日本共産党被爆者問題対策委員会(責任者・小池晃参院議員)は十八日、舛添要一厚生労働相あてに原爆症認定制度の抜本的改善を求める要請をおこないました。小池議員のほか、笠井亮、赤嶺政賢、高橋千鶴子各衆院議員、井上哲士参院議員が参加し、同省の西山正徳健康局長が応対しました。
小池氏は、「六地裁が認定基準を根本的に見直さなければいけないと判決を出し、与野党こえて声をあげている問題です。被爆者の願いに応えた認定行政の抜本的改善を求めたい」とのべ、要請書に示した認定制度改善の基本方向を説明。▽現行の「審査の方針」の廃止▽放射線によるものと認められる疾病や負傷を政令で決め、医療を要している場合には審査を経ずに認定する▽認定審査にあたる「医療分科会」の改革―を求めました。
あわせて小池氏は、在外被爆者対策について、現地での被爆者健康手帳の取得や原爆症認定申請を含め、被爆者援護法を全面適用するための法改正や、医療費助成の上限枠撤廃を要求しました。
西山局長は、六度の国敗訴をうけ「逃げられない」と表明し、同省の検討会で急ピッチで検討しているとのべました。一方で、現在の初期放射線の被ばく線量評価システムであるDS86について「無視することはできない」としました。
小池氏は、「原爆放射線の人体影響は未解明な部分が多く、DS86にもとづく線量評価ではカバーできないというのが判決の基本的な方向性だ。今回の見直しは科学的な基準を作る作業であり、被爆者がおかれている実態こそ、その基盤になる。新しい基準を示すべきだ」と求めました。
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