意見陳述の中にも若干触れましたが、最低保障年金制度という制度を創設する以外、根本的な解決はあり得ないというふうに思っています。私以外の参考人の方々からも出ていますが、やっぱり収入のない人にも保険料の納付を義務付けている今の日本の年金制度というのはもう限界を迎えると。当然、払えないという事態も発生をするわけですし、また払えなくて減免をすると低年金ということにもなります。そういう点では、空洞化を食い止める、そのことも含めて、またこの間、年金をめぐっては女性の年金権やパート労働者の年金権の問題等々あります。根本的にこれらの日本の年金制度が抱えている問題を解決する、そういう点では最低保障年金制度の創設しかないというふうに思っています。
最低保障年金制度については、別に私たちが言っているだけではなくて、連合や全労連などの労働組合、労働団体もそうですし、民主党、共産党、社民党の皆さんも政党レベルで、名前こそ若干違いますが、やっぱり最低保障年金という、そういう仕組みを用いない限り問題解決しないというふうに言われています。また、経済界もその方向で、骨太方針二〇〇七に向けてという格好で経済同友会が提言をされているというようなこともあります。
ただ、私たちが一番危惧をしているのは、やっぱり財源の問題が非常に大きな問題になってくるだろうというふうに思っています。仕組みはいいけれども、じゃ財源をどうするのかということです。財界などは消費税をというふうに提言をされていますが、消費税というのは本当に社会保障の財源としては一番ふさわしくない財源だというふうに思っています。御承知のように、消費税というのは収入の少ない人ほど負担感が非常に強い税金ですし、そういう点では憲法二十五条の理念に一番そぐわない財源だというふうに思っています。
そういう点で、最低保障年金制度という制度、それについては多くの方の意見が一致をしてきているわけですから、憲法二十五条の理念に基づいて、やっぱり税金の集め方、使い方を改めてこの国の在り方として考え直す、その中で本当にこの年金制度に対する信頼を回復をする、その方向に是非向かっていくべきだというふうに私は思っております。