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「いつでも元気 2005.11 No.169」より |
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「改革を止めるな」と叫び続けて、「圧勝」した自民党。小泉首相のいう「改革」とは投票した国民が期待したようなものなのでしょうか。
舌の根も乾かぬうちに
投票の2日後(9月13日)に早くも化けの皮がはがれました。谷垣財務相は記者会見で「多くの国民の中に、どこかで増税が必要だという気持ちがあったのではないか」といい出し、定率減税を全廃する方向を明確にしました。「舌の根も乾かぬうちに」とは、このことです。
「サラリーマン増税はしない。政府税調の考えとは違う」といい続けた公約はどこにいったのか。
99年以降、庶民には所得税の控除を次々廃止して増税を押しつける一方、大企業には「研究開発減税」「IT投資減税」、金持ちには「配当課税の軽減」「株式譲渡所得課税の軽減」など、減税の大盤振る舞い。これをやめる気配はありません。
「国民の信任を得た」?
ウソといえば、郵政民営化の説明もウソだらけでしたが、選挙で「国民の信任を得た」ということ自体に、マスコミでも疑問が出ています。自民圧勝のからくりは、4割台の得票で7割の議席がとれるという民意をゆがめる小選挙区制にあります。
得票数をみれば郵政民営化賛成派が得た票は小選挙区では49%。「この票数では民営化は否決されたことになりはしないか」「民営化の民意が強くないのは確かだ」(「朝日」9月26日付)と。
実際、選挙後の世論調査では郵政民営化法案を「特別国会で成立させるべきだ」37・1%、「慎重に議論すべきだ」53・4%(共同通信)。小泉首相の暴走を許さず、民意を尊重し、慎重に、徹底的に論戦していきたい。
居住費・食費が自己負担に
10月1日からは、介護施設での居住費・食費が介護保険の給付からはずされ、全額自己負担となりました。これも「寝耳に水」という利用者が多いはず。大幅な負担増を強いる法案なのに成立から施行までわずか3カ月余。施設側や地方自治体でも準備が整わず混乱しています。
さらに、難病や被爆者の方まで、給付の制度がなくなったために、全額負担となってしまうのです。
こうしたなか、独自の負担軽減制度をつくる自治体も各地に生まれています。東京・荒川区では、通所介護と通所リハビリの食費について、世帯全員が住民税非課税の人を対象に、食費自己負担分の25%を補助。長野県松本市では年金収入などの合計が80万円以下の人に対して、特養ホームや訪問介護・看護、通所リハビリ、短期入所などの自己負担分を半分にする軽減策を続けるとしています。各地でこうしたとりくみを広げる必要があります。
負担増によって必要な介護が受けられない人をつくるなと、日本共産党国会議員団も緊急申し入れをおこないました。現場の実情を伺いながら、ともにがんばる決意を新たにしています。国民がほんとうに願う「改革」へ。秋のたたかい本番です。
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