2大政党に、新聞の社説で疑問の声が出るようになりました。
いかに争点にしないか!?
「2大政党制の流れがほんとうにいいのか、と疑問を抱かざるを得ない」と書いたのは西日本新聞(3月24日付)。「社会保障改革で与党が水面下で、共産、社民党を除く、自公民3党で協議したい考えをみせたことだ。改憲の国民投票法案の扱いも『3党で』との動きがあるが、2大政党制の流れが少数意見切り捨てにつながるなら問題だ」
毎日新聞も同じ日「2大政党化という新たな時代を迎え、むしろ国会がないがしろにされている。これは深刻な事態である」「消費税率引き上げまで与野党で合意したら、次の選挙で一体、何を争点にするのか。これでは戦前の大政翼賛会になってしまわないか…」と指摘しています。
4月15日、衆院憲法調査会が最終報告書を議決しましたが、調査会規程を逸脱し、事実上、改憲を方向づけるものとなりました。
審議のなかで、枝野幸男・民主党憲法調査会長は、こんな発言をしています。憲法について「いかに総選挙の争点にしないかということが、早期に、よりあるべき憲法改正を進めるために、最低条件、前提条件になると私どもは考えています」。
「改憲談合」の宣言まで
さらに、最後のとりまとめの議論のときも、「自衛隊が海外で活動することを認める意見が国会内では多数だ」「憲法改正手続き法をふくめて、少なくともこれについて積極的に関心を持つ政党間で協議をしうる土壌はある」とまでいいました。
日本の国の未来をめぐって、もっとも大事な議題について総選挙で国民の信を問うこともせず、自公民3党による「改憲談合」の宣言まで行なっているのです。自民党側は「日本の歴史を変えるようなものすごい発言だ」、「重い発言だと心から歓迎する」と拍手喝采でした。
憲法改悪反対も消費税増税反対も、国民のあいだでは決して少数意見ではありません。
結局、「2大政党制づくり」はこうした国のいちばん大事な問題について、自民党と民主党が同じ方向を向いて競い合うことで、国民多数の声を切り捨てている―このことが、浮き彫りになってきたのではないでしょうか。
武力行使のための改憲は
民主党の岡田克也代表は6年前、「政党の違いや対立軸は何か」という質問にこう答えています。
「思想やイデオロギーという基本的な対立軸はなくてもいいと思っています。ある程度、共通性を持っていてもいいのです。重点の置き方の違いです。日本橋三越と高島屋の違いでいいと思います」
自民と民主の違いは、三越と高島屋の違い程度!自衛隊が海外で武力行使できるようにするための9条改悪という基本では同じなのです。国民の大多数は、明らかに、そんな改憲には反対です。多数の声で、”改憲談合”を吹き飛ばしましょう。
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