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169通常国会 厚生労働委員会 一般質疑

  • 後期高齢者医療制度/延命の抑制が目的/小池氏 “生”への願い「悪」か(関連記事)
2008年4月22日(火)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 後期高齢者医療制度に伴う現役世代の拠出金の増加の問題が報道されています。

 そこでお聞きしますが、政管健保、組合健保、共済について、二〇〇七年度に老人保健制度や退職者医療に拠出した費用と、二〇〇八年度に後期高齢者、前期高齢者、退職者に拠出する費用の差額をお示しください。

政府参考人(水田邦雄君)

 保険者におきましての高齢者医療等への拠出金の負担についてのお尋ねでございます。

 内容について申し上げますと、まず、七十五歳以上の方の給付費に……

小池晃君

 説明要らない。数字言えばいいんだよ。

政府参考人(水田邦雄君)

 それでは、七十五歳以上の方と、それから六十五歳から七十四歳の方の給付、拠出金について異動を申し上げますと、各保険者におきます平成二十年度の拠出金の負担等、これを平成十九年度と比べますと、政管健保におきましては〇・一兆円の増、健保組合におきましては〇・四兆円の増、共済組合におきましては〇・一兆円の増、市町村国保におきましては一・二兆円の減となることを見込んでおります。

小池晃君

 あのね、〇・一兆円とかそういう数字じゃなくて、私のところには、今日、さっき、政管健保千五百億円、組合健保四千三百億円、共済一千百億円、市町村国保はマイナス、これはあと同じだけど、そう言ってきたんだよ。新聞にだって出ているじゃない、今日。でたらめな数字言わないでちゃんと、少なくとも百億の単位まで言ってください。

政府参考人(水田邦雄君)

 私自身、この単位での数字でございまして、百億円単位のものはつまびらかにしておりません。

小池晃君

 駄目です。駄目、駄目、だってこれこういうふうに言ったんだもん、今日。駄目です、止めてください、委員長。委員長、止めてください。

委員長(岩本司君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(岩本司君)

 速記を起こしてください。

政府参考人(水田邦雄君)

 失礼いたしました。

 健保組合におきましては四千三百億円の増となっております。

小池晃君

 こういう手間取らせないでほしいんですよね。

 今提出されている特例法案による国庫負担の肩代わりは七百五十億、組合健保に掛けるわけだから、これ組合健保の新たな負担が五千億円超えるということになることは、今のままでいけばこれが労働者の保険料の負担ということになってくる。

 大臣、後期高齢者医療制度は現役世代との負担の公平のためと言うけれども、結局、老いも若きも負担増ということになっているんじゃないですか。

国務大臣(舛添要一君)

 市町村国保においては逆にこれは負担が減るということでありますので、これはずっと前から御説明いたしておりますように、国保は御高齢の方が相対的に数多く入るわけですから、どうしても、先ほどの西島委員のお話じゃないけど、保険としてはもうそれは機能しない。したがって、五割公費が入り、四割若い人の支援金が入り、そして一割を高齢の方と。したがって、その支援金の額が今健保について四千三百億円と、こういう数字になっているわけですから、これは国民全体で国民皆保険を守っていくという観点からそういうことになっているというふうに思っております。

小池晃君

 いや、市町村国保は負担軽減すると言うけれども、地方財政健全化法の影響なんかもあって、実態としては保険料値上げの動きが広がっているんですよね。東京二十三区では賦課総額の減少以上に被保険者数の減少があるので、一人当たりの保険料が年間三千三百円上がる、こういう発表もされています。この委員会でも指摘があって、これはもう全国調査やると言っている。直ちにこの結果を報告していただきたいというふうに思います。決して市町村国保の財政だって改善するとは言えないような実態が現場では起こっていると思うんですね。今もうおっしゃったように、被用者保険について見れば、これは老いも若きも負担増になっているという構造になっています。

 さらに、医療の中身についてですが、今日お配りしました、これは「高齢者の医療の確保に関する法律の解説」という保険局の課長補佐が書いた本です。この本の中で、資料にも入れておきました、二ページにコピー置いておきましたが、後期高齢者の診療報酬体系というのをつくる必要性についてこう書いてあるんですね。後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が一時間でも、一分でも生かしてほしいと要望して、いろんな治療がされる。それが、かさむと五百万円とか一千万円の金額になってしまう。家族の感情から発生した医療費をあまねく若人が支援金として負担しなければならないということになると、負担の意欲が薄らぐ可能性があるので、それを抑制する仕組みを検討するのが終末期医療の評価の問題であると。

 大臣、一時間でも一分でも生きてほしいと願うのは私は当然の願いだと思うんですよ。これじゃうば捨て山だと言われても仕方ないんじゃないですか。いかがですか、大臣。

国務大臣(舛添要一君)

 これは私の論文ではありません。ですから、私はそういう考え方でやっておりませんから、土佐というこの著者がそういうことを書いてあったって、終末期医療をそういうふうに位置付けているわけではなくて、何度も申し上げていますように、リビングウイルの法制化をやりたいと思っていたのが私でありますから、きちんと人生の最後を全うすると、そういう観点から申し上げているのであります。

小池晃君

 いや、これ個人的な本じゃないですよ。国民健康保険課課長補佐、老人医療企画室室長補佐、高齢者医療制度施行準備室室長補佐、肩書しっかり並べて書いているんですよ。大臣、これ実際地方自治体ではこの本を購入して実務に当たっているんですよ。個人的な見解で済まされる話じゃないですよ。

 大臣、じゃ、私が紹介したこの部分というのは、これは誤りなんですか。

国務大臣(舛添要一君)

 これは厚生省が出している本ではありません。したがって、これはこの人の、土佐さんという人の意見でしょうけれども、要するにここに書いていることは、一分でも生かしてほしいと。それはもう当たり前なわけで、いろんな治療をされると。

 一々この文章のてにをはまで私は言う気はありませんけれども、しかしながら、いずれにしても、負担と給付、これの割合についてどう考えるのか、だれがどういう形で負担し、どういう給付を行うのかと、そういうことをきちんと議論する必要があるわけですから、この人はそういう考え方を述べたということだと思います。

小池晃君

 これは間違っていますとはっきり言えないんだったら、私はこれは認めたことにもなると思いますよ。しかも、これだけの肩書を並べてこの本を書いている。この本では、高齢者の終末期医療に五百万円だ、一千万円だ、莫大なお金掛かるように書いているけれども、実態どうなのかというと、これ、疾患別に終末期の医療費がどれだけ掛かっているかという研究がございます。東京医科歯科大学の川渕孝一教授が、悪性新生物十万例、心疾患一万五千例、脳血管疾患七千例のDPCのデータを用いて分析をしている。

 これによれば、大臣、聞いてください、死亡直前の医療費が、悪性新生物では一週間で三十二万八千円、心疾患で三十八万九千円、脳血管障害で二十二万三千円。大臣ね、人生最後の一週間の医療費として、これ高額過ぎると思いますか。終末期医療はうんと削減しなきゃいけないような、そういう金額だとお考えですか。

国務大臣(舛添要一君)

 それはケース・バイ・ケースで、それぞれの方が終末期にどれだけの医療負担が掛かるかということでありますから、それは今委員がおっしゃった数字でありまして、それだって、高いと見るか低いと見るかはそれは個人の自由であって、私はそういう議論をするよりも、必要な医療はきちんと、終末期であれ若者であれきちんと受ける必要があると。そのためにどういうような負担と給付の関係をやるかと、そういう観点から仕事をしていきたいと思っております。

小池晃君

 まさにケース・バイ・ケースなのに、五百万だ、一千万だという非常に極端な話を出して、抑制しなければいけないという、そういう宣伝しているじゃないですか。

 しかも、この研究では高齢者の方が終末期の医療費が低いということも明らかに実はされています。例えば悪性新生物でいうと、死亡前六週間、七十五歳以上は百三十七万円、七十五歳未満は百六十万円です。それから心疾患は、死亡前四週間で七十五歳以上は百五十七万円、七十五歳未満は三百二万円です。それから脳血管疾患は、死亡前三週間で七十五歳以上は七十一万円、七十五歳未満は百十一万円なんです。

 大臣ね、既に、後期高齢者とそれ以外の世代を比べると、終末期に掛かっている医療を比べると、実態としては、後期高齢者じゃない若年世代の方が高いんですよ、医療費が。だから、本当にこの間のやり方によって、高齢者に対してはかなり医療の現場では抑制された、もう既にそういう医療が私は行われているというのが実態だと思うんですね。そこに更に、終末期医療だということでリビングウイルを経済誘導したりするようなやり方をすれば、まさに必要な医療もできなくなるような、そういう事態が生まれるんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 何度も申し上げておりますように、必要な治療、必要な医療は今までどおり受けられる、そういうことを大前提にしてやっております。

小池晃君

 私が示したこういう実証データを見てどうお考えです。私は、はっきり言って、現場では後期高齢者の皆さんに対しては、むしろ実態としては、抑制された医療がもう既に行われているような実態はあると思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 すべてケース・バイ・ケースで、その著者の方が、川渕さんとおっしゃったが、本当にEBM、エビデンス・ベースド・メディシンをやっているか、データベースをきちんと取っているのか、そういうことを含めて、それはもう若い方が掛かる、年取った方が掛からない、その逆であるというようなことは、定量的にないし定性的に言えるのかどうなのかと。そういうことの議論よりも、私は、それぞれの方が必要な医療を受けられるためにはどうすればいいのか、それを、国民皆保険制度を守っていくことから含めてきちんと議論する必要はあるというふうに思っております。

小池晃君

 私は実態をしっかり、それこそエビデンス・ベースド・ポリシーというか、きちっとこういうデータに基づいた政策というのをつくっていくべきだというふうに思いますよ。

 それから、保険料について、今後の見通しがこの間も議論になっています。これ、後期高齢者医療制度では、資料の三枚目に入れておりますが、後期高齢者の負担率というものがあります。これは制度スタート時は一〇%ですが、これは若年層の人口減少率に応じて二年ごとに負担割合が引き上がっていく仕組みになっている。すなわち、人口の変化に応じて自動的に上がっていくわけです。これに一人当たりの医療給付費の伸びが加わって更に伸びていくという仕組みです。ですから、年金改悪で行ったマクロ経済スライドのような自動保険料引上げシステムが今度の制度には入っている。

 資料には、参考二ということで計算式も示されております。この計算式で、〇六年に出された新しい人口推計の数字を当てはめて私計算してみました。そうすると、後期高齢者負担率はこうなります。二〇一五年には一一%、二〇二五年には一三・二%、二〇三五年には一五%、二〇四五年には一七%、二〇五五年は一九・三%。つまり、七年後の二〇一五年には高齢者負担率は一一%ですから、一人当たり給付費が全く増えなくても保険料は一割増えるという仕組みになっている。それから同様に、団塊の世代が後期高齢者になってくる二〇二五年ごろには一三・二%ですから、三割増です。その後も伸び続けて、二〇五五年には二倍近くになるわけです。

 大臣、こういう自動的に保険料のベースラインが上がっていく仕組み、この負担増に耐えられると思いますか。大臣。

政府参考人(水田邦雄君)

 委員が示されたのは若人人口でこの高齢者負担率を計算されているわけでありますけれども、実際は七十五歳未満の医療保険加入者数でありますので、七十五歳未満の生活保護受給者でありますとか、先ほど来話がありました六十五歳から七十四歳の障害認定者がどのような選択をされるか、これによって動く数字でございますので、よく見なけりゃいけないと思います。それから、五年後見直し規定もございます。

小池晃君

 あのね、日本というのは国民皆保険制度の国なんでしょう。だから、若人人口というのは、ほぼイコール保険加入者、被保険者の数になるんですよ。ちゃんと、だって、計算式だって、これ人口で計算しているじゃないですか。別に被保険者なんて書いてない。だから、それに当てはめて計算しただけで、実態で見ても、例えば今の時点で一億一千四百万人の若年人口のうち保険加入者は一億一千三百万人ですから、一億人に対して百万人の誤差の範囲の話なんで、それは一定の数字を置けば計算できるはずでしょうと。

 大臣、これ法案審議のときに示した数字なんですよ。ベースラインとして人口構成でどれだけ保険料が負担率が上がっていくか、これ示すの当然じゃないですか。大臣、これ数字出せと言ったら、今の理屈で出せないと言うんですよ。それで、レクに来た人、何て言ったか御存じです。これ計算できますから、小池先生計算してくださいと言ったんですよ。だから私、計算したんですよ。

 こういう基本的な数字、出さなきゃ駄目じゃないですか、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 いや、それはきちんと計算できるんならそれは出していいと思いますが、しかし、いろんなパラメーターを入れていかないといけないとかいうのがあると思いますけれども、そういうことでなければ、それは出せばいいと思いますよ。

小池晃君

 いや、だから要らないんですよ。だから、若年人口と被保険者の差というのは、生活保護の部分とそれから前期高齢者の障害者がどれだけ入るかと。それは、一定の仮置き、数字を置けば計算できるんですよ、大きく変わるわけじゃないんだから。五年ごとに生活保護の加入者がもうこんな大きく変わるわけないでしょう、大臣。だから、これ計算できるんですから出してください。大臣、いかがですか、この数字出していただきたい。出してください、大臣。

国務大臣(舛添要一君)

 なぜ出せないかについて、事務方に説明させてもらいます。

小池晃君

 さっき言ったこと言うだけなんです。これは本当に道理がないと思いますよ、私。このぐらいの数字を示すのは私、役所の責任だから、委員長、これは是非出させるようにしていただきたい。

委員長(岩本司君)

 理事会で協議いたします。

小池晃君

 今後の保険料がどう推移していくのかというのは、これからのこの問題議論する上で基礎的なデータですよ。これを出さないというのは、私、国会を本当に軽んじるものだというふうに申し上げたいと思います。

 しかも、この人口の数字はこれは余りにも明らかだ、こんなものも隠ぺいしようとしていますが、先ほど言ったように、これだけじゃないわけですよ。人口の変化によって負担率そのものが自動的に上がっていく上に、一人当たり医療の給付費が増える部分がそれに上乗せされて保険料が上がっていくという仕組みが後期高齢者の保険料です。

 一人当たり医療給付費の伸びを厚生労働省は、今いろんな批判もありますけれども、厚生労働省のやり方としては一人当たりの医療給付費の伸びを三・一%というふうに設定をしております。これも私、計算してみました。この負担率の上昇に加えて、一人当たり医療給付費の伸びを三・一%と設定して、二〇〇八年の足下の保険料を年間七万二千円としますと、こうなります。二〇一五年は九万八千四百円、二〇二五年は十六万円、それから二〇三五年は二十四万六千四百円、二〇四五年は三十七万八千七百円、二〇五五年は五十八万三千二百円。二〇二五年にもう二倍超えるわけです。私が後期高齢者になる二〇三五年には、これは三倍超える、二〇五五年には八倍超える。

 大臣、これは基本的な構造として今のような前提を置けばこういうふうになっていく、このことをお認めになりますか。

国務大臣(舛添要一君)

 だから、その前提が問題で、じゃ何のために例えば予防対策をいろいろやるのかと。それは、全体のこのシステム設計において、それはもちろん、今一対四対五という形で高齢者一割、四割が若者からの、現役からの支援、五割が公費だということになっていますね。しかし、介護の場合も医療の場合も、じゃどれだけの保険料を設定するのかと。しかし、この出る方はどれぐらいの給付をしないといけないか。当然のことながら、みんなが医療サービスを受けないでいいように例えば生活習慣病の予防をきちっとやっていってくれれば、委員が後期高齢者になられるときに、ますますかくしゃくとしておられれば何の問題も起こらないわけですから、そういう支出を減らすこともやる。

 そしてまた、ただ単に保険料が上がるのかと。それは一対四の中で相互にやり取りをするわけですよね。だから、一が一・〇八になったり一・一になれば、こちらがその分減っていくということになるんで、それはできるだけ国民の負担を抑える形で、そしてできるだけ健康な寿命を長引かしていくと。そういう形で政策体系を整えるべきであって、いや、最初からこれだけ保険料上がる、これだけっていうのは機械的に計算できないんで、私は、それは一つの試算としてやるのは全く意味がないとは言いません。しかし、そういう試算が意味がなくなるように全力を挙げて対策を打ちたいと思っております。

小池晃君

 いや、だから私は必ずこうなるとは申し上げてないので、今、人口のベースはまさにこれは社人研の人口推計でやっています。それから、一人当たりの給付費三・一%というのは、厚生労働省が今そう言っているからそれでやっているんです。だから、そのまま何もしなければこうなるでしょうと、こういう計算になるんじゃないですかと聞いているんです。それはいかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 そのまま何もしないんではなくて、例えば糖尿病の対策もしっかりやる、それから、これから、今から二十年後どれだけ医学の水準が上がり、医療技術の水準が上がるかもしれません。今、全く、物すごい高額を掛けて治療しなければならないものが、新しい新薬の開発によってそういうことがなくなる可能性もありますから、ですから、私は余りそこの試算をやるよりも、それは恐らく、間違っていれば局長に後で訂正させますけれども、恐らくこの二年前に法案を作るときに、いろんな試算を出す過程でそういう数字が出てきたと思いますけど、私はもっと生産的なのは、今私が申し上げたように、そういうことにならないような政策を打っていく。単純に三・一%増えるんじゃなくて、いかにすれば健康寿命を長引かせるかをやれば増えないで済むわけですから、それこそがやっぱり私はやるべき仕事だと思っております。

小池晃君

 私はきちっとしたデータを国民に示す、そこから議論が始まるんだと思いますよ。これから先の人口推計による変化自体も示さない、こういうことではやっぱり議論、だから国民は不信感をやっぱり募らせるということになっているんじゃないですか。

 きちっとやっぱりこういうデータは示すべきだし、まさにこの後期高齢者医療制度というのはこういうすさまじい、このまま行けばこういうすさまじい保険料負担になるよと。だから、この本で言っているような医療費の削減を取るのか、どっちを選ぶのか、まさにそういう制度になっているということだと思いますので、こういう制度はスタートさせるべきではないと、直ちに中止、撤回するということしかないというふうに思います。

 その上で、最後に、この財政構造についてなんですが、今言ったように後期高齢者負担率は制度発足時一〇%、そのほかに窓口での患者負担が原則一割になっているわけです。

 四枚目の資料を見ていただくと、これは今年の予算での財源構成で、これ十一か月分で十・九兆円の後期高齢者医療費のうち、高齢者の保険料が約一兆円、患者負担が約一兆円。したがって、医療費の一九%ぐらいが高齢者の負担だという、そういう計算になるはずです。

 ところが、最後のページちょっと見ていただきたいんですが、先日の公明党の機関紙に高齢者の負担半減するという記事が出まして、これは政調会長が、低所得者への軽減措置で窓口負担と保険料を合わせて平均すると高齢者の負担は制度運営財源の約二割が一割になった、半分になったと。

 これ、私、どうしたらこういう計算になるかよく分かんないんですよ。要するに、今年度予算のほかに一兆円ぐらいが投入されているんであればこういうことになると思うんですが、そんなことしてないはずで、どこかでそういうこと決まったんでしょうか。これ、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 私は斉藤政調会長じゃありませんので、これは私が説明すべきことではないと思いますが、あえてこういうことではなかろうかという推測でよろしゅうございますか。

 この後期高齢者制度について負担軽減策を講じているわけでありまして、例えば高齢者の高額医療費について入院と外来の自己負担額に若人よりも低い所得に応じた上限を設けているとか、それから特に高額医療・高額合算制度を導入して医療保険と介護保険両方利用する世帯の年間での自己負担合計額に上限を設けているとか、それから均等割について低所得者に七割、五割、二割と、こういうことをやっている。そういうことで、さらに、被用者保険はこれは四月―九月はゼロですよね。それからその次が一割しか払わないでいいと。そういうようなことを総合的に見て、窓口負担と保険料負担の合計の割合について、この中低所得者にとここに書いてありますから、中低所得者については非常に一般の被保険者の場合と比べて大きく軽減されるということでこういう数字をお出しになったのではないかというふうにそんたくするわけであります。

小池晃君

 いや、苦しいです。だって、そういうふうに書いてないんです、これ。だって、十分の一・九の負担が十分の一に軽減する。だから、今おっしゃられた合算制度の上限制度とか保険料の負担軽減七割、五割というのは、それが入って十一兆円のうち二兆円の負担なんでしょう。そのほかに、補正予算でいわゆる凍結で千七百億円ぐらいですよ、入ったのは。どう考えたって二兆円の負担が一兆円になるわけないじゃないですか。これ、おかしいと思いません、大臣。これ説明付かないでしょう。

国務大臣(舛添要一君)

 いや、これは、ですからいろんな軽減措置を入れてこういうふうになるということを斉藤政調会長が御主張になさっているということだと思います。

小池晃君

 だから、どうしてなるんですか。説明してください。

国務大臣(舛添要一君)

 いや、私はそんたくするだけで、私は斉藤政調会長ではありませんから、それは斉藤政調会長にお伺いしていただきたいと思います。

小池晃君

 テレビでもそういう発言を私の目の前でされましたので、もう私はどうしても計算これできません。どう考えても半分になるわけがないということはちょっと申し上げておきたいと思いますし、こんな宣伝までするぐらいだったらやっぱり中止するという声を上げる方向に是非声を上げていただきたいなということを申し上げて、質問を終わります。

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