厚生労働省は19日の参院厚生労働委員会で、何時間働いても一定額の残業代しか払われない「固定残業代制度」について、ハローワークに提出される求人票で誤った記載が多数あったとして、速やかな実態調査と是正指導を行うよう全国の労働局に事務連絡で求めたことを明らかにしました。日本共産党の小池晃議員の質問に答えたものです。
事務連絡は、小池氏が札幌の自動車会社のケースを取り上げた質問の後、4月14日付で出されました。求人票1000件を調べたところ、固定残業代が基本給に含まれていたり、固定分を超えた場合は追加支給されることが書かれていないなど不適切な記載が145もの事業所でありました。
事務連絡で同省は、募集中の求人票を調査し是正指導するとともに、これから求人票を受け付ける際、固定残業代であることや、超過分は追加支給されることなどを明記させるよう求めました。
小池氏の質問に中野雅之労働基準局長は、固定残業代制による未払い賃金は推計10億円、対象労働者は1万人(2012年)にのぼることを初めて明らかにしました。
小池氏は、2001年に同省が出したサービス残業根絶通達のなかで、固定残業代がサービス残業の要因になっていないか確認するとしていたことを指摘。「違反事例について調査・分析し、必要な対策をとるべきだ」と求めました。
コメントする