「北方四島」支援事業である「自航式はしけ」の入札参加資格にかかわる疑惑で、日本共産党の小池晃議員は十三日の参院予算委員会で、本来は参加資格のない鈴木宗男議員の後援企業「根室造船」を入札に参加させるため審査基準を緩和したことを裏付ける文書を明らかにしました。同議員が十二日の参院予算委で外務省に提出を要求していたものです。 文書は、支援委員会事務局が作成した「北方四島住民向け『自航式はしけ』建造に係る競争参加資格審査結果について」。同文書には「当初の審査基準では根室造船(株)が一部基準を充たさないことが判明したため、地元企業にも競争に参加させるべきとの政策的判断に基づき、審査基準を一部緩和した経緯がある」と明記。もとの文書にあった「根室造船(株)が一部基準を充たさないことが判明したため」の部分が棒線で消され、手書きで修正されています。 この文書は、四日発表の外務省調査報告書のなかで「審査基準を一部緩和したことを示唆する文書がある」として存在が指摘され、十二日の小池氏の質問に外務省の斎藤泰雄欧州局長が「根室造船が念頭にあったことをうかがわせる手書きの書き込みのある文書が存在している」と答弁していました。 小池氏は、「根室造船の社長は鈴木氏の資金管理団体根室支部の代表、根室後援会の幹事長。文書に根室造船と書くということは、特別な一企業への配慮があった」と指摘。同社に仕事を回すため参加資格をねじまげた点での鈴木氏の関与は明白だとして、再喚問を求めました。 →【速記録】