過去の行動への反省示せ
首相の歴史認識
小池氏が指摘 NHK討論
日本共産党の小池晃政策委員長は八日、NHK「日曜討論」に出演し、安倍晋三首相の歴史認識や「教育改革」をテーマに、各党の政策責任者と議論しました。
安倍首相の訪中・訪韓について、自民党の中川昭一政調会長は「政治的な対話の第一歩。たった一つの過去の問題で全部がストップするのは、中国にとってもプラスにならない」と発言しました。
小池氏は、靖国神社参拝について「たった一つと言うが、最大の問題。首相として、きっぱり行かないと言うべきだ」と指摘。また、過去の侵略戦争と植民地支配に対する反省を行動で示すことが大切だと述べました。
安倍首相が就任後、日本の戦争に関して自らの歴史認識を語らないことについて、小池氏は「首相は、過去には特定の歴史観を語り行動してきた。裏返せば、首相になったら口にできないような言動を今までしてきたということ。それを反省すると言うべきだ」と述べました。
さらに、日本共産党の志位和夫委員長が具体的な事実を示して、領土拡張の戦争だったという認識があるのかをただしたのに対し、安倍首相が「歴史家が判断すること」と答弁を避けたことをあげて「自分の過去にも日本の過去にも真摯(し)に向き合わないという姿勢では、信頼を得ることはできない」と批判しました。
公明党の斉藤鉄夫政調会長は「連立政権の長として、過去に安倍さんが言ったことと違っていても矛盾はない」と発言。中川氏は説明できなくなり「政治家は変わるものだ」と開き直りました。
「教育再生」
“自由”口実に競争、ふるい分け
学校選択制や外部評価の導入など安倍政権がかかげる「教育再生」について、小池氏は「“自由”の名のもとに競争とふるい分けを義務教育段階から進め、“規律”の名のもとに行政がいっそう介入しようとするものだ」と批判。東京都品川区では、団地の真ん中の中学校で新入生が一人もいなくなり、地域社会に深刻な影響を与えるなど、すでに現場では弊害が出ていることを示し、「これを全国に広げ、予算のしめつけで学校をつぶす。格差を拡大し、教育現場の矛盾を深刻化させるだけではないか」と指摘しました。
中川氏はまた「国家権力が不当に教育に介入するということはしない」と発言。小池氏は「東京地裁で違法とされた君が代・日の丸の押し付けや、学習指導要領による介入をやってきたではないか」と指摘。同時に、政府が、教育行政は教育内容に不当に介入しないとする教育基本法第一〇条を変えようとしていることについて「まさに政府の思うままの教育をするための改悪だ」と指摘しました。
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