「報道2001」(フジ系)、「日曜討論」(NHK)
小池政策委員長の発言(詳報)
日本共産党の小池晃政策委員長は三十日、フジテレビ系の「報道2001」とNHKの「日曜討論」に出席し、今臨時国会の焦点となっている問題について各党の政策責任者と討論しました。
「報道2001」
国民は小泉・安倍政権と違う政治求める
自民党の谷垣禎一政調会長は、安倍晋三前首相の突然の辞任による国会空転について「おわび申し上げたい」と謝罪しました。
小池氏は、参院選で自民党大敗という審判が下ったことを示し、「国民の多くは、いままでの小泉・安倍政権と違う政治を求めている」と指摘。福田康夫首相は基本路線は変わらないといいながら、「希望と安心の国づくり」を掲げ、後期高齢者医療の見直しに言及していることを示し、「『構造改革』が希望や安心を壊した。この路線が破たんしたということだ」と述べました。
小池氏は、福田首相が靖国神社への不参拝やアジア外交重視を表明していることについて、「そうだとすれば、いままでの過去の負の遺産をしっかり清算すべきだ」と述べ、歴史教科書から沖縄での「集団自決」への日本軍の関与を削除させた検定結果を撤回するよう迫りました。
「第三者機関」は抜け穴づくり
福田首相が代表を務める自民党選挙区支部の政治資金報告書に、あて名を書き換えた領収書が添付されていた問題で、番組では、福田首相が「手間がかかるものだから」と担当者が自分で書き直したと釈明した場面が流されました。
小池氏は、「しんぶん赤旗」日曜版編集部が入手した領収書の写しを紹介。領収書だけでなく、銀行のATM(現金自動預払機)の振込明細書まで書き直されていることを示して、「領収書を受け取った側が勝手にあて名を変えるというのはありえない話で、税務署だったら受け取りませんよ」と指摘しました。また、「政権の長」が責任者としてこういうことをやったというのは重大な問題だと強調しました。
福田首相が、国が契約している企業から献金を受け取っていたことについても、「もし事実なら公選法違反になる」と指摘。谷垣氏が「チェックは技術的に難しい」と弁明したのに対し、小池氏は「難しいのなら、もう企業献金を禁止するしかない」と主張しました。
谷垣氏は「しかし、企業献金を本当にゼロにして、じゃあ政治の活動をどうしていくのか」などと発言。企業献金にどっぷり依存する自民党政治の実態を逆に浮き彫りにしました。
さらに谷垣氏は、「政治の自由」を確保しながら政治資金について公開するようにしなければならないという趣旨の主張を展開。小池氏は、「法の抜け穴が問題になってきたというのに、またザル法をつくるのか」と批判し、領収書を「第三者機関」に示すという法案は「公開」ではなく、「抜け穴」づくりをめざすものだと述べ、すべてを公開すべきだと主張しました。
後期高齢者医療制度の中止・撤回を
谷垣氏は、参院選での批判を受けて後期高齢者医療負担増の凍結を考えなければならなくなったと説明しました。これにたいし小池氏は、「制度そのものに問題がある」と指摘。病気も多く、治りにくい、そして所得の少ない人が多い後期高齢者という「ハイリスクグループ」だけを切り離して別の保険制度をつくれば、負担増を押しつけることになるのは明らかであり、「こんなおろかなことはない」と批判しました。そのうえで、この負担増の来年四月からの実施を中止し、「制度そのものを撤回すべきだ」と求めました。
「日曜討論」
年金財源に消費税は反対
小池氏は、年金支払いの最低加入期間をいまの二十五年から十年にすることについては与党も認めているのだから、直ちにやるべきだと主張。そのうえで、最低保障年金制度を全額国庫負担で確立し、生存権の保障を図るべきだと述べました。
また小池氏は、年金財源を消費税でまかなうという議論については、「私たちは反対です。これは、暮らしにとって一番重い税金になる」と強調。保険料をやめて消費税にすれば、大企業の負担はゼロということになり、「大企業にとって“うまい制度”になる」と批判しました。
実態は報復戦争支援
海上自衛隊によるインド洋上での給油活動について、谷垣氏は「海上阻止行動」であって戦闘行為ではないと説明しました。これにたいし小池氏は、アメリカ海軍のホームページでも昨年九月に、海自の給油を受けた「イオウジマ」(強襲揚陸艦)からハリアーが飛び立ち、アフガニスタンに向けて百三十六回もの攻撃飛行をおこなっていることが明らかになっていると指摘。日本の実際の支援は、まさにアメリカの報復戦争支援だと解明しました。
そのうえで、六年前に日本共産党がおこなったアフガンの国境での空爆の被害調査に参加した体験に言及。実際に見たのは、ものすごい干ばつと飢餓であり、「そこにミサイルを撃ち込めば、逆に二次被害でテロリストを増やすだけではないか」という現地の批判も紹介し、「こういう活動は国際貢献でもなんでもない」と主張しました。
|