消費税増税を求める声が、政府・与党からさかんにあがっています。福田首相は記者会見で消費税の増税を「決断しないといけない」と。ふだんはまともに決断などしないのに。
しかしいま、投機マネーの暴走で原油や穀物の価格が上がり、物価は上昇する一方。ガソリンも卵もバターもパンも値上がりし、一袋5本のちくわがいつの間 にか4本になって、庶民の台所は火の車。こんなときに「消費税増税」なんて、口にするだけで首相失格です。
庶民から吸い上げ大企業に
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新宿駅西口で |
そもそも税金というのは、お金をもうけている人や企業からいただいて、くらしがたいへんな人を支えるために使うもの。ところが最近では、庶民から吸い上げて、大金持ちや大企業の減税にまわしています。
まるで「税金」の名を借りた泥棒です。そのうえ消費税の増税なんて許せるわけがありません。
自民・公明の与党にたいして、民主党も負けず劣らずです。6月4日に日本経団連と「政策を語る会」を開きました。この席上、民主党の幹部はこう語ってい ます。「消費税について…引き上げはいずれ必要」「法人税を…引き下げることは理解できる」(民主党・藤井裕久税調会長、日本経団連ホームページから)
そして「大衆増税にある中でどうして法人税だけを下げるのか、この理由を世間が納得できるように説明することが必要だ」と。しかし消費税を増税して大企業向けの法人税を減税するなど、世間が納得する説明ができるはずはありません。
医療も年金も悪くなる一方
最近の世論調査でも「社会保障財源のための消費税増税」に反対が60%、賛成31%(「毎日」)。「増税反対」が圧倒的です。
「社会保障財源のため」というのがごまかしにすぎないことを、国民は見ぬいています。消費税をはじめた89年も、5%に増税した97年も「社会保障のため」といっていたのに、医療も年金もどんどん悪くなるばかりですから。
事実は正直です。消費税は今年で20年目を迎えましたが、いままでの総額は188兆円。ところがこの間大企業中心に法人税は159兆円も減りました。消 費税はそのほとんどが大企業減税の穴埋めに使われたのです。「社会保障のため」などという宣伝に国民はもうだまされません。「仏の顔も三度まで」です。
財源ならたくさんある
社会保障の財源というなら、まず税金のムダづかいをただすこと。320億円の政党助成金、6兆円の道路予算、最大の聖域である5兆円の軍事費など、切り込むところはたくさんあります。
自民も民主も税といえば反射的に「消費税」。でも、この10年で大企業と大資産家には年間7兆円も減税しています。そこを見直すのがスジでしょう。
消費税増税のたくらみを、世論と運動ではね返していきましょう。
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