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霞ヶ関で老地連の人たちと座り込み(12月19日) |
「舛添大臣殿 長生きしてはダメですか?」
昨年末、この横断幕を掲げ、霞ヶ関の厚生労働省のすぐ脇で3泊4日の座り込みがおこなわれました。全国老後保障地域団体連絡会(老地連)のみなさんらによる年末「恒例」の行動です。
90歳近い高齢者も座り込み
でも、こんなことが「恒例」になる社会とは何なのか。寒風吹きすさぶなか、90歳近い高齢者まで「座り込みでもしないといられない」ほど怒らせる行政って、いったい何なのか。日本の政治は明らかに間違った方向に突き進んでいます。
08年度政府予算も、国民にはあくまで冷たく、財界・大企業や大資産家、アメリカには「思いやり」大盤ぶるまいの予算です。
くらしの問題では、昨年あれだけ「ワーキングプア」が問題になったというのに、生活保護の母子加算は削減。問題だらけの後期高齢者医療制度は、ほんのわずかの「凍結」だけで強行突破をはかろうとしています。
金持ち、米軍、道路は優遇
一方で、金持ち優遇だという批判が強く、政府税調すら廃止を求めた証券優遇税制はわずかな手直しで継続。大企業には研究開発名目の減税まで上乗せです。 利権まみれの軍事費も聖域にした上、いったん削減の方向に向かった在日米軍のための「思いやり予算」もアメリカの圧力で温存し、総額3兆円といわれる米軍 再編予算まで追加されました。
道路特定財源も、そのための「暫定税率」も、「10年間維持」。ガソリンや自動車にかかる税金は、道路のためにしか使ってはいけないという硬直した仕組 みも、高い税金も「暫定」どころか恒久化です。「一般財源にする」といいながら、実際には6兆円近い道路特定財源をめいっぱい道路のために使って、「余っ た分だけ一般財源に」。実際にはほとんど残りません。
たとえていえば、「日本政府」という家族の「医療」くんも「年金」さんも「教育」くんも、みんなひもじい思いをしているのに、「道路」くんだけには思う 存分食べさせて、いらない分だけほかの家族にまわす。そのうえ、“いそうろう”の「アメリカ」くんはステーキをたらふく食べているのですから、たまったも のではありません。
たたかいは継承される
年末の霞ヶ関で毛布にくるまって座り込みをしていると、予算編成作業を終えた官僚が目の前を行き交います。視線を背けて足早に通り過ぎる人もいれば、立 ち止まってじっと「座り込み宣言」を読む人も。いったん行きすぎた後、引き返してカンパを黙って置いていった人もいました。
ひとつの行動も、霞ヶ関にさざ波のような影響を与えています。座り込み行動の「終結宣言」では、「我々はいったん座り込み行動を終結するが、たたかいは全国各地に継承され拡大する」とうたっています。行動を積み重ね、さざ波を大波へと広げていきましょう。
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