日本の医療は危機的
朝日ニュースター
小池議員が主張
日本共産党の小池晃政策委員長は八日夜放送の朝日ニュースター番組「NIPPONぶった斬り」に出演し、「どうする日本の医療」をテーマに自民、民主両党代表と討論しました。
小池氏は「いまの日本の医療が危機的だという世論が大きく広がっている。その根底にあるのは“医療費を削りすぎたことだ”というのも国民の共通意識になってきている」と指摘。「人の命を守るほど国にとって大事なことはない」と述べ、国がやるべき二つのことを挙げました。一つは、年二千二百億円の社会保障費の抑制路線をやめること。二つ目は、医師の数を緊急に増やすことです。
二千二百億円削減の問題について、小池氏は「小泉改革以降は“社会保障費二千二百億円削減ありき”だ。それが現場にどういう影響を及ぼすのかはほとんどお構いなくやってきた」と批判し、政策転換を要求。自民党の河野太郎衆院議員も「二千二百億円の削減ははずしたほうがいい」と弊害を認めました。
小池氏は、財源問題にかかわって、「道路には(『道路中期計画』で)十年で五十九兆円も使おうとしている。国民の命を守るために、あらゆる努力をして無駄を削り、財源をかき集めるべきだ」と提起。その上で、日本の医療費はサミット七カ国中最低のGDP(国内総生産)比8%にもかかわらず、患者負担比率は総医療費に占める窓口負担が16.1%で、欧州諸国よりも圧倒的に高いゆがんだ構造になっている問題を挙げ、「窓口での患者負担を増やすことは絶対にやるべきではない。やはり大企業、大資産家へのゆきすぎた減税を見直すことが基本だ」と強調しました。
医師不足の問題について、河野氏は絶対数の不足でなく医師の偏在こそが問題だという認識を示しました。
これに対し、小池氏は、地域の中小病院では当直医が一人のため同時に複数の救急患者を受け入れられない、専門の「救命救急センター」でも医師が一人か二人しかいないところがたくさんあるなどの実態を紹介。「トータルで医者の数が少ないということが一次救急から三次救急までいろいろな部分で悪影響を与えている」と指摘しました。
これに続けて、一九八二年の閣議決定で大学の医学部の入学定員を削ったことが医師不足の土台にあると発言し、「閣議決定は間違いだったと直ちに撤回し、学士入学の枠を増やすなどの思い切った措置で、医師の緊急の増員を図ることが必要だ」と述べました。
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