アフガン攻撃のための米軍などへの燃料補給を続けるインド洋に派兵された海上自衛艦、イラク戦争支援に関する自衛隊部隊の施設・装備の修理などのために民間企業の技術者が系統的に派遣されていた――防衛省が日本共産党の小池晃参院議員に明らかにした内部資料は自衛隊の海外派兵の危険な構図を改めて浮き彫りにしました。
民間技術者派遣の資料は修理について、「艦船の器材の部品交換」「部品交換のための技術支援」「艦船の器材の点検」や、イラク関係では「監視装置の部品交換」の「通信装置の移設のための技術支援」「通信装置の設置のための教育」などとしています。
修理された艦船数もインド洋に派遣された自衛艦の相当数にあたり、イラク関係も〇四年三月から〇七年七月とほぼ全期間にわたって派遣されていることがわかります。
自衛隊は海外任務などでの“自己完結”を売り物にしてきました。しかし現実には民間技術者の支援なしでは海外派兵された自衛隊部隊の維持、作戦遂行が不可能であることを示しています。
防衛省昇格と同時に「海外活動」が本来任務化された自衛隊。「国際貢献」の名でアメリカの先制攻撃戦略に沿った共同作戦をかかげる「日米同盟」の証しとばかりに自衛隊の海外派兵の「恒久化」が自公政権と民主党を巻きこんで叫ばれています。それだけに民間動員のなし崩し的な拡大とそれによる危険性は軽視できません。
海外派兵をめぐっては現役の自衛隊員から「インド洋での燃料補給に参加したが、政府の説明とは違う戦闘区域で米軍に補給している。明らかに憲法違反の集団的自衛権の行使になる」といった内部告発もあります。
防衛省は、自衛隊と民間技術者を巻き込んだ海外任務の実態を隠さず公表し、自衛隊員や民間技術者をも危険にさらす憲法違反の海外派兵を直ちにやめるべきです。
(写真)防衛省が小池晃参院議員に提出した資料
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