日本共産党の小池晃副委員長は13日の参院厚生労働委員会で、閣議決定された労働者派遣法改悪法案について「臨時的・一時的業務に限定するという大原則を覆す大改悪だ」と指摘しました。派遣業界の代表を異例扱いでオブザーバー参加させるなど議論の進め方にも問題があったとして、業界の要求を丸ごと盛り込んだ法案だと批判しました。
同法の見直しを議論した労働政策審議会にオブザーバー参加が認められたのは過去一度だけですが、今回の派遣法の審議には、利害関係がある派遣業界の代表が出席し、労働側の主張に何度も反論しました。審議会の報告書にまで「バランスに懸念があった」と問題視されました。
オブザーバーの一人の青木秀登氏について、小池氏は「キヤノン宇都宮工場で、キヤノンとともに違法な偽装請負をしていたと裁判に訴えられた請負会社の取締役だった」と告発。労働組合との団体交渉に応じず、賃金から年8000万円もピンハネした会社だった事実も示しました。
田村憲久厚労相は「(彼は)あくまでオブザーバー」と開き直りました。
小池氏は、田村厚労相が政治連盟新労働研究会から64万円の政治献金を受けていたと指摘。同会の母体である日本生産技能労務協会の昨年7月の要望通り、8月の労政審から青木氏らのオブザーバー参加が実現した経過を明らかにし、「利害関係者による利益誘導だ」と批判しました。
その上で「(法案の)内容に入る前に、入り口だけでこれだけの問題がある法案だ」と主張し、法案の撤回を求めました。
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