【速記録】2013年11月7日参議院厚生労働委員会
生活保護申請者の受給権を脅かす生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法案が7日の参院厚生労働委員会で審議入りしました。法案には親族(親子や兄弟姉妹)の収入・資産などの調査を強化する規定がありますが、これを先取りする形で自治体が親族に調査書を送りつけている実態が明らかになりました。
日本共産党の小池晃議員は、長野市が生活保護申請者の姉に送った調査書(扶養届書)を示して追及。ほかにも神奈川、岡山、千葉、東京の自治体で同様の調査書が送付されていると指摘しました。
長野市の調査書は、勤務先、月収、資産、負債などの記載に加え、給与明細書やローン返済予定表の添付まで要求。保護にあたっては「扶養義務者の扶養(援助)を優先的に受けることが前提」などと生活保護法に反する記述まで行っています。
送られた書類を見て姉は弟に申請をやめるように言い、弟は申請をあきらめました。
小池氏は「保護を申請すると親族の家計やプライバシーが調査され、照会に応じないと銀行や職場に連絡が入る。こんな事態になれば親族間のあつれきが深刻化し、申請をとりさげることになる」と強調しました。
田村憲久厚労相は「(親族の扶養は保護の)前提ではない。きちんと指導する」と答弁。小池氏は、親族の調査強化を法定すれば申請者の受給権がますます脅かされるのは明らかだと批判しました。
小池氏はまた、法案が申請書の提出を義務付けているのは申請のハードルを高めるものだと追及しました。「現在でも申請書を渡さずに生活困窮者を追い返す『水際作戦』が横行している」と指摘。法文まで変えれば申請者の門前払いがさらに広がり、餓死・孤立死などの悲惨な事態が拡大すると述べ、法案の撤回を求めました。
田村氏は「申請の意思があれば受理するよう徹底する」などと言い訳に終始しました。
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