「赤旗」5月22日付
日本共産党の小池晃議員は20日の参院厚生労働委員会で、難病対策の新法案について質問し、新たに負担が生じる患者に対して無料化を継続した場合にかかる費用は数十億円にすぎないと明らかにしたうえで、「低所得者の医療費自己負担や、患者が生きるために不可欠な装置は無料化を堅持すべきだ」と求めました。
小池氏は、新制度による医療費助成の対象拡大を歓迎する一方で、「呼吸の有料化」ともいえる負担増の問題があると指摘。筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなどの神経系難病で人工呼吸器を使う重症者に対し、「気管切開」で月1000円、「鼻マスク」では低所得者世帯にも月2500~5000円を自己負担させることに対して、「息をするだけでお金をとるのか」「なぜ鼻マスクを差別するのか」と批判があがっていると紹介しました。
厚労省の佐藤敏信健康局長は、気管切開で人工呼吸器を装着する人などの医療費自己負担の無料化継続にかかる費用は約1・2億円だと説明。小池氏は、低所得の難病患者の医療や、難病の子どもの入院時の食費などの無料化を継続しても計約68億円だと確認し、財政的にもこれらの有料化をやめることは可能だと示しました。
政府は、他制度との公平性を理由に無料を認めない姿勢。小池氏は「負担設定のモデルになった障害者の自立支援医療について、政府は違憲訴訟団との和解で無料化を目指すと合意している」と指摘しました。公平性といって弱い立場の人にしわ寄せする政治でいいのかと訴えました。
田村憲久厚労相は「私も常にそこは悩み、自分の力のなさを感じる」とした上で、すべての困った人を助けるのは財政的に難しいとしました。
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