日本共産党の小池晃議員は13日の参院厚生労働委員会で、原爆症認定審査が被爆者を切り捨てている実態を告発しました。現行の認定制度を廃止し、被爆者手帳の所持者全員に障害の程度に応じて手当を支給すべきだとする日本被団協の提言を紹介し、事態の打開を求めました。
4月の岡山地裁判決は、国が申請書類の一部を審査で2度にわたって見落としたと認定。見落とした審査会について厚労省の佐藤敏信健康局長は、審査委員23人が計257件の申請を6時間で審査したと答えました。
小池氏は「1件あたり1分半にも満たない」と述べ、「厚労省作成の一覧表を見るだけで却下しているのが実態だ」と指摘。佐藤局長は「事務的に十分に審査し、分科会の前後にも時間をかけている」と答え、田村憲久大臣も「(審査)体制は整備されている」と述べましたが、小池氏の指摘を否定できませんでした。
小池氏は、原爆投下直後に広島市に入った川田義男さんのケースについて、入市被ばくの状況は国の基準を満たしているのに認定を却下されたと指摘。厚労省が審査会に提出した資料には、川田氏の「入市状況」の欄が空白で、本人の主張が記載されていなかったことを示し、審査委員に情報すら知らせず切り捨てていることを批判しました。
川田氏は、異議申し立てを棄却された翌4月9日に亡くなっています。小池氏は「高齢の被爆者をこれ以上、苦しませることは許されない。党派を超えて解決すべきだ」と呼びかけました。
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