大企業栄え
くらし滅ぶ
NHKで小池議員 与党の「成長戦略」批判
日本共産党の小池晃政策委員長は、十五日のNHK討論番組で、与党が掲げる「成長戦略」で格差と貧困が解決するかと問われ、「まったく逆だ。今のやり方を続ければ、大企業は栄え、国民のくらしは滅びる方向に進んでいく」と厳しく批判しました。
小池氏は、「与党の言う『成長』なるものは、労働分配率を低下させる、正規雇用を非正規雇用に置き換えてコストを抑える形で企業の収益が伸びているというものだ。だから、庶民は実感どころか実態すらない。実感するのは痛みだけということになっている」と指摘しました。
さらに、安倍晋三首相が「三十五万人のフリーターの常用雇用化」を“実績”として宣伝していることについて、「四カ月以上の雇用であれば、派遣で六カ月という人でも厚労省の統計上は『常用雇用』となる。しかも、直近のところ(二〇〇七年一―三月期)で非正規雇用から正規雇用に移った人は三十一万人だが、同時期に正規から非正規に移った人は四十三万人だ」と、具体的な数字をあげて反論しました。
小池氏は、「労働法制の規制緩和を進めてきたツケがきている。その上、公明党が言い出した定率減税の廃止が庶民の家計に打撃を与え、社会保障の負担も増えている」と与党の責任をただしました。与党側は「格差は全体としては解消している」(自民・中川昭一政調会長)、「成長戦略は第一の基本だ」(公明・斉藤鉄夫政調会長)と述べ、政策の誤りを認めませんでした。
大企業に集中する“成長の果実”をどう国民に振り分けていくかが議論になり、小池氏は「朝日新聞の経済界へのアンケートを見ても、今後の懸念材料について『個人消費の停滞』を挙げた人が一番多い。そこを温めるために、非正規雇用から正規雇用への流れをつくることと、最低賃金の引き上げでしっかり下支えすることだ。そして何よりも、個人消費を冷え込ませる定率減税の廃止や消費税増税はやめる。これを真っ先にやることが必要だ」と発言しました。
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