先の選挙では全国で436万2574人の皆さまが、日本共産党に貴重な一票を投じてくださいました。投票してくださった方には「入れてよかった」、残念ながら投票していただけなかった方には「やっぱり共産党にしておけばよかった」と思っていただけるような仕事をしていきたい。議席の減った分は、2倍3倍がんばる決意でいます。今後ともご支援を心からお願い申し上げます。
「公平」口実に負担増
年金改悪の暴挙への怒りがさめやらぬなか、介護保険制度についても、大改悪がたくらまれています。
5月17日には、財務省の「財政制度等審議会」の意見書が出ました。
キーワードは「公平さ」。
何かといえば、利用料を現行の1割から、2〜3割に引上げること。「高齢者医療も一定の所得のある人はすでに2割負担になっている。介護保険は若年者の医療保険からの拠出金で支えられているのだから、若年者の医療費負担(3割)と同じにすべきだ」というのです。
さらに「在宅と施設のバランスを踏まえ」、施設入所者の利用料も引き上げる。部屋代(ホテルコスト)や食事代は在宅では自己負担なのだから、施設に入ってもそれは利用者負担にしろ、というわけです。
いずれも「世代間・世代内の公平」を振りかざして、負担の重い方にあわせるというやり方です。
小泉首相率いる経済財政諮問会議も「骨太の方針2004」(6月3日)で、「軽度の要介護者に対するサービスを効果ある介護予防≠ノ重点化」「施設入所費用の引き上げ」を打ち出しました。
筋力アップで自立支援?
これらを受け、厚労省の社会保障審議会介護保険部会では「自立支援」がキーワードになりました(7月30日)。自立の支援は大事です。だから在宅で暮らせるよう、ホームヘルパーの家事援助や、ベッド・車いすの貸与があると思うのですが、審議会の見解は180度違いました。
軽度者への家事援助や通所介護、福祉用具貸与などが、自立を妨げているというのです。家事援助などするから高齢者が自立しないのだ、やめてしまえと。代わりに提供するのが「筋力向上トレーニング」。筋力をつけて自立しろというわけです。
軽度介護者の実情は…
実情はどうでしょう。要支援や要介護1で介護保険のサービスを受けている人が、そのサービスを受けられなくなったらどうなるか、という調査を長野民医連が行ないました。
- 要支援の男性80歳。立ち上がれば何とか動けるが、膝が悪く、借りているベッドがなくなって、床から立ち上がるとなると介助が必要。
- 要介護1の女性85歳。骨折後遺症でしゃがむのが困難。掃除・買い物・入浴などが一人ではできないため家事援助とデイサービスを利用。家事援助やデイサービスがなくなったら生活が成り立たなくなる。
こうした事例が800例もあるそうです。利用者に密着した民医連ならではの提言をして、あるべき介護制度を追求していきましょう。
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