そのファイルを出していただきたい。だって、その中に全部書いてあるんでしょう。だって、おかしいんですよ。だって、そのマイクロフィルムに入っていたものはそこでもう固まるんだから。いろいろ処理してもそれはマイクロ残るんですって説明していたんだとすれば、新規裁定すれば減っていくというさっきの説明は全然おかしい。ここでははっきり千七百五十四万、マイクロフィルムに入っているというんだから。これは、千四百三十万というのが果たして、これ崩れてくる可能性もあるわけですね。これは、先ほどのマイクロフィルム化の際に撮影不良となった資料の数も含めて、今、あなた、そこでうろうろうろうろ持っているそのファイルを全部国会に出してください。そうしないと議論ができません。委員会に、是非後で検討していただきたい。
それからさらに、この三十年史の中に、なぜその読み間違いが起こったのかのなぞ解きのようなことがちゃんと書いてあるんですよ。これ、厚生年金で氏名をどう処理したのか。こう書いてあるんですね。
昭和三十二年当時では、まだ仮名文字は機械処理ができる状態ではなく、パンチカードシステムでは氏名の表し方をどうするかが問題になった。また、漢字氏名は読み方が不規則であり、統一できないため、漢字そのものにコードを設定し、同じコードで処理できるようにした。通常、氏名に用いられる七千五百六十字について、それぞれ四けたの固定数字の符号を設定したと書いてあるんです。実例として、ここでは島崎藤村とか樋口一葉とか書いてある。島崎藤村だと、島が三千八百、崎が三千四百五十一、藤村の藤が七千八百五十四、村が八千六百十八という実例が書いてあるんですね。このように漢字氏名を数字符号化、一度したというんです。これが五千四百万件あるんですね。
ところが、これを昭和五十年代に仮名文字に置き換えたわけです。漢字仮名変換辞書を開発して、これによって数字符号化、漢字氏名を仮名氏名に置き換え、仮名氏名を収録したと書いてあるんです。これが原因じゃないですか。こういうやり方をすれば、当然、島崎藤村であれば、これはシマサキフジムラ、こういうふうになるでしょう。樋口一葉だったら、ヒクチイチハとか、そういうふうになるんじゃないですか、こんなやり方をすれば。正に、五千万件の宙に浮いた記録の原因のかなりの部分、これ、はっきりここに書いてある。
重ねて言いますが、これ、内部文書でも秘密文書でも何でもないですよ。皆さん、これ、出版されているんですよ、非売品ですけれども。この中にちゃんと書いてあるじゃないですか。何でこんなことを今まで、あなたね、答弁で、仮名の間違いについてそんなこと聞いたことがございますとか言っていたけれども、ちゃんとこの中に書いてあるじゃないですか。何でこんなことを今まで説明しなかったんですか。