高齢者を狙いうち
こんな社会でいいのか
NHK「日曜討論」 小池氏が主張
日本共産党の小池晃政策委員長は十三日放映のNHK「日曜討論」に出演し、後期高齢者医療制度、道路特定財源、年金記録の問題について、各党の政策責任者と討論しました。
後期高齢者医療
小池氏は、後期高齢者医療制度が、七十五歳以上のお年寄りを今の保険制度から強制的に追い出し、別枠の制度に囲い込むものだと指摘。七十五歳以上を切り離す狙いが“安上がりの医療”にあると述べ、「日本はみんなが長寿を喜ぶ社会だった。長生きしたら肩身が狭くなる社会にしていいのか」と批判しました。
自民党の谷垣禎一政調会長は「税をどうしていくのかの議論」を強調し、社会保障費削減とともに庶民増税を求める考えをにじませました。
小池氏は「家計が苦しいからといって、おじいちゃんやおばあちゃんのくらしから削る家はない。財源がないからといって、高齢者から狙いうちにする社会でいいのか」と重ねて批判。「財源というのであれば、税金の無駄遣いを改め、大企業・大資産家にこの十年間にやってきた七兆円の減税を見直すべきだ」と求めました。
道路特定財源
道路特定財源の問題で小池氏は、政府・与党の決定(十一日)が「〇八年度歳入法案などの成立」が前提になっていると批判しました。
道路整備財源特例法と租税特別措置法が四月一日に失効し、現時点で一般財源化され、暫定税率の上乗せもなくなっているにもかかわらず、政府・与党が成立を狙う法案は、ふたたび十年間も道路特定財源と暫定税率を継続するものです。
小池氏は「政府・与党の考え方は(〇九年度からの一般財源化へと)百八十度変わった。なのに同じ法案を通してくださいとは筋が通らない」と強調しました。
谷垣氏は法案について、衆院での再議決も「使わないわけにはいかない場合もあるかもしれない」と主張。小池氏は「何が何でも、この法案を通してくれという、かたくなな態度をとるべきではない」と批判しました。
年金記録
年金記録問題で小池氏は、政府が目安としていた三月末を過ぎても解決できていないことについて、「公約違反だ」と批判。「ねんきん特別便」には、どんな記録が結びつく可能性があるのか具体的に書かれていない問題を指摘し、思い出せる手がかりを示すなど改善が必要だと述べました。
そのうえで、政府が三月末の期限を設けた背景には、二〇一〇年の社会保険庁解体計画があったと指摘し、「(三月末までの解決という)スケジュールが崩れたのに、解体作業は進み、人員がどんどん減っている。これで年金記録の修正という大事業ができるのか」と批判しました。
谷垣氏は「(方針を)ぐらぐらさせてはいけない」と述べましたが、「たしかに人海戦術もいる。体制をきちっととる」とも述べました。
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