「赤旗」6月20日付
日本共産党の小池晃議員は19日の参院厚生労働委員会で、安倍内閣がねらう「残業代ゼロ」(労働時間規制の撤廃)制度に関して、大企業ほど長時間労働がまかり通っており、規制強化こそ行うべきだと追及しました。
小池氏は、残業代ゼロ制度を求めている経団連の榊原定征会長の出身企業の東レでは、1カ月160時間、年間1600時間という過労死基準をはるかに上回る特別条項付きの残業協定を結んでいることを告発。「こんな働かせ方を強いている企業や財界のトップに”時間規制を外せ”などという資格はない」と強調しました。
小池氏の質問に中野雅之労働基準局長は、時間規制の意義について「労働者の心身の健康とワークライフバランス(仕事と生活の調和)を確保するため」と答弁しました。
小池氏は、残業代ゼロ制度の対象を年収1000万円以上とすることについて、「年収がいくらであろうと健康やワークライフバランスは大事だ。年収とどういう関係があるのか」と追及。田村厚労相は「成果が過大にならないような交渉力がある」と苦しい説明を行いました。
小池氏は「説明になっていない。高収入でも過労死が増えている。必要なのは労働時間管理だ」と強調。日本共産党が提出しているブラック企業規制法案で掲げている、サービス残業に対する罰則強化や次の仕事までのインターバル(勤務間)規制などルール強化こそ必要だとのべました。