靖国参拝中止迫る
小池氏/86年の首相答弁示す/テレビ朝日系「サンデープロジェクト」
日本共産党の小池晃政策委員長は二十九日、テレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」に出演し、日中関係や郵政民営化問題で各党政策責任者と討論しました。
この中で、小泉純一郎首相が固執する靖国神社参拝について、一九八六年にアジア諸国の批判を浴びて、中曽根康弘首相(当時)が参拝中止を決断した事実を示し、「八六年に政府が下した結論に照らしても、参拝は中止すべきだ」と主張しました。
自民党の与謝野馨政調会長は、党内から靖国参拝へのアジア諸国の抗議を「内政干渉だ」と批判する声が出ていることについて、「内政だけの問題ととらえるのは狭すぎる」とのべました。
小池氏は「そうだとすれば、なぜ公式参拝をやめないのか」と強調。中曽根首相が八六年に参拝を中止した際、「国際関係においては、わが国だけの考えが通用すると思ったら間違いであり、一方的通行は危険だ。特にアジア諸国等々の国民感情を考え、…政策を行うのが正しい。それが終局的には国益を守る方途にも通ずる」「民主主義の一番強いところは反省力であり、抑制力だ」(同年九月十六日、衆院本会議)と答弁していることを示し、「日本の国益を考えるのであれば、アジアとの関係をつくっていく上で、行動として靖国参拝をやめる決断をすべきだ」と求めました。
公明党の井上義久政調会長は「小泉総理には(参拝問題で)いろいろいっている。連立政権の一翼として外交問題に責任がある」としながら、参拝については「総理が判断する」と発言しました。小池氏は「国のアジアにおける一番大事な問題で、これだけ意見が違うのに、そのままにしておくのは政党として責任が問われる。“決めるのは総理だ”というのでは、責任を果たしたことにならない」と批判しました。
郵政民営化関連法案で民主、社民両党が審議拒否を続けている問題で、両党と与党の間で批判の応酬がありました。
小池氏は、法案に重大な問題点があることを指摘しつつ、「国会でその問題点を指摘し、明らかにしていくべきだ。審議拒否してしまうと、与党が強行突破する口実を与えることにもなる」と、審議拒否をしない党の立場を説明。司会者の田原総一朗氏は「共産党の方がわかりやすい」とのべました。
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