教育基本法改悪案
“採決急げ”は通らない　NHKで小池氏 競争・管理強化で教育荒廃

　日本共産党の小池晃政策委員長・参院幹事長は三日、NHK番組「日曜討論」に出演し、教育基本法改悪案などの問題で、各党代表と討論しました。このなかで、法案の根幹にかかわるタウンミーティングでの「やらせ」問題や、競争・管理教育をいっそう強化する法案の問題点を指摘し、採決を急ぐ与党の姿勢を批判しました。

　司会の影山日出夫NHK解説委員は、タウンミーティングの「やらせ」問題について「最初にとりあげたのは、共産党だった」と述べ、小池氏に参院での審議のあり方について質問しました。

　小池氏は、「やらせ」問題は教育基本法改悪の「根幹にかかわる問題だ」と強調。タウンミーティングの「やらせ」質問に、法案作成に携わった文科省の担当部署が直接関与していたことや、文科省が同省の出向者に「やらせ」質問案を送ってきたことを岐阜県教育委員会が明らかにした文書を示し、「文科省ぐるみでやっていた可能性がある。法案を提出する資格が問われる問題だ」と述べました。

　公明党の木庭健太郎参院幹事長は「（『やらせ』質問が）解明できなければ（教育）基本法審議ができないのかというと離れた問題だ」と主張。自民党の片山虎之助参院幹事長は「『やらせ』はやっぱり良くない」と述べつつも、「ある時期がきたら採決してもらわないと」とあくまで採決を急ぐ姿勢を示しました。

　小池氏は、いじめを苦にした自殺という心の痛む事態が広がるなかで、「今やるべきことは、教育の問題全体、政治がなすべきことを徹底的に議論することだ。それをわきにおいて法案だけ通してほしいというのは、通らない理屈だ」と批判しました。

　そして、今回の改悪によって、競争とふるいわけ、管理教育がさらに強化されるのではないかという疑問が国民から出されてきており、それが今国会で成立を急ぐべきではないという世論調査にも反映していると指摘。「教育をゆがめているのは、教育基本法ではなく教育行政だ。法改悪で国家権力が無制限に教育内容に介入できるようになれば、教育の荒廃はますますひどくなる」と主張しました。