米軍基地の拡大・強化が全国で大問題になっています。
戦車にひかれても反対!
沖縄の「美ら海」を壊して、名護市のキャンプ・シュワブ沿岸に新基地を建設するたくらみ。神奈川県の米軍「キャンプ座間」に、米陸軍と陸上自衛隊の司令部を新設する計画。首都圏の玄関口である横須賀に、原子力空母を配備するという暴挙。この空母の原子炉は、なんと、一昨年事故を起こした美浜原発と同じ規模で、年の半分も停泊するというのです。
関係する57自治体では、首長さんや議会をあげて反対運動に立ち上がっています。「キャンプ座間」の地元・相模原市の小川市長が「戦車にひかれても、命をかけて反対する」といい、座間市の星野市長は「ミサイルが撃ち込まれても阻止する」と心の底から怒りを表明しています。
自分たちの住む町に、イラクを侵略している米軍の司令部が居座り、規模をさらに拡大しようというのですから当然の反発です。
患者負担増と同規模とは
しかも、沖縄の海兵隊7000人がグアムに移転するからといって、グアム基地建設費まで出そうとしています。最低でも4000億円以上、1兆円を超すという報道もあります。すでに、「思いやり予算」も含めて年間6000億円を超える米軍駐留経費の負担をおこなっているのに…。開いた口がふさがらない。
4000億円といえば、来年の国会に提案されようとしている医療改悪の患者負担増と同規模です。
そもそも海外に米軍基地を建設する費用まで日本の税金から出すような根拠は日米地位協定にもありません。「盗人に追い銭」のようなことは断じて許せません。
日本以外では縮小削減
あまりにも横暴勝手な米軍ですが、世界のほかの国でも、日本と同じように傍若無人な振る舞いをしているのでしょうか。どうもそうではなさそうです。
たとえばお隣の韓国では1万2000人の在韓米軍の縮小が合意されています。ドイツでは駐留米軍を約4万人削減する方向です。今までドイツには、日本を上回る規模の米軍が駐留していましたが、このままだと日本よりも少なくなります。
つまり今のままいくと、日本よりも多くの駐留米軍をかかえる国は「イラクだけ」ということになってしまうのです。
世界各国が米国と結んでいる軍事同盟も、店じまいが続いています。SEATO(東南アジア条約機構)、CENTO(中央条約機構)、ANZUS(米・豪・ニュージーランド)などが次々と解体、あるいは機能停止しています。
こんななかで今どき「同盟強化」に躍起になっているのは世界で日米軍事同盟ぐらいのものです。
「外国基地のない国を」「戦争の火だねとなる軍事同盟をなくせ」。これが世界の流れです。日本もこの当たり前の流れに進んでいくべきではないでしょうか。
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