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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

166通常国会 厚生労働委員会 社会保険庁解体・民営化法案および年金時効特例法に関する質疑

  • 年金記録/全員に送付すぐ/小池議員 不安解消は政治責任(関連記事)
  • 折口・安倍対談/コムスンを称賛/小池議員 首相の責任は重大(関連記事)
2007年6月14日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 自分の年金が宙に浮いてしまっていないか、あるいは消えてしまっていないかと、国民の不安は広がっております。昨日、私も社会保険庁の業務センターへ行ってまいりまして、ねんきんあんしんダイヤルの電話を受ける場面を見てきましたが、対応に追われておりました。一昨日の着信は四十万件、これに対して三十八万件には応答できなかったといいます。しかも、社会保険事務所にも多くの市民が殺到して待ち時間が長くなっています。そもそも、仕事が忙しくて心配だけれど行けないと、こういう方もたくさんいるはずです。

 これはねんきんあんしんダイヤルの通知なんですが、(資料提示)これには、年金記録をもう一度チェックさせてください、気になる方、心当たりの方はお問い合わせくださいと書いてあるんですね。私、これ、国の責任で起こった問題なのに、心配ならば聞きに来いという態度そのものが私はこれでいいのかと思うんですよ。

 いろいろ課題あるんですが、この一点に絞って今日はお伺いしたい。

 納付記録というのは、そもそも社会保険庁の方にあるわけです。あなたはこれだけの保険料を納めたことになっていますというところまでの情報であれば、これはあれこれ大変な作業をしなくてもこれは出せるというふうに普通は考える。ですから、私は、保険料の納付記録を、今これだけ不安が広がっているんだから、すべての加入者あるいは受給者に対して至急これを送る、これが必要じゃないかと思うんですが、これはいかがですか。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 これは二つあるだろうと思います。

 一つは、私どもとしては、そういうことをやるよりも、今実際に未統合のものが厳然としてあるわけでございますから、それとの突合と、突き合わせというものをやって、ある程度、まだ更に年金の加入記録がほかにあるというような人たちにもう早く知らせていって、そしてその方々が、そうだということでやっぱり早く受給の増に結び付いていくという、そういう事務を優先させるべきだと、こういう考え方を私どもは取っているわけです。

 二つ目の面は、そういうように確かに納付の記録というものが、今小池委員は、もう右から左にすぐ間に合うような、そういう前提でおっしゃられておりまして、それは私は、私自身もそう思ったくらいですからごく自然な考え方だと思いますが、現実にはコンピューターの中へ入ったデータというものをこれを引き出すというのは、やっぱりそう簡単ではないということでございまして、ほぼ今度の突き合わせと同じような手間が掛かってしまうというようなことでありまして、そうであるならば、やっぱり先ほど私が冒頭言ったような、現実にこの年金記録を更に継ぎ足す、そして増額を実現する、そういう方々をやっぱり優先すべきだと、このように考えます。

小池晃君

 いや、私も別にそれを先にやれと言っているわけじゃないんですよ。それは突合作業大事ですから、それはもう急いでやっていただく。それこそ同時並行でできるじゃないかと思うんです。しかも、何かこういう問題を聞くと、システムから情報を出すのが大変だ大変だと。例えば、五千万件の保険料が一体幾らなのかも出せないと。出せない出せないと言うんですね。

 じゃ、聞くけれども、そんなにとんでもない古いどうしようもないシステムに社会保険庁は、オンラインシステムの契約相手であるNTTデータあるいは日立に過去総額でどれだけの経費を支払ってきたんですか。数字だけ言ってください。──ちょっと言ってください、早く。丸めて全部言ってくれればいいから。時間ない。聞くって言ってあるよ。

委員長(鶴保庸介君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(鶴保庸介君)

 速記を起こしてください。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 総計では一兆四千億というふうに聞いております。

小池晃君

 一兆四千億円も正に掛かっているんですよ、これ、システムに。それは税金であり、そして九八年以降保険料でしょう。一兆四千億円も国民のお金を使いながら、こんな簡単な情報すら出せない。私、本当にこんなに国民をばかにした話ないと思いますよ。

 総理、私は何も難しいことを申し上げているんじゃない。今これだけ不安が広がっている。しかも、突合をやるとすると、これ結局、突合が終わって受給者に通知が行くので来年の夏。加入者、再来年になる。それまで国民には一通のおわびの手紙も行かないということになるんですよ。だから私は言っているんです。

 これだけ不安が広がっているんだから、できる限りのことを、やれるだけのことはすべてやると。だから、別にそれを優先して突合を後に回せじゃないですよ。もう同時並行で、とにかく納付記録だけでも送って見てもらう。私は、これは正に、言ってみれば国家の運営能力、管理能力の問題に属する問題ではないかと思うんです。

 やはり、保険料の納付記録を今保険料を払っている人あるいは年金を受け取っている人に至急通知する。繰り返し言いますが、何も難しいことを言っているわけじゃない。ここは徹底してそういったことをやる。せめてこれくらいのことができるようなことができない、そんな国でいいのか、私、率直に思うんですが、総理、いかがですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 ただいま、先ほど厚生労働大臣がお答えをいたしましたように、まずは私ども、これは小池委員も同じことだと思いますが、まずは五千万件に対する突合を優先的にやっていく、これにも相当な人的なパワーも必要でございますし、そのためのシステム開発も当然行うと。と同時に、マイクロフィルムとの突き合わせも同時並行的に行いながら、半年ごとに進捗状況をお知らせをしたいと思います。

 そして、と同時に、このすべての方々への通知も当然私ども考えております。私の同僚議員からも、それをすぐに出した方がいいよと、みんな安心するんじゃないか、このような助言も事実ございました。小池委員も真剣にお考えの上、そうした御発言をされていると私も重々承知をしております。

 最終的には全員の方々に通知をしたいと思います。しかし、順番は今言ったような順番でやらさせていただきたい。そしてまた、最終的にこのお送りするその方々に、全員の方々にお送りするんですが、それもなるべく早くもちろんこちらもやっていきたいと、このように指示をしているところでございます。

 しかし、順番としては、まずは突合を行い、そして追加的な履歴のある方々には、追加的な履歴があるということをお知らせする方が、あっ、自分にはそういうのがあるんだなというふうにこれは意識しやすいんではないかと、このように思いますので、まずはその方々への通知を優先させていただきたいと、このように思います。

小池晃君

 私はこれ順番というのはおかしいと思うんですよ。今ある履歴だけでも送れば、正しく記録されていればそれで安心できるわけでしょう。違うなと思った人が問い合わせを行く。そうすれば今の大混乱だって少しは改善するかもしれない。私は、これはこの問題を解決する、国民の不安にこたえるという立場で私は物を申し上げているつもりなんです。

 今やっぱりやれることをすべてやるということが必要なんじゃないですか。何か段階論でこれが順番だというのではなくて、真っ先に国民のこれだけ不安が広がっていることにこたえる、これが政治の責任じゃないかと言っているんですよ。是非前向きに考えていただきたい。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 私も小池委員と同じように、できることはすべてやれと、このように申し上げているわけであって、その中で、社保庁また厚労省で検討した結果、今の順番、そしてまたやはりどうしても全員に通知をするためのデータを引き出していくということについても時間が掛かってしまう、そういう人的な配分等の関係からも、先ほど申し上げましたような順番でやらさせていただきたいと、このように思っております。

小池晃君

 私たちは、こういう不安にこたえるためには、本当に知恵を出し合ってやるべきだと思うし、政府の総力を挙げてやるべきだというふうに申し上げたいと思います。

 それから、最後、介護保険にかかわってお聞きをしたい、不正申請で行政処分を受けたコムスンの問題です。

 これは、正にこの事件というのは、私は、介護や福祉、医療の分野に営利企業が参入する、株式会社が参入する、そういう営利企業のもうけの場に開放したことが一つの問題として浮かび上がったというふうにとらえております。同時に、もちろんコムスンの親会社であるグッドウィルグループの折口雅博会長の責任も重大です。

 先ほども御指摘ありましたが、総理は二〇〇三年、内閣官房副長官だった時代にコムスンの広報誌で折口氏と対談をしておられる。これはホームページに出ております。安倍首相が対談したこのコムスン通信〇三年の十号を見ますと、首相は介護保険制度に触れながら、やはり民間の方の機動力で事業が成り立つことは大切だと、営利企業に開放したことを強調して、その上で、コムスンは一生懸命やっておられるというふうに称賛をしている。それから、高卒者千人を採ると全国一位ですか、それはすごいですねと評価もしている。しかも最後のページには二人で握手をする、そういう写真も掲載をされているんです。

 先ほど総理は、自分は高い志を持ってやってほしいんだと言ったんだとおっしゃいましたね。ところが、この対談の中で総理はそんなこと一言も言ってないんです。折口さんが言っているんです。志を高く持ち続けて、使命感を持って業界が良くなり続けるように頑張っていきたい、これは折口氏のせりふです。志高く持って頑張った結果がこうなんですよ。

 私、総理はこのコムスンの広報誌に登場したことによって正にコムスンの広告塔となったわけです。内閣官房副長官です。このことの責任についてどうお考えですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 私ども、政治家という立場で政策をつくっていく場合、現場の方々からいろんな意見を聞くのは私は当然だろうと思います。そして、意見の交換も行う。そして、コムスンも含め、言わば介護事業を行っている方々と随分私も意見の交換を行いました。その中で、意見の交換を行ったこの中身について、言わば対談という形で掲載をされたというふうに承知をしております。

 この対談の中で、載っているかいないかは別として、私はその場で高い志を持ってやっていただきたいということを申し上げたのは事実でございます。そして、当然、こういう方々の御意見や何かも聞いていくということも大切でありますが、と同時に、やはり民間の活力を言わば保険制度の中で活用していく、合理化をしていくということは大切であろう、と同時に、やはり公的な保険制度の中で給付を前提にこの仕事をしている以上、高い志を持ってやっていただかなければならないと、このように考えているところでございます。

委員長(鶴保庸介君)

 時間です。

小池晃君

 単なる意見を聞いたんじゃありません。広報誌に登場して称賛したその責任は重大であると、そのくらいの責任も認められないのかということを厳しく批判をします。

 終わります。

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 先ほどの続きをやりたいんですが、今まで社会保険庁はオンラインシステムの契約相手であるNTTデータあるいは日立の関連企業に、先ほど答弁で約一兆四千億円の支払という答弁がありました。これは、NTTデータ関連三社、株式会社NTTデータ、株式会社NTTデータシステムサービス、株式会社社会情報クリエイト、この三社で一兆六百三十二億七千三百十三万円、それから日立関連三社、日本電子計算機株式会社、株式会社日立製作所、日立公共システムサービス株式会社、この三社で三千五百五十八億六千七百十三万円ということになるかと思いますが、これでおおよそは間違いないですか、イエスかノーかで結構です。

政府参考人(青柳親房君)

 ただいまお話のあったとおりの数字と認識しております。

小池晃君

 これは、報道によりますと、年金関連だけでNTTデータの売上げの一割を占めるというわけですね。まあ本当に莫大なお金であります。

 資料をお配りしておりますが、しかもこのグラフで見ますと、九七年まではこの経費は国庫負担だったわけです。それが九八年から保険料財源から、まあごく一部税もありますが、基本的には保険料財源に変わっている。やはり、その九八年以降急速にこれは伸びているというふうに、これは傾向はあると言わざるを得ないんではないか。

 大臣、やはり国庫負担から保険料負担になって以来この支払経費が急増している、これは事実としてお認めになりますか。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 社会保険オンラインシステム経費につきましては、度重なる制度改正に対応するためのシステム開発、ハードウエア等機器の導入及びシステム運用業務などに相応の経費を必要としております。平成十年度以降におきましても年金制度改正や医療保険制度改正に伴うシステム開発経費等を支出してきたところであり、財政改革法の施行によって保険料財源を充てることとなりましたが、これを理由としてシステム開発経費が増加したとは考えておりません。

小池晃君

 理由として上げたわけじゃないといいながら、事実は何より雄弁で、やっぱり保険料になってからどんどん上がっているわけですね。しかも、この一兆四千億円にはNTTに対する残債千五百億円入ってないわけですから、これも実はこれから払われる。で、正に今まで保険料から流用されてきた。

 今回の法案は、年金相談、年金教育・広報、情報提供等の事業には保険料を充当できるというふうにしているわけです。今までは保険料からの流用は経過措置だったわけです。これが恒久化される。やはりこの間の経過を見れば、こんなことをすればますますそのシステム経費に歯止めが掛からなくなる、ますます保険料からの流用が肥大、拡大していくことになるのではないか、この疑問にどうお答えになりますか。

政府参考人(清水美智夫君)

 年金事務費は年金給付と密接不可分なコストでございます。年金事務費に保険料を充てることは受益と負担の明確化という観点から見て妥当ではないかというふうに考えてございます。また、今回の法案におきましては、これまで御批判がございました、保険料財源を用いて必要な施設をすることができるといういわゆる福祉施設規定が廃止でございます。事業範囲を限定いたしまして、年金相談等という真に必要なものに限定しておるところでございまして。

 いずれにいたしましても、重要なことは無駄遣いの排除でございます。私ども、予算の精査はもちろん、執行に当たりましても競争入札あるいは企画競争を原則化するということでございますとか、民間企業人も参画する調達委員会の厳格な審査など、様々無駄を排除する取組を徹底してまいると、このように考えてございます。

小池晃君

 口で無駄遣いしないといっても、事実この間の経過を見れば、これは保険料ということになればやはり使い放題という構造になってきた。その事実を踏まえれば、これは非常にこういう流用が拡大していく危険性は否定できないと。

 それから、今回の様々な事態に対する対応、これ大臣ね、今回の分については国庫から支出するんだというふうに言っているんですが、私分からないのは、年金相談、年金教育・広報というのは、これは保険料から充当するわけでしょう。その中で、今回の事態に関するものは、そこは税金だと。これどうやって分けるんですか。だって広報だって、今回の事態に対する広報だけじゃなくて年金に対する広報の中で、じゃその比率で分けるのか。あるいは相談だってそうでしょう。相談窓口に今回の事態の解決のために来る方と一般的な年金相談で来る方、どうやって分けるんですか。

 だから、税金でその分は見ますなんて、私は何の担保もないと思いますよ。一切そういう保証はないんじゃないですか。今回の事態に応じて来られる相談が保険料から払われるということは一切ないと。ないというのであれば、その担保を示していただきたい。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 これはそう難しいことではないと私は思います。それはどういうことかといいますと、今回の事態に対応するために要員増をやってみたり、あるいはブースを拡大してみたり、さらにはウインドーマシンを増設してみたりというようなことで、明らかに従来のルーチンの仕事以上のいろんなマンパワーあるいは施設というものが必要となっております。

 したがいまして、そういう新たに調達をしなければならないそういうものについての費用は、これはルーチンのいろんな費用と分別するということはそれなりに可能だと私は考えているわけでございます。

小池晃君

 いや、だったらね、おかしいですよ。新たに使う部分については税だということであって、消えた年金問題の解決は全部税でやるというのと違いますよ、今のは。だって、そうじゃないですか。それは切り分けできないんですから。だから、今みたいに消えた年金問題については保険料は使わないんだというような私宣伝はやめるべきだと。新たにこの追加費用で、例えば人員をふやすとか施設を増やす分だけなんだということだけで正確に言っていただきたいと思いますが。

 さらに経費についてお聞きしたいんですけれども、社会保険業務センターの三鷹庁舎、これ三年前にも私質問をしておりますが、これはNTTデータのビルを間借りしています。家賃として毎月幾ら支払っておられますか。

政府参考人(青柳親房君)

 三鷹庁舎の借料、平成十七年度は月額で九千六百万円、十八年度は月額で九千二百万円でございます。なお、十七年度におきまして、いわゆる従来のデータ通信サービス契約からこれを切り離しまして賃貸借契約に変更しております。

小池晃君

 これね、三年前に質問したときは一億二千万円だったんですよ、月の借料が。それが減ってはいるんですね。じゃ、何でこれは、その分は本当に言葉は悪いけどぼられていたのかというふうにも言いたくなるんですが。しかし、それにしても九千万円、これは相場から見ても非常に高い家賃だというふうに言われております。こうした巨額なお金が年金保険料からNTTデータやあるいは日立といった企業に流れている。

 こうした巨額な費用が支払われているNTTデータの関連企業あるいは日立の関連企業に、過去、社会保険庁の職員が一体どれだけ天下りをしているかお示しいただきたい。

政府参考人(清水美智夫君)

 国家公務員の退職後におきます再就職の状況は、公務を離れた個人に関する情報でございます。一般に政府が把握すべき立場にはございません。公表関係でも申し上げますと、NTTデータあるいは日立というところに就職した者が、平成十三年十二月の閣議決定に基づきます再就職状況の公表についてというものの中に表れるかということを見てみますと、それに該当する者はおらないわけでございます。

 また、国家公務員法百三条三項に基づいての営利企業への再就職の承認とされたもののうち、両社いずれかに就職した者がいるかという点を御説明しますと、それはないということでございます。

小池晃君

 全くここを明らかにしないわけです。

 そこで、私ども調べたものを二枚目の資料に入れております。

 三年前の当委員会で私が指摘をし、これは当時の青柳運営部長も認められたのが四名、谷口正作、ちょっと敬称略でいきます、これは元社会保険庁次長でNTTデータの常務取締役をやっておられました。ちなみに、この方は国民年金の紙台帳の破棄を市町村に指示した当時の社会保険庁の業務第一課長です。それから中山和之、厚労省の九州医務局長を務めた、NTTデータシステムサービスの常務取締役です。新飯田昇、厚生省大臣官房付、社会情報クリエイト専務取締役、これNTT関連です。中田悟、読み方はちょっと間違っているかもしれませんが、社会保険庁運営部保険指導課長、社会情報クリエイトの常務取締役をその後やりました。以上四名は、三年前の当委員会で、答弁で政府も、私が指摘をしたらそれは事実ですと天下りを認めております。

 それに加えてお聞きをしたい。

 萩原昇、葛原康次郎、浅岡純朗、小寺俊弌、伊藤正秀、松沢藤夫、栃谷喜正、中村治、以上の人物が過去厚生省及び社会保険庁に在籍した事実があるか、及びNTT関連企業にその後就職した事実があるかどうかを確認をします。

 まずそれを答えてください。

政府参考人(清水美智夫君)

 御指摘の萩原昇、葛原康次郎、浅岡純朗、失礼します、名字だけで申し上げます、小寺、それから伊藤、松沢、栃谷、中村という者が社会保険庁に在籍したかということについては、在籍しておったわけでございます。

 なお、これらの者の退職後におきます再就職の状況、情報は、一般に政府が把握する立場にないというために承知はしてございません。

小池晃君

 今言った八名は全員厚生省及び社会保険庁に在籍をしておりました。資料にすべて最終役職名も入れておきました。これら全員はNTTデータ及びNTTデータシステムそして社会情報クリエイトにその後就職をしているということが社会保険庁の内部で出している名簿から明らかであります。確認をいたしました。

 それに加えて、虎忠男、青野修一、笠田稔、以上の人物が過去厚生省及び社会保険庁に在籍した事実があるか、及び日立公共システムサービスにその後就職したという事実があるかどうかを確認します。

政府参考人(清水美智夫君)

 今御指摘ございました三名につきましては、社会保険庁に在籍していたことがございます。

 また、それらの者の再就職の状況につきましては把握してございません。

小池晃君

 この三名はその後日立公共システムサービスに就職をしている、天下りをしているわけであります。こういう癒着の構造があるわけですよ。社会保険庁からNTTデータあるいは日立公共システムサービスにこれだけ大量に、現在まだいるかどうかというのは全部確認できていませんが、ここに就職した事実は、これは間違いない事実としてございます。こういう構造がある。

 そこで、お聞きしますが、社会保険庁が日本年金機構になったという場合に、天下り規制というのは今後どうなっていくんでしょうか。

政府参考人(清水美智夫君)

 日本年金機構から民間への再就職がどうかというお尋ねかと存じますけれども、日本年金機構は公務員に関する規制は及ばないわけでございます。

 私どもは、日本年金機構におきましては中央省庁とは違うのではないか、幹部職員に早期退職慣行がある中央省庁とは違うのではないか、したがって、まじめに働く職員は能力に応じて定年まで勤務を可能とすることによりまして、押し付け的あっせんといったことの必要のないようになるものと考えておりまして、また、日本年金機構の発注業務、これ現在、原則競争入札や企画競争ということにするなど透明性高めるということによりまして、やはりこれによりましても押し付け的あっせんの土壌が生じないようにすることができると、このように考えてございます。

小池晃君

 社会保険庁が日本年金機構になったら押し付け的あっせんの土壌が手品のように消えるなんてだれも信用しませんよ。

 大臣、今ですら、社会保険庁の段階ですらこういう事実はこちらが調べなければ明らかにならない。今後更にこれが、日本年金機構になれば、もう正に真っ暗やみになっていくわけですね。

 大臣、私調べたこの事実、この表をごらんになって、こういうふうに社会保険庁の職員が、正に巨額のお金が行っているわけですよ、保険料から。そういう企業にこれだけ大量に行っているという、こんなことが許されると思いますか。これ見てどういうふうに思われますか。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 日本年金機構になりまして後につきましては、今、清水総務部長から答えがございましたように、一つは、幹部職員について早期退職慣行が中央官庁と違ってなくなる、それからあわせて、機構の発注契約につきましては原則競争入札をするなど透明性を高める、こういうことがありますので、言わば癒着的なあっせんをする土壌というものはないというようにするということでございます。

 しかし、私といたしましては、これは何らかの規制、現行の公務員程度の規制というものについて今後検討をしていかなければならないと、このように考えます。

小池晃君

 こういう関連企業から、もう一つあるのは、自民党国民政治協会に政治献金が行っているわけですよ、企業献金が。これ九八年に保険料がシステム経費に使われるようになってからだけの数字を見ても、調べてみますと、日立製作所から二億二千百九十六万円、自民党国民政治協会に企業献金行っています。NTTデータは、〇五年分だけが判明しましたが、五百万円行っています。保険料も含めて、国民の負担が一兆四千億円企業に流れている。その企業に厚生労働省、社保庁から天下りをしている。そしてそういう企業から自民党に巨額の企業献金が流れている。正に年金利権に官僚もそして企業も群がり、そして保険料が政治献金の形で自民党に還流しているんじゃないですか。こういう構造をこのままにしておいていいのか。

 今、何か大臣の給料を戻すのか戻さないのかという話が出ていますが、私、これだけ大問題になっているのであれば、これだけ保険料還流した企業から私は政治献金全部返すと、当然のことじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか、自民党の幹部、政治家としてお聞きします。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 私は現在は自民党の役職には就いてはおりません。現在は厚生労働大臣として職務に精励をいたしております。

 その上で、政治献金のことについてでございますが、これは政治資金規正法にのっとって適正に処理をされているということだと考えます。

小池晃君

 私は、これだけ国民がこの問題に怒りを上げているときに、こういう構造が白昼堂々まかり通っているということに本当に怒りを覚えるし、私は、政党、政治家の責任が厳しく問われているということを申し上げておきたいというふうに思います。

 それから、三千件のサンプル調査の問題について一つだけ指摘をしたいんです。

 これは無作為で各地の社会保険事務所の特殊台帳を抽出した結果だというんですが、これ見ますと調査結果が極めてばらつきがある。例えば、これ大阪を見ますと、大阪では二十一の社会保険事務所がありますが、不一致がゼロ、全部きれいに一致している。ところが一方で、十件中九件が不一致だとか八件が不一致だという事務所もたくさんあるんです。私、この結果見ただけで、これが統計的に信憑性のあるものと言えるのか、果たして無作為調査だと言えるのか。

 この比率が数千万件のその実態を考えるサンプル調査であるとすれば、私、大臣、この実態を見れば極めて信頼性に欠けると言わざるを得ないと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 この特例納付の台帳との、オンラインとの突き合わせの問題は、(発言する者あり)失礼、特殊台帳とオンラインの基礎年金番号等との突き合わせは、これはもういずれ悉皆的に行うということでございますので、これ自体について今我々そんなことを考えておりませんが、それについてはいずれ、突き合わせの結果、このオンラインの記録について訂正すべきものは訂正されるという事態であるということでございます。

小池晃君

 極めて不十分だと、これで全体の傾向を把握することは到底できない、信頼の置けない調査であるということを申し上げたい。やるのであれば、一定の事務所丸ごとやるとか、あるいは、昨日視察に行った東京であれば、東京都内全部まとまっているんですから、それをまとめて調査するとか、そういう調査をすべきだということを申し上げます。

 終わります。

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