「いつでも元気 2010.4 No.222」より |
「政治とカネ」の話は、楽しいものではありません。できることならしたくない。でも、新しい政権になったというのに、自民党時代をほうふつとさせるような事件が続いているので、ふれないわけにいきません。
七転八倒するのはなぜ?
民主党の小沢一郎幹事長の政治資金管理団体が、土地購入に使った4億円ものお金は、いったいどこから出たお金なのか。小沢氏の説明は二転三転、いや七転八倒しています。
最初は「政治献金を有効に活用した」。2回目は「銀行からの融資だった」。3度目の正直かと思ったら、「自分のお金をタンス預金していた」。
4億円も入れたらタンスの引き出しが壊れちゃうじゃありませんか。
そしていまは「事務所の金庫に入れていた」というのです。
やましいお金でないのなら、説明がころころ変わるはずもなし。どんな世論調査でも、納得できないという声が圧倒的です。
「知らない」とはいわせない
衆参両院の国会議員に毎年配られる黒い表紙の手帳。その中には日本国憲法はもちろん、国会法と「政治倫理綱領」が載っています。
いわく、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合には、みずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」。
小沢さんには、「知らない」とはいわせません。この「綱領」を決めた85年当時の衆議院議院運営委員長は、誰あろう小沢一郎さんご本人なのですから。
そもそも今回の疑惑のお金は、ダムなどの公共事業を受注したゼネコンからの献金といわれています。だとすれば、国民の貴重な税金が、政治家のふところに環流していることになります。この疑惑をそのままにして、「税金のムダづかいをただす」といってもむなしいだけです。
民主党は、野党時代には日本共産党と一緒に「公共事業受注企業からの政治献金禁止法案」まで出していました。それなのに、党の最高幹部が受け取り続けているのですから、そのこと自体が国民に対する裏切りといわれても仕方ないでしょう。
「のどから手が出る!」
田中金脈、金丸金脈と脈々と続いてきた金権腐敗の根っこを絶つのは待ったなし。企業からの政治献金も、労働組合からの献金も、すべて禁止をしなければ。
税金の分け取りである政党助成金も廃止して、個人献金で政党は運営すべきです。現に日本共産党はそうしているのですから。
民主や自民の政治家は「日本には個人献金の文化がない」などといいますが、とんでもない。日本共産党以外の政党は、右手で企業や労働組合から政治献金を受け取り、左手で政党助成金を受け取っています。 「文化がない」のではなく、受け取る「手がない」だけじゃありませんか。
そこで合いの手。「のどから手が出る!」。おあとがよろしいようで。