自民・公明両党は17日の参院厚生労働委員会で医療・介護総合法案の採決を強行し、賛成多数で可決しました。多数の傍聴者が見守る中、日本共産党の小池晃議員は反対討論に立ち、「介護保険制度の根幹を揺るがす歴史的大改悪だ」と批判しました。民主、維新、みんな、社民の各党も反対しました。
小池氏は、介護保険利用料引き上げ(1割から2割へ)の根拠が完全に崩壊したにもかかわらず、「このまま採決にかけるのは国会の自殺行為だ」と強調しました。
要支援者への訪問・通所介護を保険給付から外して市町村の事業に移すのは「受給権のはく奪」であり、「サービスの質も量も低下する」と述べました。
要介護1~2の人を特別養護老人ホーム入所の対象外とすることに道理はなく、「『介護難民化』を深刻にする」と指摘しました。強権的に病床を削減する仕組みの導入についても、「医療を受ける国民の権利が侵害される」と批判しました。
採決に先立つ質疑で小池氏は、経済財政諮問会議が法人税減税と同時に社会保障の自然増抑制も含めた「効率化」を打ち出したことにふれ、「社会保障のためといって消費税を増税したのに、法人税減税の財源を社会保障削減でまかなうなどという身勝手は許されない」と告発。安倍晋三首相が「法人税減税の財源として社会保障を削減する考えはない」と弁解したのに対し、小池氏は「国民からみればそうなっている。社会保障の大削減路線にかじを切る今回の法案は断じて認められない」と強調しました。
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