医療費の試算過大
民放番組で小池氏指摘 財政破たん論は誤り
日本共産党の小池晃政策委員長は二十三日放送のテレビ朝日系「サンデープロジェクト」に出席し、医療制度「改革」問題について、与野党の国会議員と議論しました。
厚生労働省が十九日発表した「医療制度構造改革試案」では、二〇二五年度の医療給付費(医療保険からの給付分)を五十六兆円と試算し、患者負担増などで、これを七兆円抑制するとしています。
小池氏は「厚生労働省はこれまで医療費を過大に推計して、国民に負担増を押し付けてきた」と指摘。二五年度の推計を、一九九四年で百四十一兆円、九七年で百四兆円、二〇〇二年では八十一兆円と年々“下方修正”しており、これは国民一人あたりの医療費の伸びが下がったためだと述べました。
また、日本医師会のシンクタンク(日医総研)の推計だと、今の制度のままでも二五年度には医療費五十八兆円、給付費四十七兆円程度であり、今回の制度改悪後の厚労省試算よりも低いことを紹介しました。
公明党の坂口力前厚労相は「(推計が)下がってきたことは事実だ」と認めつつ、健保本人三割負担、高齢者の医療費負担増などの「医療制度改革を進めてきた結果だ」と述べました。
自民党の久間章生総務会長は、医療費の伸びを抑えるため、終末期医療を挙げ、「やっても治らないようなところにはもう金をかけない。病院で死んでいるけれども、在宅で死んでもらう(ようにする)こともありうる」と述べました。
小池氏は、医療のあり方として、できるだけ在宅ですごせるようにすることは必要だが、「終末期医療の問題を、経済の問題、財政の問題で語るのは不謹慎だ」と批判。医療費のムダの問題では「薬剤費の比率は日本は20%で(国際的に)高い」と指摘し、特許が切れて安くなっている「ジェネリック」(後発品)の薬の比率(日本は5%程度)が欧米に比べても低いことなどに「メスを入れるべきだ」と述べました。
小池氏はまた、医療費の国際比較で「日本はG7(先進七カ国)の中でイギリスを除いて(GDP比で)最も少なく、医療費が増大して国の財政が破たんするかのように言うのは誤りだ」と強調しました。
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