【速記録】2013年10月24日参議院予算委員会
「来年4月の増税中止を」「質の高い雇用こそ、安定した成長につながる」―。日本共産党の小池晃副委員長は24日の参院予算委員会で、安倍晋三首相とのやりとりで消費税増税の道理のなさを浮き彫りにするとともに、働く不安をなくし景気回復をはかる雇用政策に転換するよう提案しました。
小池氏は、働く人の平均年収が減少しているもとで消費税増税を行えば、消費税率を3%から5%へ引き上げた1997年当時よりも深刻な影響が出ると指摘。景気も財政も共倒れして、社会保障の財源も生まれないと追及しました。所得の少ない人ほど負担割合が重い逆進性(グラフ参照)が増税でさらに強まり、「貧困と格差はいっそう拡大する」と述べました。
首相は「たしかに景気の回復を腰折れさせる懸念もある」と認めました。小池氏は「そうであるなら、増税中止が一番の景気対策ではないか」と述べ、日本共産党が準備している消費税増税中止法案への共同を各党各会派に呼びかけました。
小池氏は、被災地の実態、声も政府にぶつけました。医療、介護の減免制度復活に必要な予算が、増税にともなう復興特別法人税の廃止(9000億円)の9分の1程度であることを示し、道理のなさを際立たせました。
さらに小池氏は、「法人税減税を賃上げにつなげる」という首相の空論も事実で批判。この間、法人減税は、賃金に回らず、内部留保や株主配当・役員報酬に充てられてきたことを示し、「なぜ、政労使会議で『内部留保を活用して賃上げを』と言わないのか」と迫りました。
首相は「私からも内部留保の活用をお願いする」と答えました。
小池氏は、政府がただちにできる賃上げ策として「『ブラック企業対策』も求めたい」と主張。非正規雇用の増大が賃金低下の原因であると政府も問題にしながら、労働者派遣法改悪など非正規雇用を増やすメニューばかり並べており、「これで、どうして賃上げが実現できるのか」と迫りました。
「鮮度が落ちる」などと雇い止めにされた女性の事例を示し、「人間をモノのように切り捨てる社会でいいと思うか」と小池氏が迫ると、首相は「たしかに、そういう社会でいいとは思っていない」と答えました。
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