○小池晃君 日本共産党の小池晃です。よろしくお願いします。
有床診療所の問題を取り上げたいんですが、先月、福岡市で有床診療所の火災がありまして、これはあってはならない痛ましい結果だったわけです。原因究明と再発防止は必要だと思いますが、改めて、この事件をきっかけに、やはり有床診が地域に果たしている役割に注目が集まっていると思うんですね。
最初に大臣にお伺いしたいんですけれども、有床診が日本の地域医療に果たしている独自の役割を大臣はどのように評価されていますか。
○国務大臣(田村憲久君) 有床診、地域医療にとってかなり地域差が実は有床診ございまして、多いところと少ないところ、西日本は多いところが多いんですけれども、そういう差はあるわけでありますが、大変その地域において重要な役割を果たしていると思います。
特に、例えば病院等々から退院してこられた場合の受皿という役割もありましょうし、また、そもそも在宅医療で急変した場合の受皿という意味もあると思います。もちろん在宅医療の拠点という意味では大きな意味がありますし、さらに専門医療の担い手という役割もあるわけでございまして、そういうことを考えてまいりますと、その地域においてやはり有床診の果たす役割というのは非常に大きなものがあるというふうに認識をいたしております。
○小池晃君 私も全く同じ認識です。
ところが、この間、地域医療を支える診療所の医師の報酬単価、有床診療所の入院単価が低いままに据え置かれてきたということがやはり今回のような事故の背景にも私はあるというふうに思うんですね。中小規模の病院も同様の状況に置かれています。厳しい経営環境に耐えられずに身近で入院可能な設備を持つ医療機関が少しずつ減少しているというのは、これは大変な問題だというふうに思うわけです。
そういう中で、来年四月に有床診療所に対する管理栄養士の配置が義務化をされようとしております。もちろん栄養管理は重要だと私は考えます。
しかし、現場の実態を見ると、例えば北海道保険医会の調査では義務化されれば四割の診療所が無床化を検討すると答えておりますし、東京保険医協会の調査でも八割の診療所で管理栄養士の確保の見通しが立たないというふうに言っているわけですね。私は、この管理栄養士の配置義務化というのは、現場の実態を踏まえないものだったんではないかなというふうに考えておりまして、撤回すべきだと思うんです。
大臣、現在見直しの議論がされていることは承知をしているんですが、中医協でなどということではなくて、国権の最高機関は中医協ではなくて国会なわけですから、政治家としてやっぱりこの問題で現場の不安を払拭するような言葉を是非御答弁いただきたいと思いますが。中医協でとか言わないでくださいね。
○国務大臣(田村憲久君) なかなか難しい御注文でございますけれども、栄養管理加算、これは元々加算でやっていたのを、二十四年度の診療報酬改定でこれ入院基本料の中に含めてしまったということでございまして、猶予期間がございますが、それが過ぎると管理栄養士がいないと加算が取れなくなるということになっております。
現状を調べますと、七割の有床診が管理栄養士を確保できていないと、そのうち五割はこれからもめどが立っていないということでございまして、もしこれこのままいきますと、管理栄養士確保できなければ入院基本料が取れないという話になりますから、これはもう有床診の存亡の危機であることは間違いないわけであります。
ということも踏まえて、踏まえて、私一存では決められませんので、中医協の方でその点をしっかりと御認識をいただきながら、御議論をいただいた上で適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
○小池晃君 そういうんじゃ駄目だって言ったんですけどね。でも、今の顔つきとかちょっと言い方でまあ、そういう覚悟でやっていただきたいと。
これは病院においても、離島や辺地などでは配置困難なところがありますし、退職後三か月以内に雇用しなければいけないというのもかなりの負担になっているというふうに聞いているので、やはり現場の医療に支障を来さないという立場でこの問題は解決をしていただきたいということを改めて求めたいと思います。
それから二つ目に、障害者医療の問題取り上げたいんですが、これ今、地方自治体が独自に負担軽減をしております。これに対して国が、ペナルティーという言い方をすると違うとおっしゃるのかもしれませんが、事実上ペナルティーを課しているわけです。
山梨県では、今、重度心身障害者医療費助成制度で医療費の自己負担分を県と市町村が折半で無料化しているわけですが、これを来年度廃止しようということになっている。この廃止の理由について、山梨県は、国によるペナルティーが八億円余りとなるということを挙げております。
国は、ペナルティー課す理由としては、患者負担軽減すると医療費の波及増があるということを言っているわけですが、保険局長、重度障害者医療の負担軽減によって医療費が増加するという根拠はあるんでしょうか、お示しをいただきたい。
○政府参考人(木倉敬之君) 御指摘のように、今の国保の制度におきまして地方自治体が、障害者に限らずですが、自己負担分に対しまして医療費助成を行った場合の医療費につきましては、全国での国庫補助というものを公平にやるという観点から、一定のルールで波及増ということでカットをさせていただいています。
ただ、先生御指摘のように、この障害の助成の仕方にも様々等級に応じたものがあります、重心だけではありませんが、ありますけれども、そういうその実態ごとの実証的なデータというものがあるわけではございません。しかしながら、これまでの経験則の中で、医療費の自己負担を減らされた場合に全体にその給付費が増えておるということに着目しまして、一定の計算式の下に、例えば乳幼児、例えば高齢者というふうな負担割合を補填をされた場合のルールを示しまして、それによりまして全国で一律の公費の補助の助成の仕方を取っておるということでございます。
○小池晃君 データでなく経験則だということなわけですね。
私は、これは地方単独事業へのペナルティーというのは、私どもが言っているだけじゃないんですね。これは、全国知事会、市長会、町村会、もう地方公共団体関係がそろって、このやはり制度は廃止をしてほしいという要望を出しているわけで、これ、無視するわけにいかない課題ではないかなというふうに思うんです。
大臣、地方のこれだけの声があるわけですから、これは廃止をすると、そういう方向で是非これは考えていただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 一般的に、医療の窓口負担を軽減すればその分医療費は伸びると、これは長瀬効果というやつで言われているわけでありまして、今局長が話したのは、その中において、障害者の方々に対しての医療に対してどうなんだというお話であったというふうに思います。
ただ、一般的にはそういう傾向があるのは確かなことであります。そこで、そう考えたときに、やはり他の自治体とのいろんなバランスを考えれば、窓口負担を低くすることによってそこが医療費が増え、そこへの補助金が増えるということになると、やはりバランスを欠く、公平感という問題があります。ですから、そこを一定の調整率を掛けて補助をしておるということであって、それをペナルティーと言うかどうか、我々はペナルティーという言い方はしておりませんけれども、実態はそういう形になっております。
一方で、確かに障害者の皆さんから見ても、例えば財政力の豊かな自治体等に住まわれておられますとそういうことができるわけであって、一方で、そういうところに国費が入っていくということ自体どう考えるのかという考え方もあるわけでありますが、いずれにいたしましても、委員のおっしゃられておられるような御意見もあることも承知をいたしておりますので、これはいろんなことを考えていかなければならない課題として検討しなきゃならない問題だというふうに思っております。
○小池晃君 これ、私は実態としてはこれはペナルティーだと思うし、必ずしも財政力豊かな自治体がやっているということじゃないです。やっぱり住民の声、それにこたえようという自治体の姿勢の表れでやっているわけですから、地方分権というのは、むしろこういったことを後押ししていくのが、私、地方分権ではないかなというふうに思いますので、地方が独自にやはり拡大することを国の制度で足を引っ張るようなことはやはり私は少なくともすべきではないということを申し上げておきたいと思います。検討課題だというふうにおっしゃったので、是非検討を進めてほしいというふうに思います。
それから、難病の問題、先ほど川田委員からもあったテーマで残りの時間議論をしたいんですが、厚労省の見直し案、今日、配付資料でお配りをしておりますが、私どもは基本的な立場として、対象疾患の拡大、法制化は必要だというふうに考えます。しかし、それと引換えのような形でこんな大幅な負担増ってあるんだろうかと。私、いろいろと厚生労働省の出してきている問題、大体反対すること多いですけど、これほどちょっと乱暴なのないと思いますよ、はっきり言って。ちょっと驚くべきこれは中身ですよ。
資料の一枚目は、今回の現行制度と比べて今の厚労省案を比較したものですね。これまで住民税非課税世帯は自己負担ゼロだったんですが、これが最高月六千円の負担、それ以上のところも全部軒並み上がっております。その結果、何が起こるかというと、二枚目以降に、これは作家で御自身が難病の自己免疫疾患の患者でもある大野更紗さんたちが、今回の厚労省案によって実際に可処分所得に占める自己負担限度額がどの程度になるかということを計算されたものであります。
三ページにあるのは、これは夫婦のみ世帯で、現行制度それから厚労省案によって可処分所得の中でどれだけの負担になるか。例えば三ページ目ですね、夫婦のみ世帯で年収百六十万円だと、現行制度では可処分所得の二%ですね、患者が被扶養者だとしても。それが一〇・六%ですよ、厚労省案だと。それから、四枚目の夫婦プラス子供二人世帯では一〇・四%、五ページ目の単身世帯だと一一%ですね。
これ厚労省に聞きますが、年収の一割にも達する負担というのは、これは余りにも重過ぎるんじゃないですか。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども川田委員の御質問にお答えさせていただいたんですけれども、ただいま御議論をいただいているところであります。各所得階層においてどれぐらいの負担が適当であるかということ、それから低所得者の方々に対する配慮、さらには高額な医療を継続して受けられるそういう方々に対してどう考えるか、こういうような論点で現在議論をいただく中においてこのような案が提出をさせていただいた中において、更に議論を深めていただいて最終的に御判断をいただいて、それをもってして適切な対応をさせていただきたい、このように思っております。
○小池晃君 これからの検討だというのであれば、私、問題点幾つか申し上げたいんですね。
この限度額は高齢者医療における限度額を参考にしたというふうにおっしゃるんですね。しかし、これは実態、全く高齢者医療と違うわけですよ。
まずもって、自己負担限度額の持つ意味が私は全然違うと思うんです。一般医療において高額療養費の対象となる比率というのは、高齢者の外来でせいぜい三%です。現役世代だと一%未満です。
自己負担限度額に達するような一般医療というのはめったに発生しないわけです。
しかし、難病の患者の場合は、これは、局長、事実として確認したいんですが、一般医療に比べて数倍の医療費掛かっていますよね。局長、そこは間違いないですね。
○政府参考人(佐藤敏信君) ちょっと一般の患者さんと比べてどういうふうな分布になっているかという、今日ちょっと手元に資料を持っておりませんので正確には申し上げられませんが、医療費総額が低いところから非常に高いところまで幅広く分布をしているということは言えると思います。
○小池晃君 いや、厚労省の資料を見ても、一人当たり医療費はやっぱり圧倒的に難病患者は多いわけですね。しかも、難病の多くというのは、青年期、壮年期発症ですよ。社会的な役割を果たしながら一生にわたって治療が続くわけで、これ何で高齢者医療を参考にしたんですか。これ全く違うじゃないですか、医療の実態が。
○政府参考人(佐藤敏信君) 先ほどからお話をしておりますように、難病対策委員会においてこの自己負担の在り方についても御検討をいただいているわけですけれども、難病対策の改革について提言が出されておりまして、この中でも、類似の患者を対象とする他制度との給付との均衡を図ると、こういうことになっております。具体的には、高齢者だとか障害者などの他制度との給付の均衡を図ると、こういうことになっておりまして、そういう提言に基づいて考えてみますと、今、小池議員からは違うんじゃないかと言われましたけれども、私どもの理解としては、一般に高齢者が病気がちであること、それから慢性的な疾患を抱えていらっしゃること、それから、したがって医療需要が非常に高い、それから、医療保険の高額療養費制度などにおいて、今度は制度の面ですけど、医療保険の高額療養費制度などにおいて一定の配慮がなされているというところがある程度参考になるのではないかということでございます。
例えば、難病患者についても医療需要が高いというようなことは参考になるんじゃないかということで、差し当たりは医療保険における高齢者の患者負担を参考にして十月十八日にたたき台を出したところですけれども、さらに、十月二十九日においては新たな所得区分を設けるなどして難病の特性にも配慮しているところですが、引き続き御議論を進めていただいて結論を得たいと考えております。
○小池晃君 私はちょっと説得力ないと思いますね。やっぱり高齢者じゃないでしょう。類似性ということでいえば障害者医療ですよ。自立支援医療ですよ、やはり参考にすべきは。これ、高齢者と全く生活実態、疾病の実態もやっぱり違うと思いますよ。
実は、この医療費助成については、難病に対する施策というのははっきり言って今まで医療費助成ぐらいしかないじゃないかと言われていたわけですね。法定雇用率も対象じゃない。ホームヘルプサービスやっていましたけど、ごくごく一部しかやっていないわけですね。
そういう中で、ほとんどまともな難病対策ない中で、医療費助成が唯一のセーフティーネットになってきたわけですよ。しかも、医療そのものが、やっぱり難病患者さんにとってみれば生存のためにどうしても必要なものが医療だということがあるわけですね。しかも、先ほどから言うように、高額な医療、高額な薬剤などを使った医療が半永久的に続いていくと。もちろん、公的医療の負担以外に差額ベッド代や交通費なども掛かってくるわけです。
今日お配りした資料の七ページに、全国CIDPサポートグループ事務局、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、神経難病の患者さんの支援団体からの資料をお配りをしましたけれども、これ、血液製剤などの高額な治療で病気と闘いながら働いておられる方も多いわけですね。大臣、これ見ていただきたいんですが、今までの医療費の負担に比べて二倍、三倍、あるいは八倍近くというケースもあるわけです。現在、月五千七百七十円の負担だったケースで、限度額引きますと二万四千六百円から四万四千四百円と。大臣、難病と闘いながら働いているこういう世代の人たち、年収三百七十万円で三十万円近い負担、年収五百七十万円で五十三万円の負担、こんな医療費負担、耐えられると思いますか。
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、難病の方々に対してのいろんなサービスという意味では余りなかったわけであります。
そんな中において、総合支援法の改正で、百三十疾患に対して総合福祉法の福祉サービスが受けられるようになったということは一歩前進であったというふうに思いますが、それに合わせて、今般、難病医療費助成の範囲の拡大ということで、五十六疾患から、まあ幾つになるかはまだ決まっておりませんが、一つ大きなめどとして三百疾患、これを目指していろんな議論を今していただいておるということでありますが、取りあえず、今ほど来、高齢者医療との対比という話がありましたけれども、今委員がおっしゃられたような視点も含めて今難病対策委員会で御議論をいただいて継続していただいておりますので、繰り返しになりますけれども、そこでの御議論をしっかり踏まえた上で適切な対応をしてまいりたいと、このように思っております。
○小池晃君 私は、先ほどから議論も出ていますけれども、やはり、配付資料一枚目に自立支援医療との比較が出ておりますけれども、自立支援医療の自己負担限度額というのは今回の難病医療の厚労省案より低いわけですね。参考にするべきは、やっぱり高齢者医療ではなくて、せめて障害者医療ではないかと。私たちは応益負担はなくせという立場ではありますけれども、せめてやっぱりこういう制度を立ち上げるのであれば自立支援医療並みの負担にすべきだということを、検討に当たって私が言った視点も踏まえてとおっしゃいましたので、そういったことも是非踏まえて検討してほしいというふうに思うんです。
それから、医療費助成の対象となる疾患がどうなるかという問題で、そもそもちょっと、局長、難病の定義は何ですか。
○政府参考人(佐藤敏信君) 原因が不明とか、治療法、具体的な治療方法が、しっかりした確定的な治療方法がないとか、長期にわたって医療が続く、慢性的にだらだら続く、それから社会的に支援が必要とか、そういうような要素ということになります。
○小池晃君 ところが、難病の定義はそうなのに、医療費助成の対象となると、そこに患者数が人口の〇・一%程度以下ということが加わるんです。
何で難病の定義にないこういう条件を加えるんですか。
○政府参考人(佐藤敏信君) やっぱり、難病が昭和四十七年に難病対策要綱でできたときに、ある程度、希少性というものが一つの要素であったというふうに言えると思います。希少な難病ということになりますと、なかなか研究も進まない、あるいは薬だとか医療機器の開発も進まない、こういうことがありますし、また患者さん本人にとってみても、なかなか相談しようにも近くに似たような境遇の方がいらっしゃらないということがありますので、そういう希少性に着目をしてそして研究を進めていくというような側面がやっぱりこの難病対策のスタートラインにあったと思います。
○小池晃君 いや、済みません、研究事業はそうだったかもしれないけど、医療費助成を希少性に限定するというのは、これは根拠全くないと私は思う。
人口の〇・一%程度というとおよそ十二万人前後で、これは厚労省の資料で見ると、例えば潰瘍性大腸炎とかパーキンソン病などの患者数はおよそその程度の数になっているわけですね。安倍首相は所信表明演説で、難病から回復して再び総理大臣となった私にとって、難病対策はライフワークとも呼ぶべき仕事ですと、こう述べたのに、まさか潰瘍性大腸炎を外すようなことは私はないでしょうねと思いますけれどもね。
大臣、やっぱり患者数が多いということは、それだけ苦しんでいる人が多いということなんですよ。だったらば、その多さを理由にして医療費助成の対象からは外しますよ、これは筋が違うんじゃないですか。大臣、いかが考えますか。大臣が答えてください。
○政府参考人(佐藤敏信君) 医療費助成の対象とする疾患につきましては、今、小池議員から御指摘がありましたように、患者数が人口の〇・一%程度以下、程度ということが付いておりまして、〇・一%ではっきりとここで切るということではありませんで、そうしたこととか、これ以外にも原因不明とか効果的な治療方法未確立とか、そういったような要素を加味して、対象疾患は医療の専門家等によって選択、選定していただくということになっております。
先ほど川田議員の御質問の中にもお答えしましたように、この難病対策委員会での御議論を踏まえて、更に対象疾患について検討をしてまいるというところで考えております。
○小池晃君 私、考え方をちょっと大臣に聞きたいんだけれども、先ほどもちょっと挙げておられたけど、今回の難病対策の検討に当たって、こう言っているわけですね。希少・難治性疾患は遺伝子レベルの変異が一因であるものが少なくなく、人類の多様性の中で、一定の割合発生することが必然であり、患者、家族を我が国の社会が包含し支援していくことがこれからの成熟した我が国の社会にとってふさわしいと。
私は、これは難病対策の基本に据えるべき正しい考え、大事な考え方だと思うんですが、先ほど大臣は対象を広げるということとやっぱり併せて自己負担の見直しということで言っているわけですけれども、新しい難病にも対象を広げるから、それまで、その代わりに、今まで制度の対象だった難病患者には負担を求めると。言わば難病患者の中で負担をし合うというのは、私は、社会で包含し、包摂していくことがこれからの成熟した社会だという考え方とは反するんじゃないかと。このやっぱり難病患者の中で負担の分かち合いをするような考え方は、これは改めるべきじゃないですか。
○国務大臣(田村憲久君) 委員がおっしゃられたとおり、取りまとめ、提言の中で、難病に罹患した患者、家族を包含し支援していくというような旨の記載があるのは事実であります。一方で、この提言では、対象疾患の拡大を含めた見直しに当たっては、一方で適切な患者負担の在り方も併せて検討することや、全ての者について所得に応じて一定の自己負担を求めることも示されているわけでありまして、そのような意味をしっかりと踏まえた上で今難病対策委員会で御議論いただいておりますので、その御議論の結果を我々は踏まえた対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○小池晃君 私は一円も負担を増やすなとは言ってないんですよ。自立支援医療にそろえるということになれば、これは負担は一定増える部分だってあるわけですよ。でも、せめてそのぐらいにならないのかということを言っているわけですね。
財源についても、私はもっと工夫の余地はあると思う。例えば、これは、難病の治療研究事業によって恩恵を受けているのは製薬企業ですよ。これは、新薬の開発なんかにこれは寄与しているわけだし、医療費助成によって新薬が普及するという実態もあるわけですよね。どういう形か分からない。例えばアサコールなんていう潰瘍性大腸炎の新薬、これ画期的だと言われて、これを安倍首相もこれは自分飲んでいると言っていますけれども、これ百億円以上の売上げだっていうじゃないですか。やっぱり製薬企業なんかにもある程度の何らかの形で負担求めるとか、そういったことだって検討の余地あるんじゃないでしょうか。大臣、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) アサコールでという話もありましたが、一方で、希少性の疾患で実際問題なかなか製薬会社がそこに踏み込めないという中で、難病の中で新しい新薬の開発が進まないといって苦しんでおられるというようなお声も我々よく聞くわけでございまして、なかなか製薬会社にそこで何とかお金を出してくれといって一方の方が進まないというようなことが起こっては、これはこれでまた大変なことでございますので、なかなか今、御提案でございますけれども、私の口からそれはなかなかいい案ですねとは言えないということも御理解をいただきたいというふうに思います。
○小池晃君 難病対策の基本理念は、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指すとなっているわけで、いい案ではないなんて言わないで、いろんなことをやっぱり検討していただいて、私それだけで財源つくれとは言っていませんから、例えばそういったことも含めていろんな選択肢もっと検討して、やっぱりこんな過酷な負担を強いるなんてことはやっぱり見直してほしいというのが私の趣旨ですので、是非前向きに検討し直していただきたい。
このまま決めるようだったら、次の国会では大変なことになるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
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