→【速記録】 薬害エイズ、ヤコブ病の原因となった「生物由来製品」の規制を新たに盛り込んだ薬事法・血液事業法の改正案が、四日の参議院厚生労働委員会で、修正の上、全会一致で可決されました。 質問に立った日本共産党の小池晃参議院議員は、血液製剤の供給は公的機関が一元的に担うべきだと要求しました。 現在、輸血用血液は日赤が国内の献血により供給していますが、血液製剤は日本と外国の製薬メーカーの売血由来の製剤が入り乱れ、過当競争によるダンピングが横行しています。小池氏は、「これが悲惨な薬害を拡大した要因の一つ。国民の安全を第一に考えるなら、国が責任をもって供給の一元化を図るべき」とた だしました。坂口厚生労働大臣は「検討会で改めて議論し、結論をだしたい」と答弁しました。 また、危険性が指摘されている遺伝子組み換え製剤についても、血液製剤と同様の規制対象とすべきと指摘し、坂口大臣もその必要性を認めました。 政府原案では、血液製剤の「国内自給」の原則が盛り込まれていないなどの問題点が関係者から指摘されていましたが、与野党の協議で修正を加えることとなり、「国内自給」の明文化や、副作用被害に対する救済制度の早期法制化などを盛り込んだ全会派共同の提案で修正されました。 (法案は6月5日の参院本会議で可決されました。今後は衆院で審議が行われます。) 薬害C型肝炎問題 74年にさかのぼり調査を、厚労省が約束 一万人余が感染したとされる旧ミドリ十字(現三菱ウェルファーマ)のフィブリノゲン製剤による薬害C型肝炎問題で、厚生労働省は四日、これまで七七年に米国で承認取り消しをしたときの対応の経過について調査してきましたが、七四年までさかのぼって危険性をどう認識していたか、調査することを明らかにしました。日本共産党の小池晃参院議員が参院厚生労働委員会で質問したことに医薬局長が答弁したもの。 同議員は、米国で製造中止をする四年も前の七三年に当時の厚生省が同製剤からの肝炎感染の危険性を認識、同製剤の添付文書(能書)の改定を七四年に指導していることを指摘し、危険性を知りながら販売を容認して被害を拡大させた責任を追及しました。 また、同議員は、旧国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)の血液製剤部長が米国で七七年に製造中止をしたことから、その直後に日本でも製造中止にすることを旧厚生省に打診していたことが判明したことで、この問題でも「徹底的な内部調査をすべきだ」と質問。医薬局長は「さらに調査したい」と答弁しました。