小池議員に厚労省報告
親族による扶養義務が生活保護の要件だとする違法な文書を使って申請を締め出している問題で、全国1263の福祉事務所のうち436カ所(34・5%)で違法な文書が使われていたことが2日、明らかになりました。参院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃議員の質問に厚生労働省が明らかにしました。
小池氏は「これだけ広範囲に違法な文書が使用され続けていたことは極めて重大だ。生活保護行政の抜本的な見直しが必要だ」とのべ、申請を締め出す違法な「水際作戦」を改めるべきだと強調。「親族への扶養義務を強化する生活保護法改悪案は廃案にすべきだ」と主張しました。
この問題は、生活保護法に反する違法な文書と、収入、勤務先、家族構成などを記入させるプライバシー侵害の調査書が親族に送られ、申請締め出しに使われていたものです。
小池氏が11月7日、申請を取り下げさせた長野市の実態を示して「受給権の侵害だ」と追及。田村憲久厚労相は全国の自治体に緊急是正を求める同省事務連絡を出し、実態調査を表明していました。
厚労省によれば、違法文書を使っていた事務所のうち134カ所(30・7%)で10年以上も使用。5年以上は6割にのぼりました。
民間会社が作った生活保護管理システムの基本仕様で違法文書が使われていたのが376カ所(86・2%)を占め、原因不明も含めると北日本コンピューターサービスが関与した違法文書は384件、全体の95%にのぼっています。厚労省は、違法文書は是正されたと報告しました。
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