16日の参院厚生労働委員会で医療・介護総合法案に関する公聴会が行われ、要支援者への訪問介護と通所介護を市町村の事業に移してボランティアに委ねることなどに反対意見が続出しました。
全日本民主医療機関連合会の山田智副会長は「(要支援者の)日常生活ができなくなり介護度が上がる」「認知症の人の感情が不安定になる」などの危険性を強調。「市町村事業への移行は断じて行うべきではない」と述べました。病床の大幅削減についても、高齢者の傷病で救急車の出動が増えていると指摘し、「急性期病床を減らさず、必要な医療を受けられる体制を整えるべきだ」と主張しました。
連合の古賀伸明会長は「今回の介護保険法『改正』には反対だ」と表明し、「サービスの地域間格差が拡大し、要支援者の切り捨てにつながりかねない」と指摘。「19本の法案を束ねた当法案の審議は拙速だ。このように不十分な審議で見切り発車となれば将来に禍根を残す」と批判しました。
日本ホームヘルパー協会の因利恵会長は「利用者の自宅に行き、1人で対応するヘルパーの仕事は難しい。ボランティアが育ったのをみたことはない。高齢者の社会的関わりが低下する時期から専門性あるヘルパーが関わることが重度化を予防する」と強調しました。
日本共産党の小池晃議員は、特養ホームの入所制限(原則要介護3以上)をどう考えるかと質問。山田氏は「要介護1~2の待機者、約17万人を無視すべきではない。(施設の)基盤整備を行うべきだ」と答えました。
小池氏はまた、介護保険料が保険給付でなく市町村の事業に回される点について「現役労働者の理解を得られるか」と質問しました。古賀氏は「保険料の納付に対し、給付が担保されてはじめて保険制度といえる。保険料が新しい地域支援事業に行くのは、社会保険制度の性格を逸脱する」と応じました。
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