アメリカからの牛肉輸入再開をめぐって、とんでもない発言が続いています。
交通事故の確率の方が?!
■科学的知見をふまえ輸入を再開した。(1月20日、小泉純一郎首相)
国会開会日の施政方針演説で小泉首相はこう胸を張りました。ところがその日のうちに、危険部位(脊柱)の混入が明らかになり、アメリカからの牛肉輸入はふたたび全面禁止になりました。
そもそも日本の食品安全委員会も米国産牛肉の安全性についてはデータに不明な点が多く、日米の牛肉の「BSEリスクの科学的同等性を評価することは困難」と述べていたのです。にもかかわらず、食の安全を無視した“アメリカいいなり”の無責任な対応に、怒りが広がっています。
■車を運転してスーパーに行き事故に遭う確率の方が、牛肉を食べて病気にかかる率よりも高い。(1月24日、ペン米農務次官)
協議のために来日したアメリカの農務次官は、記者会見で「信頼回復へ日本の主婦にメッセージを」と問われてこう答えました。アメリカ政府の食の安全に関する認識の低さを物語る発言で、あきれてしまいます。こんな政府がいくら「安全です」といっても誰が信用するでしょうか。
骨抜き検査で骨付き肉が
■再開前に調査しますということについて、結果としてしなかった。(1月30日、中川昭一農水大臣)
無責任さでは日本もアメリカにひけをとりません。昨年政府は「牛肉輸入再開前の現地調査」を決めていたのに、実際には「輸入再開後」の調査となりました。しかもその調査結果は「適切な処理を確認」。それから一月もたたずに、危険部位である脊柱が混入した輸入牛肉が発見されました。
「骨抜き」のチェック体制によって「骨付き」の牛肉が持ち込まれてしまったのです。
へたり牛29頭が食用に!!
■(歩行困難牛は)すべて処理場に来るまで健康で、ケガなど急性の原因で歩行困難になった。(ジョハンズ米農務長官の回答書)
なんとアメリカでは、食用が禁じられている歩行困難な「へたり」牛が、10カ月間に29頭も食用に処理されていたことが発覚しました。日本政府からの質問に対するアメリカの「回答書」は「この期間に処理された牛が数百万頭に上ったのに比べ、29頭は非常にわずかな数だ」と、危機感に乏しい弁明に終始しています。そして、記者会見では農務長官が「処理場の床で滑って脚を折った」とうそぶくありさま。
遠山の金さんならずとも「てめえら! いい加減にしやがれ」といいたくなります。
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食べ物までアメリカいいなりはモーたくさん。日本産牛と同じように、全頭検査、全月齢の危険部位除去という安全基準が守られない限り、アメリカからの輸入再開はすべきでありません。
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