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168臨時国会 厚生労働委員会 一般質疑

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2007年12月25日(火)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 ねんきん特別便のこの発送が始まったわけです。ところがこれ、肝心の宙に浮いた記録の情報は、中身は何ら被害者には示されない。記録が漏れている可能性がありますというふうに書かれているだけなんですね。

 こうした被害者が、社会保険庁に聞きますが、社会保険事務所を訪れた際にも、中身は知らせない、思い出してくださいという対応をするんですか。簡潔に、どう対応するのか説明してください。

政府参考人(石井博史君)

 お答え申し上げます。

 事務所の方においでいただきましても、記録そのものをごらんいただくというようなことは、これは予定してございません。

 理由は、これまでも説明させていただいておりますけれども、一次名寄せといえども氏名とそれから生年月日とその性別、この三条件が一致するという形での抽出でございますので、その方というふうに断定するにはなお弱い情報の一致度であるということでございます。

 それから、仮にしかしそういう状態のものであれ、どなたかのものということで断定して、それで結び付けるというようなことをいたしました場合には、後で別の方がおいでになるというような可能性もございますし、また本来の方というものが出てきた場合、その方から見て言わば個人情報の問題もその場合には生じ得るというようなこともございますものですから、私ども、その点はやっぱり慎重であらねばならないということで対応させていただくということでございます。

小池晃君

 現場で一体何が起こっているか、ちょっと大臣に聞いていただきたいんですよ。

 東京日野市にお住まいの田中容子さんという方からお手紙いただきました。この方は、今年九月に夫の田中彰さんが亡くなって、遺族年金を申請するために九月の末に八王子社会保険事務所に行った。社会保険事務所では、年金記録を調べて、一九六〇年以前に御主人が別の会社に勤めていたんじゃないか、会社の名前を覚えていないかと聞いた。うろ覚えでサンデー農機というような業界紙の記者をやっていたんじゃないかと答えたけれど、似ているけれどもちょっと違うと、社長の名前、会社の住所、同僚の名前など思い出したらまた来るようにと、こう言われたというんですよ。そして、これがいわゆる消えた年金なんですと言われたそうなんですよ。何分これ結婚前の一九六〇年、四十年以上前のことだから、本人はほとんど思い出せないと。

 管轄が変わって今度は立川に変わったんで、もう一回電話したらば、サンデーまでは合っていると、九五%御主人のものだと思いますと言われたけれども、でも会社名教えてくれないと。

 国会図書館まで行っていろいろ業界紙を調べたりした、あらゆるつてを当たった、でも分からない、途方に暮れているとおっしゃっているんです。今日、傍聴にも見えている。

 大臣、こういう対応が許されると思いますか。

国務大臣(舛添要一君)

 一つ一つ、そういう個々のケースについて問題があれば、これはきちんと指導をしてしかるべき対応を取りたいというふうに思います。

小池晃君

 そういう官僚答弁じゃなくて、今の私、話して、大臣、どう思います。これは問題あるケースだと思いませんか。

国務大臣(舛添要一君)

 どういう形で窓口が、官僚的答弁じゃありません、どういう形で窓口が対応して、どうしたのかというのは、きちんとこれは検討して、その上で、そこの事業所、八王子なり立川なりを調査をして、そういうことであれば、今委員がおっしゃったことであれば、これは私は問題があると思いますから、そういうふうに対応するということを申し上げているわけでございます。

小池晃君

 調査していただきたい。

 これ、マニュアルがどうもあるらしいんで、これは委員会として提出を求めていただきたいと思います。

委員長(岩本司君)

 理事会で協議いたします。

小池晃君

 それで、六月の当委員会で私の質問に対して柳澤大臣は、記憶を呼び起こしていただくよすがになることは提供したいと、こう答弁しているんですね。ところが、ねんきん特別便にもこれは入っていない、ほごになっているんです。

 大臣、これ、私、消えた記録というのは国の所有物ではないと思うんですよ、これ、被害者のものなんですよ、被害者の財産なんですよ。だとすれば、これは、情報は全部そのまま丸ごと出すわけにいかないというのはそれは分かります。しかし、やっぱり本人が思い出せるように、本人のものなんだから、これは示すのが筋なんではないか。やっぱりその記録の中身の一部を工夫して特別便に載せる。あるいは、そういう方が社会保険事務所に来たらば、やはり情報を提供するという立場でこれ臨んでいく。大臣、これね、大臣に答えていただきたい、そうすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 例えば、第三者委員会というのがもう一かけらの紙もなくてもそこに行って今おっしゃったようなことができるような、これはもう最後のセーフティーネットをつくってございます。

 しかし、そこまで行かないうちできちんとやらないといけませんですから、先ほど申し上げましたように、窓口対応どうなっているか、これはきちんと精査をする。そして、必要があれば、例えばどういう形でやっているかは後で担当に答えさせますけれども、このねんきん特別便についても、成り済ましとかいろんな、個人情報の保護とかいうことがございますから、私も最初は同じ疑問点を持ちました。自分のこの抜けている部分が知らせた方がいいんじゃないかというのはありました。

 しかし、今言ったような問題点について何重にもきちんとセーフティーを、安全性を考えるということでありますから、ただそのときに、電話を掛けてくださる、窓口に来てくださる、そのときにきちんと対応して、例えば今言った何とか会社半分しか思い出せない、そのとき、それじゃ駄目だじゃなくて、それじゃこういうことでしょうかと一緒にこの記憶をよみがえらせていただくようにお手伝いをする。それはこちらがこれまでずさんな管理をしていたわけですから当然のことなんで、そういう態度できちんと臨んでいくと。こういうことを私は指示をしているわけでございますので、具体的にどういうことになっているか、もし担当の方で補足することがあればお願いします。

小池晃君

 だから、私が示した実例は正にそうなってないんですよ。成り済ましだといって被害者の側を最初から悪人のように見立てるようなやり方、考え方間違っているんですよ。国が悪いんですから、社会保険庁の責任なんですから。相談に来る人、被害者なんだから。そういう立場でこれ根本的にやり方見直さなきゃいけない。

 それから、総務省にも聞きたいんですが、厚生年金に関して第三者委員会の記録訂正のあっせん事案、これ、件数何件で、遡及して訂正されたり消されたりしたものが何件あるのか。あわせて、厚生年金の事案の二十二というのがあるんですが、これ簡潔に説明してください。

政府参考人(関有一君)

 これまでに年金記録確認第三者委員会があっせんを行いました厚生年金関係事案は五十四件でございます。そのうちお尋ねのようなケースは七件ございます。

 厚生年金事案二十二でございますけれども、この事案は、社会保険庁が管理する記録では昭和五十四年三月三十一日に厚生年金保険の被保険者資格を喪失したこととなっておりますけれども、申立人は資格喪失が昭和五十五年四月十一日であるとして訂正が申し立てられたものでございます。

 この事案につきましては、雇用保険の記録によりまして申立人が昭和五十五年四月十日まで継続して勤務していたことが確認できます。また、社会保険事務所の被保険者名簿によりますと、申立人と同様に資格喪失日が昭和五十四年三月三十一日と記録されている者が三名おりまして、このうち一名につきましては、毎年十月に行われる標準報酬月額の決定が資格喪失日とされた日よりも後の昭和五十四年十月に行われた記録がございます。また、申立人を含めましたこれら四名は、いずれも昭和五十五年五月に健康保険被保険者証を返還した記録がございます。以上を総合的に判断をいたしまして、申立人の資格喪失日は昭和五十五年四月十一日と訂正するよう社会保険庁に対しあっせんをしたものでございます。

小池晃君

 社会保険庁に聞きたいんですが、これ私、事案を見ますと、七件ともその事業所に勤務している他の加入者にも同様の改ざんが行われている可能性が高いような性格のものばかり。しかも、今の実例お聞きになって分かると思うんですが、申立人の同僚の方に関してもさかのぼってこれ認定しているんですね。

 社会保険庁に聞きますが、こうした案件について、申し立てた人はもちろんですが、その同僚の方の記録訂正はやったんですか、イエスかノーかで。

政府参考人(石井博史君)

 お答え申し上げます。

 御指摘の第三者委員会のあっせん事案でございますけれども、申立人の方と同僚の方ですね、この方についても同時期にさかのぼって資格喪失の手続が行われた可能性があるということが指摘されていることは私どもも確認してございます。

 そこで、私どもといたしましては、第三者委員会における審議の内容というものを再度確認させていただきまして、同僚の従業員の方々に対して私どもなりにお知らせを行いまして、被保険者加入期間照会申出書なる、これ様式ございますけれども、これを出していただいて、申立人と同様の事情にあることが確認できれば必要な訂正を行う、そういった対応を検討することをしたいというふうに思ってございます。

小池晃君

 検討したいだから何にもやっていないんですよ。私おかしいと思うんですよね。もうちゃんと認定されているんだから、そういう被害者の権利を守るというんだったらその程度のことはするのは私当然だと思うけれども、まだやっていないわけですね。

 大臣、この総務省の第三者委員会で訂正されたものの多くは標準報酬月額の改ざんが多いんです。しかし、ねんきん特別便にはこれが入っていないわけです。だとすると、正しい厚生年金をもらえるかどうかは今の特別便だけでは分からないわけですよ。私は今後も恐らく厚生年金に関しては標準報酬月額の引下げをめぐる問題、相当出てくるというふうに考えるんですが、やっぱりねんきん特別便にきちっとこの標準報酬月額を記載するということをやらなければこうした人たち、大臣でいいんです、こうした人たちの厚生年金の消えた年金問題は解決できないんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 最優先課題としてとにかくその加入履歴をお送りするということをまず第一に考えて、これを今着実に実行しています。今おっしゃいました標準報酬月額の記載をやることになればまた一つ新しいプログラムを組まないといけないんで、これは更に時間が掛かってこの加入履歴の確認ということが遅れる、そういう配慮でございますんで、今後の課題としてその問題は取り組んでまいりたいと思います。

小池晃君

 今後の課題と言うけれども、要するに、今回もらった特別便で、ああ大丈夫だ、自分はこれで正確だと思っても、実は標準報酬月額が大幅に下がっていると、そういうケースがあるわけですよ。だから、そういう問題があるんだということをちゃんと言っておかないと、国民がこれで安心しちゃったら私ますます問題先送りして事態の複雑させるだけだというふうに思いますので、この点は今後の検討課題ではなくてすぐにやっぱり是正すべきだと思う。

 それからあわせて、やはり一億人、加入者、受給者に送るというのを前倒ししてでもこれをやっぱり急いでやるということを改めて、これはずっとこの間言ってきましたが、求めたい。

 それから、やっぱり亡くなった方については御遺族に届けることもあらゆる努力を払ってやる、このことも含めて大臣に求めたいと思います。

国務大臣(舛添要一君)

 御指摘の点に関しましては全力を挙げて検討し、そしてできるところからやってまいりたいと思います。

小池晃君

 被爆の認定問題をお聞きします。

 原爆症認定の在り方の検討会が十七日に報告を取りまとめましたが、これは、判決すべてが原因確率の見直し、厳しく批判した。ところが、その抜本的な見直しをされなかった。六十年余にわたって苦難を抱えてこられた被爆者の皆さん、そして今病を抱えている皆さんが一縷の望みを掛けていたのに踏みにじられたと。本当に皆さん失望し、抗議をされている。当然のことだと思います。

 この報告書では、今までほとんど考慮されてこなかった残留放射線あるいは急性症状についても考慮すべきだというふうにしているんですが、ただしいろんな条件を付けている。今日はこのことをお伺いしたい。

 残留放射線の評価については、報告書では個人ごとに移動経路や滞在時間に基づく線量計算が可能だというふうに言っているんですね。しかし、現在の被爆者の多くは当時小さいお子さんでした。ほとんど記憶がない。ある程度の年齢があっても、余りにも強烈な体験で、被爆直後のことはよく覚えているけど翌日のことあるいはその次の日のことをほとんど覚えていない、皆さん異口同音にそうおっしゃるんですよ。あるいは入市被爆ということだと軍隊の方が多いんです。そうすると、自分が一度も行ったことがない町、しかも焼け野原で、というかもう草木一本ない、どこを歩いたなんて分からないという声を私たくさんお聞きしているんですね。

 局長、こういうふうに計算可能だと言うけれども、一体どれほどの人がこの線量計算がこういうやり方で可能だというふうに厚生労働省としては考えておられるのか。

政府参考人(西山正徳君)

 先生おっしゃいますように、今般の専門家の検討会におきまして今言われたようなことが報告受けたわけであります。このことは検討会の中である研究者が提案されたものでありまして、それに基づいて私どもはやってみたいと思っています。

 現実的には被爆者の健康手帳の交付申請書、あるいは申請書の記載等を基に移動経路をできるだけ限り推定しまして、被曝線量を積み上げていって認定していこうと、今までの原因確率だけじゃなくて、こういったこととか、あるいは後であるかもしれませんけれども、急性症状を取って幅広く認定していきたいというふうな報告書を受けたものですから、今日直ちにお答えできるわけじゃありませんけれども、早速シミュレーションしてみたいというふうに考えております。

小池晃君

 やってみたいと言うだけで、私はどれだけの計算できるのかと言ったけど、答えられないんですね。これから検討するという中身である。結局、入市被爆による線量評価というのは極めて限定的なもので、私は原因確率で切り捨てるということと同じことになると思うんです。しかも大臣、研究者がって、今あったけれども、鎌田委員は、残留放射線の影響については方程式を作って当てはめてというわけにいかないというふうにはっきりおっしゃっているんですよ。そのことも是非聞いておいていただきたい。

 それから、原因確率が一〇%を下回る場合でも、被爆直後の急性症状について本人の供述を裏付ける第三者の証言等があれば対象にするといっているんですが、これは一体どういうものを想定しているんですか、局長。

政府参考人(西山正徳君)

 検討会の議論は、いわゆる文字どおり第三者の証言ということでありますけれども、その後に様々な指摘がありまして、私も見ましたけれども、被爆者の急性症状をできるだけ把握していこうと思った場合に、当時のABCC、すなわち原爆傷害調査委員会の調査ですとか被爆者健康手帳の交付申請書、それから医師の診断書等々からできるだけ幅広く認定できるのではないかというふうに考えております。

小池晃君

 ABCCと言うけれども、これも当事者の皆さんに聞くと、個人データの信頼性については当時ABCCに対して反発が非常に強かった、正直に証言しているとは限らない、しかもすべての人を対象にしていないという問題もあるわけです。

 先ほどあったように、医師の診断書と言うけれども、被爆直後でしょう、急性症状。もうたくさん被災者出ているわけですよ。一々カルテなんて書く暇ない、そういう状況だったし、仮にその急性症状はあったとしても、当時の状況で医者に掛かっているかどうか今証明しろ、こんなこと私証明できるわけないと。しかも、もしあったとしてもカルテが今残っているかどうかといったら、本当にわずかな可能性しかないのではないか。結局、これは不可能を証明することを被爆者に強要することにほかならないというふうに大臣思うんです。

 大臣、入市被爆とかあるいは遠距離被爆では、今までは放射線被曝はほとんどないと言っていたんですよ。しかし、原爆による急性症状があったことを示す多数の資料があって、そういう被曝ないんだという前提が崩れたわけでしょう、今回。だったらば、この今の実態を直視して、集団としてこれは急性症状はあるわけですから、これをしっかり資料にして、これを急性症状の証明とすべきであって、私は大臣、個別の被爆者に本当に不可能な証明を求めるというのは私は筋違いであるというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 今の小池委員の意見を賜っておりますが、一つはやっぱり専門家チームの結論が出た、それから与党のPTの結論が出た、こういうものをしっかり踏まえて与党と相談しながら決めたいと思いますが、ただ、現行法律上は放射線起因性という縛りがございます。これをやはり個々のケースについてきちんと科学的知見に基づいて、放射線に基づく疾病であるという原因、結果、その因果関係が認められなければ法律上原爆症として認定することができない仕組みに今のところはなっております。ですから、現行法律上は、今おっしゃったことは残念ながら不可能であるというのが今のお答えでございます。

小池晃君

 私は、やっぱり被爆者の実態から出発するということが裁判が示した方向じゃないですか。それにこたえて認定の見直しを、検討会を立ち上げて検討したんだから、私はその裁判の結果に、C型肝炎の問題では司法の判断を超えられないんだと、司法のせいだ、司法のせいだと言う。ところが、原爆症では司法の判断が幾ら出てもそれに耳をかさない。都合のいいところだけ取っているじゃないですか。

 私は、この司法の判断にしっかり耳傾けて、謙虚に、与党のPTも原因確率を改めるという立場を出してきている。そういう中で、私はこんな不可能な証明を被爆者に強いるようなやり方はきっぱりもうやめるというふうに言うべきだと思いますよ。大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 私の先ほどの答弁の前の半分は、そういうことも含めて、これは与党としっかりと議論をしながら、二つの報告書が出ましたから検討していくということは前、申し上げました。しかし、今の問題点は、現行法をそのまま適用すれば先ほどのような問題があると。この二段構成の回答をしたつもりでございます。

小池晃君

 与党PTの話もありましたが、これも新たな線引きという面も実はありまして、東京訴訟の原告に当てはめても、認定された人の中にも外れてしまう人も出てくるという問題もあります。やはり私たちは、日本被団協が求めているように、現行の審査方針を廃止をする、放射線の影響が否定できない疾病はすべて認定する、それ以外の方については個別総合的に、総体的に判断していくという方向に根本から改めるべきだということを重ねて申し上げたいと思います。

 最後に薬害肝炎の問題です。

 福田首相が二十三日の記者会見でこう言っているんです。許認可権を持つ行政の責任を免れることはできないと。大臣、許認可権を持つ行政の責任というのは、これは薬害の発生と拡大を止められなかった薬事行政の責任であると、そう理解してよろしいですか。

国務大臣(舛添要一君)

 私は総理の言葉をそういうふうに理解いたしました。

小池晃君

 だとすれば、これはきちっと、立法というのであればこのことを書き込むべきだということを申し上げたいというふうに思います。

 それから謝罪、これはハンセン病の法律についてはきちっと謝罪ということが趣旨にも盛り込まれている。これもしっかり入れていくのが当然だと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 その点について、先ほど足立委員、西島委員、お医者さんの専門の立場からの御意見も賜り、そして薬事行政をこれからどうするか、そういう長期的な、特に新薬承認との絡みの問題もバランスの取れた御意見を賜りました。そういうことを前提に置いて、どういう形でこの謝罪というようなものを法律の中に取り込むか。これは立法府の仕事でございますので、我々としてはその作業を見守り、そして御支援申し上げられるところは御支援したいというふうに思っております。

小池晃君

 フィブリノゲン製剤の認可は一九六四年であります。この大阪地裁の判決では何と言っているかというと、承認申請時の資料はずさんなものである、当時の基準を満たしているのか、当時のその薬剤の承認の基準を満たしているのか疑問を生じかねないものだと指摘をしているんです。大臣、全員救済だと言うからには、これは製造承認時からの、先ほど言った発生と拡大を止められなかった行政の責任を認めるということに当然なると思いますが、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 司法の判断が五つあります。その司法が、行政の責任についてどこまでの責任があるかということをそれぞれの五つの裁判所が明確な形で示しております。したがって、そういう司法の判断を超えて、政治のリーダーシップで行政責任を超越するような形で立法府に立法をお願いするというのが今のこの福田総理のお考えであるというふうに思っております。

小池晃君

 私は、議員立法を作るというのであれば当然政府としての責任の明確化、謝罪が盛り込まれなければいけないというふうに思っていますし、認定についても、第三者機関というのではなくて、やっぱり裁判でやっていくということが必要だというふうに思いますし、常設の協議機関ということもこれは当然盛り込まれるべきだというふうに思いますが、これ年明け、法案提出だという報道がされている。被害者の皆さん、不安抱えたまま年越せるのか、そういう声もあるわけですよ。

 先ほどから、すぐに閣議決定できないのかという質問に対して、司法判断があるのでできないと言うんだけれども、私、これおかしいと思うんです。だって、大阪高裁の所見というのは何て書いてあるかというと、一律解決が望ましいが、一審被告らの格段の譲歩のない限り提示しないと言っているんです。要するに、これ自作自演なんですよ。政府が譲歩しないから、だからこういうものになりましたと。政府はそれを基にこの範囲でしか救済、司法の判断ですからできません。これおかしいじゃないですか。だから、政府が政治判断すれば私はこの壁乗り越えられるはずだというふうに思うんです。

 先ほども言うように、原因確率の問題では裁判所は厳しく批判をしているのに、これ耳かそうとしない。一方で、都合のいいときだけ裁判利用するというのは私やめるべきだというふうに思います。

 この問題については、いずれにしても一刻も早い解決ということが求められていると。私は、今でも政治判断ですぐにできるはずだ、この大阪高裁の所見を見ても、政府が政治判断を変えさえすればこの司法の判断乗り越える道にすぐに出ていけるはずだというふうに思いますが、しかし、議員立法ということであれば、これは一刻も早い全面解決のために各党が力を尽くすべきだというふうに思っております。

 最後に大臣の決意を伺いたい。

委員長(岩本司君)

 時間が来ておりますので、簡潔に願います。

国務大臣(舛添要一君)

 立法府の国会議員の皆さん方の御協力も賜って、これは党派を超えて全力を挙げて一日も早くこの問題を解決すべきだ、そういう視点から私も努力を傾けてまいりたいと思います。

小池晃君

 終わります。

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