後期高齢者医療制度
理念が間違っている
小池氏 見直しでなく廃止せよ
NHK番組
日本共産党の小池晃政策委員長は二十五日、NHK「日曜討論」に出席し、後期高齢者医療制度について舛添要一厚生労働相、各党代表と討論しました。
最初に制度の見直しが議論になり、舛添厚労相は「理念は間違っていないが、いろんな問題も生じている。改善すべきは改善する」と述べました。
小池氏は、同制度は七十五歳という年齢だけでお年寄りを差別するものであり、「理念が間違っている」と批判。保険料は上がり続け、医療水準は下がるという差別の仕組みを明らかにし、「中途半端な見直しではこの問題は解決しない。制度をいったん廃止し、最初から議論し直すべきだ」と主張しました。
司会者から、高齢者の保険料負担の割合(現在一割)が増えるのではないかと問われたのに対し、舛添厚労相は「大して変わらない」と強弁。
小池氏は、「一割だと盛んに宣伝するが、それはスタートのときだけだ」と反論。現在月約六千円の保険料が二〇二五年には一万三千円になり、現在四十八歳、二十八歳の人はそれぞれ二万円、四万九千円まで上がることを示しました。
今後増えていく医療費の財源について議論になり、自民党の丹羽雄哉氏と舛添厚労相は、「野党は、消費税の話を避けといて非常に甘い話をしている」(丹羽氏)、「消費税を含めて議論すべきだ」(舛添氏)と消費税引き上げの姿勢を示しました。
小池氏は、国民医療費に占める国庫負担と事業主負担の割合が大幅に下がっていることを示し、「財源を考えるのであれば、国庫負担をしっかり手当てすることと、非正規雇用の労働者を正社員にして企業に保険料を払わせるべきだ」と述べました。
さらに小池氏は、日本の医療費は先進国のなかでもGDP(国内総生産)比で最低クラスであり、高齢者の医療をしっかりやるのが政治の基本だと強調。「与党が一番避けて通っているのが大企業・大資産家に十年間で七兆円も減税してきたことだ」と指摘。大企業・大資産家に応分の負担を求めるとともに、道路特定財源の一般財源化や聖域となっている軍事費にメスを入れるべきだと主張しました。
■関連キーワード
|