武力行使 歯止めなし
自民改憲案 9条を「別物に」TV番組で小池議員
■イラク戦参加も可能前防衛庁長官が発言
日本共産党の小池晃政策委員長は、三十日放送のテレビ朝日系「サンデープロジェクト」に出席し、憲法「改正」問題について各党代表と議論しました。
小池氏は、自民党の「新憲法草案」で、戦力不保持の九条二項を削除し、「自衛軍」創設を打ち出したことについて、「全く別の九条になる」と批判。「政府も九条二項があるからこそ、武力行使を伴う海外派兵、集団的自衛権行使、国連軍への参加、この三つができなかった。自衛軍を持つとしたとたんに、この三つが可能になる」と指摘しました。
小池氏が「この憲法(自民草案)になったら、イラクでの武力行使ができるようになるではないか」とただしたのにたいし、自民党の石破茂・前防衛庁長官は「その可能性は否定しない」と認めました。小池氏は、米軍再編でも米軍と自衛隊の一体化の動きがあることをあげ、「このうえ九条二項をなくしてしまったら、米軍と海外に出ていって共同行動をとる“歯止め”がなくなる」と批判しました。
また、石破氏が派兵や武力行使が「主権国家としての判断だ」とのべたのにたいし、小池氏は「憲法は国家権力を縛るものだ」と反論しました。
これにたいし、公明党の高木陽介広報局長は「私個人として、(九条)二項は書きかえるべきだ」と発言。民主党の枝野幸男憲法調査会会長も「どういう場合に、自衛権の行使、国際協力活動をやるのか、(憲法で)はっきりさせるべきだ」とのべ、海外での武力行使を容認。集団的自衛権の行使も否定しませんでした。
小池氏は、武力行使の要件に国連決議をあげる議論にたいし、国連憲章無視のイラク戦争でさえアメリカは「国連決議」を口実にもちだしたように、「国連決議といっても、何の歯止めにもならない」と指摘。周辺事態法、テロ特措法、イラク特措法などの海外派兵立法で「武力の行使に当たらないこと」を基本原則にしてきたのは「憲法九条二項があったからこそだ」と強調しました。
社民党の辻元清美政審会長代理は、憲法改定には反対を表明。「専守防衛という範囲で(自衛隊は)認めるということで議論している」とのべました。
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