「赤旗」6月3日付
医療・介護総合法案が2日の参院本会議で審議入りし、質問に立った日本共産党の小池晃議員は「多くの国民を医療・介護サービスから排除することになる。社会保障に対する国の責任を投げ捨てるものだ」と批判しました。安倍晋三首相は社会保障改革について「自立自助が第一」と述べ、国の責任を後退させる姿勢を示しました。
要支援者への訪問・通所介護を保険給付から外すことについて、小池氏は、210の地方議会が意見書で「市町村に受け皿はなく、地域格差が生じる」と異議を唱えていることにふれ撤回を要求。52万人の高齢者が特養老人ホームに入れずに待機、行き場を失う事態があるにもかかわらず同法案が特養入所を原則要介護3以上に限定するため「今度は大量の高齢者が待機者にもなれず放置される」と批判。「特養の抜本的増設にかじを切るべきだ」と主張しました。
さらに小池氏は、介護利用料の2割負担など大幅な負担増について「利用を抑制させて重症化をもたらし、さらなる介護保険財政の悪化を招く」と指摘。田村憲久厚生労働相は「要支援から自立する高齢者を増やし、費用の効率化を図りたい」とサービス取り上げを正当化しました。
法案には、都道府県主導で病床の再編・削減を推進する仕組みももりこまれています。小池氏は、厚労省が都道府県の計画に従わない病院への制裁措置までとろうとしていることをあげ、「医療機関を選択する国民の権利を奪うことになる。根本原則であるフリーアクセスへの重大な挑戦だ」と述べました。
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