子どものがんや難病の医療費を助成する「小児慢性特定疾患」の制度変更により自己負担の導入が狙われ、九割の対象者が年平均二万円の負担となることが五日、わかりました。日本共産党の小池晃参院議員の質問主意書に小泉首相が答弁書で明らかにしたもの。
制度変更は十月からの予定。児童福祉法に同制度を盛りこむ法改正が今国会で審議されますが、詳細は明らかになっていません。答弁書では、自己負担が生活保護と市町村民税非課税世帯を除く対象者の九割に導入され、負担額は一人当たり平均で年間約二万円を見込んでいます。この間、厚生労働省は、自己負担は所得によって限度額を区分し、最高ランクの限度額(月額)は入院で一万円、通院で五千円超と説明しています。
一方、対象年齢を現行の十八歳から二十歳未満に延長し、入院・通院ともすべて対象とし、対象疾患を約二十増やすなど、患者団体の要求をとりいれた面もあります。
また、対象者を重点化するとして軽症者は制度から外す方向ですが「医学基準がまだ設定されていない」(答弁書)としてその数は明らかにしていません。
- 小池晃参院議員の話
- 国が来年度予算を三十億円増やし、通院までの対象拡大、対象年齢の延長、福祉サービスなどを実現すると答えたことは、患者・家族をはじめとする運動の成果です。一方で自己負担の導入により、九割の対象者が平均二万円もの負担増になることが明らかになりました。子どもと家族が安心して医療を受けられるように、自己負担の導入や軽症者の対象除外を撤回するよう引き続き求めていきます。
- 関連リンク
- 薬価下げ患者負担やめよ 小池議員が迫る(3 月 24 日 厚労委)