか。これしないでおいて何で三方一両損というふうに言えるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その点が共産党と私は全く違う。公費負担というのは税金負担です。これは何で国民負担じゃないんですか。
○小池晃君 三方一両損じゃないですかと言っているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国民全体がプラスになる。税金負担、負担。この今の財政状況をどう考えるんですか。
何でも患者負担を、保険料負担を減らして税金を増やせというのは国民負担ではないと考えるのは、私は全く違うと思います。今の財政状況をどうやって健全化するか、その点もよく考えていただきたい。(「質問に答えていないぞ」と呼ぶ者あり)
○小池晃君 あなた総理大臣なんだから、私の言うことぐらいちゃんと聞いてくださいよ。私が聞いているのは全然違うことですよ。
総理がおっしゃっていたことから照らしたって、少なくとも政管健保に限って言えば、明らかに保険者は国なんだから、国庫負担まず増やすべきじゃないですか。しかも、この国庫負担というのは約束していたんですよ、昔。一六・四%から一三%に下げたときに、附則の六条に財政運営の状況等を勘案し、必要があると認めるときは一三%の国庫負担割合について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずると。この条項は今でも生きているんですよ。だとすれば、これ今まで放置したのは正に約束違反じゃないですかと。国庫負担を、保険者である、保険者としての痛み、国庫負担をまずせめて下げる前のところまで戻しましょうと。これぐらいやって初めて三方一両損と言えるんじゃないですか。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 正に財政状況を見ながら考えているんですよ。今の財政状況と過去の財政状況とどうなっているんですか。
○小池晃君 だから財政運営、政管健保の財政運営と言いました。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはもう全体を考えてです。
○小池晃君 全く分かっていないです。
この条項は、政管健保の保険の財政運営等の状況を勘案し、要するに政管健保、そのとき黒字だと、大幅な黒字だから国庫負担減らしましょうと、そういう答弁しているんですよ。それで、議員が質問して、このまま赤字になったらどうするんですかと何度も質問しているんです。それに対して当時の政府は赤字になったらちゃんと復元しますと言っているんですよ。そのことをここで言っているんです。そのことをやらずに国民に負担を押し付けるというのは全く約束違反じゃないかと。私の質問に全く答えないというふうに思います。
しかも、総理、あなた自身や自民党は何の痛みも感じていないじゃないですか。政治献金の問題であります。資料を配っていただきたいと思うんですが、総理は本会議で、製薬企業などからの献金だけでも禁止せよという私の質問に対して、企業献金は必ずしも悪とは考えておりませんと答えた。もちろん、我が党は政治献金、企業・団体献金禁止すべきだと思います。しかし、それができないというなら、せめて公的医療保険財政を原資としている製薬企業とか医療団体からの献金は禁止すべきじゃないかと。今財政赤字だということで痛みを押し付けようというんですから、なおさらだと思うんですね。
総理は、かつて厚生大臣時代、国会でこう答えています。九七年十二月九日の衆議院予算委員会、我が党の志位委員長の質問に対して、公金を受けている団体や企業からは厳しい制限を設けてしかるべきだ、かつてあなたはそうおっしゃっていたんですよ。ならば、公的医療保険財政から収入を得ている企業や団体からの献金は禁止すべきじゃないか。あなたのかつての主張に照らしても、そうすべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、企業献金、悪とはみなしておりません。しかし、一定の制約を加えるべきだということを言っているんです。野方図に幾らでもいいということは言っていません。一定の制約が必要だと。人によって、政治活動の資金をどうやって調達すべきかというのは政党のよって立つ基盤によって違ってまいります。私は、政党の活動、これについては、それぞれ人によって調達方法は違うだろうし、使途も違うと思います。しかしながら、一定の制約は課されるべきだと。そして、一部の企業、一部の団体に左右されないように資金調達はどうあるべきかということは当然考えていい問題だということを言っているわけであります。
○小池晃君 だから、その一定の制約を、こういう公的医療保険財政から原資を得ている医療団体から拒否すると、やめるということを私は提案しているんです。
あなた、この問題、明確に答えない理由が私はあると思うんですが、資料をお配りしましたけれども、これは総理が受けている政治献金であります。日本医師連盟や製薬産業政治連盟など医療関係の企業・団体からの献金です。九八年七月に厚生大臣を辞められてから千三百二十万円、九九年には千七百二十万円、二〇〇〇年には千六百万円、あなたの政治資金のかなりの部分をこういう医療関係の企業・団体が占めている。
総理は、さきの予算委員会のときにもこう言っているんですね。厚生大臣在任中は政治献金自粛すると。確かに自粛していると。十万円もらっているようですけれども。辞めた途端にまたもらい始めているんです。しかも、そのときよりも増えているんですよ。これだとやめた自粛期間の元取ったと言われても仕方ないんじゃないですか。
私、こういうやり方をしていて国民に痛みを押し付けるなんという資格あるのかと。だから、せめてこういったことだけでもやめますと何で言えないんですか。制限だと言うんだったら、はっきり言ってくださいよ、やめますと。もうこういう公的医療保険財政得ているところはもうもらいませんと、自民党やめますと、言ってくださいよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これだけ資金をいただいていながら、なぜ私は製薬企業にも医療団体から嫌がることをやっているんですか。全く政治献金影響受けていない。はっきり言えるじゃありませんか。これだけの献金をして、じゃ小泉は見返りをくれているだろうかと言ったら怒るでしょう。嫌なら献金をやめりゃいいんです。政治献金の多寡に私は影響されないということを証明しているじゃないですか。
○小池晃君 そういうことを言っているんじゃないんです、私は。公金を受けている団体や企業からはそもそも政治献金もらうべきじゃないと言っているんですよ。あなたもかつては制限を設けるべきだと言ったでしょう。こういうふうにしない、こういうのをやめるというのがあなたの言う改革だったんじゃないですか。小泉改革というのは、正にこういったことをやめるということだったんじゃないでしょうか。それなのに全くこういったことにメスを入れようとしない。そうして、一方では、国民に痛みを押し付ける。これじゃ正に今までの自民党政治と全く変わりませんよ、あなたのやり方は。こんなことでは国民は、負担増は一かけらも信用しない、こんなことは受け入れられないということを申し上げて、私の質問を終わります。
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