「軍隊」による事件が続いています。沖縄では米軍海兵隊員が14歳の少女に暴行。そして千葉県沖では、自衛隊の最新鋭イージス鑑「あたご」が、漁船「清徳丸」に衝突してまっぷたつにへし折りました。
米軍も自衛隊も、「日本をまもる」などといいながら、実際には、国民のいのちも心も引き裂いています。
“沖縄は戦利品”の意識
沖縄では、95年にも少女暴行事件が起こり、全島が怒りに包まれました。ヨーロッパにも米軍基地はありますが、こうした事件ははるかに少ないそうです。 政治学者のダグラス・ラミスさんは、自身、海兵隊員として沖縄に駐留していた経験から米兵に「占領下意識や、沖縄は戦利品との意識がいまだにある」と語り ます(「琉球新報」2月23日付)。
さらに、95年のときの犯人も「海兵隊員」でした。海兵隊は、アメリカが陸・海・空の三軍とは別においている軍隊です。ほかの三軍の行動には議会の承認 が必要ですが、海兵隊は大統領命令だけで作戦を実施できます。ベトナムやイラクへの侵略戦争では、「なぐりこみ部隊」としての役割を果たしてきました。
真っ先に戦地に派遣されるので、常に戦闘状態一歩手前の緊張を強いる訓練がおこなわれています。多くの事件が海兵隊員によって引き起こされていることも、野蛮で非人間的な侵略部隊であることと無関係ではないでしょう。
そして、アメリカ本土以外にこうした海兵隊の本拠地を置いている国は、世界広しといえども日本しかないのです。こんな軍隊は、いますぐ日本から撤退させるべきです。
1隻で「自立支援」3年分
自衛隊のイージス艦による衝突事故も許せません。多くの船が行きかう東京湾の入り口で、「そこのけそこのけ軍隊が通る」とばかりに、巨大な軍艦が、小さな漁船をよけようともせずに自動操縦で突き進んだというのですから。
最新のイージス艦は、一隻1400億円。3月には6隻目となる「あしがら」が就役します。これ一隻分のお金で、障害者に重い負担を強いる「自立支援」法が3年間ストップできるのです。税金の使い道としても、根本的に誤っています。
思いやる相手が違う
米軍への「思いやり予算」も08年度予算で2000億円をこえます。米兵1人当たりにすると600万円以上。かたや中小企業予算は1社あたり4万円。思いやる相手が完全に間違っています。巨額な軍事費を削れば、医療や福祉にもっとお金を回せるのです。
「清徳丸」にのっていた吉清哲大さんは「ホームレスの人々のために役立てて欲しい」と、月に数回、支援団体に魚を届けていたそうです。
心優しい若き漁師さんの夢を打ち砕いた軍事優先の政治に、心の底から叫びたくなるような怒りをおぼえます。こんな政治に未来はありません。力をあわせて、新しい国をつくりましょう。
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