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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

166通常国会 厚生労働委員会 社会保険庁解体・民営化法案および年金時効特例法に関する質疑

  • 年金記録方式に欠陥/庁史もとに小池氏指摘/「宙に浮く」からくり判明(関連記事)
2007年6月12日(火)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 年金記録のことについてお聞きをしますが、千四百三十万件の記録について、これはオンラインに収録されていないということであるわけですが、昭和二十九年四月一日以前に取得をして、同日前に喪失をして、昭和三十四年三月三十一日まで再取得をしていない、この台帳だという説明でした。これは要するに、もうその固定した数字で変化しないと、要するに、いろいろ作業することによって減ったり増えたりという経過ではなくて、これもう千四百三十万という数字で経過しているものであるというふうに理解してよろしいんですか。

政府参考人(青柳親房君)

 千四百三十万については、先ほど委員からもお話がございましたように、二十九年四月一日前資格喪失であり、三十四年四月一日以降に再加入しなかったという、二十九年四月一日前資格喪失の記録ということで整理をされているものでございますので、もちろん、その方々の記録の中でその後、資格を取得した方々については、例えばその後の記録を、五千万の方でこの取得をするとかということはございますが、すべてこの方々の記録についてはマイクロフィルムで保存し、かつ、その方々の記録がマイクロフィルムで保存されているということを、電磁的に被保険者番号と、それからその被保険者番号に付随をしたいわゆるマイクロフィルムのカセット番号で管理をしていると。

 そういう意味では、その数は変更がないというふうに御理解いただきたいと思います。

小池晃君

 変更がないということなんです。

 ところが、ここに私、持ってまいりましたのは、社会保険庁の年金保険部の業務第一課と第二課が発行した三十年史という本なんですね。この中に何と書いてあるかというと、昭和二十九年四月一日以前に取得をして、同日前に喪失し、昭和三十四年三月三十一日まで再取得していないものの台帳、同じですね、約千七百五十四万件についてはマイクロフィルムに収録して管理することにしたという記載があるんです。千七百五十四万件というのは一体どういう数字でしょうか。

 止めてください。止めてください、ちょっと。止めてください。

委員長(鶴保庸介君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(鶴保庸介君)

 速記を起こしてください。

政府参考人(青柳親房君)

 大変失礼いたしました。

 今委員からお尋ねのあった件数は、いわゆる旧台帳という形の千四百三十に、その後、磁気データ化をされたわけですが、念のためにマイクロフィルムとして保有しております三百二十四万件を足したものではないかと存じます。

小池晃君

 それ、ちょっと今の説明よく分からないんですけれども、だって千四百三十万がマイクロフィルムだと言っているわけでしょう。そのほかに磁気テープ化されたものも旧台帳の中にあったということなんですか。

政府参考人(青柳親房君)

 これがその後、年金裁定に結び付いたものがございまして、それが磁気テープの中に入っておるわけですが、それがマイクロ化、念のために残したものがあって三百二十四万件あると、こういう意味でございます。

小池晃君

 だって、おかしいじゃないですか。マイクロフィルム化したものは、処理した後もマイクロフィルムのままで残っていたとさっき答弁したでしょう。それは変わらないんだと言ったわけじゃないですか。変化するというのはちょっとおかしいですよ。これ私、徹底的に調べていただきたい。

 何でこういう数字が我々が指摘しないと出てこないのかという問題ですよ。だって、千七百五十四万というのはちゃんと活字になっているんですよ、これ。こういうことを国会で指摘するたびに新しい数字が次から次へと出てくるわけですよ。実は、マイクロフィルム化されていたのは千四百三十万でなくて千七百五十四万件だとすれば四百万増えるということになるわけでしょう。こういうでたらめなやり方はやめていただきたい。本当のことを言ってほしいんですよ。そうしないと、まともな議論できないじゃないですか。

 しかも、この記録の中には、例えばマイクロフィルム化の際には撮影不良となった台帳が七万六千件あるという記載もあるんですよ。これはどうなったんですか。この七万六千件はどこか行っちゃったんですか。

 ちょっと止めてください。

委員長(鶴保庸介君)

 速記をお止めください。

  〔速記中止〕

委員長(鶴保庸介君)

 速記を起こしてください。

政府参考人(青柳親房君)

 大変失礼いたしました。

 ただいま委員から御指摘のありました七万六千写らなかったものというのは、確認をいたしましたところ、本来、マイクロフィルムという形で残すべきであったものがマイクロとしてきれいに写らなかったと。したがいまして、マイクロフィルムという形での保存を行わずに、磁気テープの方に改めてパンチをして入力をし直したものというふうに今確認ができました。

小池晃君

 もうまるで迷宮の世界ですよ、これ、本当。質問するたびに新しい数字出てくる。

 今、そこ、ファイル持っているでしょう。そのファイルを国会に出してくださいよ。それで説明しているんだったらそこに全部書いてあるんでしょう。駄目だよ、それ出してください、そのファイルを出すようにちょっと要求します。よろしいですか、部長。

委員長(鶴保庸介君)

 理事会で協議をいたしたいと思います。

小池晃君

 そのファイルを出していただきたい。だって、その中に全部書いてあるんでしょう。だって、おかしいんですよ。だって、そのマイクロフィルムに入っていたものはそこでもう固まるんだから。いろいろ処理してもそれはマイクロ残るんですって説明していたんだとすれば、新規裁定すれば減っていくというさっきの説明は全然おかしい。ここでははっきり千七百五十四万、マイクロフィルムに入っているというんだから。これは、千四百三十万というのが果たして、これ崩れてくる可能性もあるわけですね。これは、先ほどのマイクロフィルム化の際に撮影不良となった資料の数も含めて、今、あなた、そこでうろうろうろうろ持っているそのファイルを全部国会に出してください。そうしないと議論ができません。委員会に、是非後で検討していただきたい。

 それからさらに、この三十年史の中に、なぜその読み間違いが起こったのかのなぞ解きのようなことがちゃんと書いてあるんですよ。これ、厚生年金で氏名をどう処理したのか。こう書いてあるんですね。

 昭和三十二年当時では、まだ仮名文字は機械処理ができる状態ではなく、パンチカードシステムでは氏名の表し方をどうするかが問題になった。また、漢字氏名は読み方が不規則であり、統一できないため、漢字そのものにコードを設定し、同じコードで処理できるようにした。通常、氏名に用いられる七千五百六十字について、それぞれ四けたの固定数字の符号を設定したと書いてあるんです。実例として、ここでは島崎藤村とか樋口一葉とか書いてある。島崎藤村だと、島が三千八百、崎が三千四百五十一、藤村の藤が七千八百五十四、村が八千六百十八という実例が書いてあるんですね。このように漢字氏名を数字符号化、一度したというんです。これが五千四百万件あるんですね。

 ところが、これを昭和五十年代に仮名文字に置き換えたわけです。漢字仮名変換辞書を開発して、これによって数字符号化、漢字氏名を仮名氏名に置き換え、仮名氏名を収録したと書いてあるんです。これが原因じゃないですか。こういうやり方をすれば、当然、島崎藤村であれば、これはシマサキフジムラ、こういうふうになるでしょう。樋口一葉だったら、ヒクチイチハとか、そういうふうになるんじゃないですか、こんなやり方をすれば。正に、五千万件の宙に浮いた記録の原因のかなりの部分、これ、はっきりここに書いてある。

 重ねて言いますが、これ、内部文書でも秘密文書でも何でもないですよ。皆さん、これ、出版されているんですよ、非売品ですけれども。この中にちゃんと書いてあるじゃないですか。何でこんなことを今まで、あなたね、答弁で、仮名の間違いについてそんなこと聞いたことがございますとか言っていたけれども、ちゃんとこの中に書いてあるじゃないですか。何でこんなことを今まで説明しなかったんですか。

政府参考人(青柳親房君)

 大変失礼をいたしましたが、私も実は何かその基になるデータはないかということで私なりにいろいろ探させていただきました。ただいまの小池委員の御指摘されたものとはちょっと出典は違うようでございますが、やっと本日見付けてきたものによれば、二つ、その仮名文字の入れ方について、こういうことだったようであります。

 一つは、まず昭和五十四年八月現在で現存者、すなわち被保険者である方々については、その方々の算定基礎届、これは毎年定期に被保険者の届出を出していただくわけですが、これを借り上げてその仮名氏名を電子化したという作業を行ったということが分かりました。すなわち、現存の被保険者の方については恐らく正しい仮名氏名が入れられたんじゃないだろうかというふうに思います。

 また、今お話のございましたことと恐らく符合すると思いますが、その時点で現存ではない、すなわち資格を喪失していた方々につきましては、五十四年の七月の段階で仮名変換辞書というのが完成したので、これにより仮名氏名を変換して資格マスターへの収録を行ったということでございますので、これについては、先ほどちょっと御指摘がありましたように、正確ではない仮名が収録された可能性があるんではないかと認識しております。

小池晃君

 今日分かったなんか、噴飯物ですよ。大臣、こういうことをちゃんと記録しているんですよ、やり方を、社会保険庁の中で。何か職員がどうのこうのとか怠慢だとか言うけど、システムとしてこういう間違いが起こる構造をつくっていたのが社会保険庁じゃないですか、そして厚生労働省じゃないですか。そのことをはっきり記録をしてきたわけでしょう。

 大臣、こんなやり方で仮名文字変換すればだれのものか分からなくなるような記録になる、これだれが見たって分かりますよ。保険料を集めることだけは熱心にやるけれども、それをだれに返すのか、だれに支払うのか、全くむとんちゃくなやっぱり厚生労働省の姿勢というのはここにはっきり出ていると私は思うんです。

 大臣、こういうことを今までは一切国民に対して説明してこなかった。私は、このやり方がかなりの部分、今回の宙に浮いた記録ができた原因になっているんじゃないかと思いますよ。大臣、どうですか。こんなことが今まで説明されない。だけど、国会で私が取り上げたら、いや、今日分かりました。こんなやり方で国民が納得すると思いますか、大臣。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 小池委員はそういうようにいろいろ御指摘をされたことも事実ですし、それで私どもが新しい事実を明確にしたという面もありますけれども、しかしその方法論については、かねて青柳部長もこういうことを聞いたことがあるというようなことで正直にお話をしているわけでありまして、それが何か明確な書面に基づいた発言ではなかったんですが、青柳部長にしても、何か隠ぺいしようというようなことで言って、発言をしたということではありません。

 そこは、やはり正直に彼もこういうことは聞いたことありますよということで、委員の皆様にもこの発言を通じて、そのときちょっと失笑がそこで沸いたことも私、覚えていますけれども、そういうようなことで、やっぱり真実を申し上げるということについて何か欠くるところがあったかといえば、それはやっぱり彼が知り得ることを何でも、やや書面での根拠がないことでも彼は言及したということで、それは申し上げたいと思います。

小池晃君

 いや、そういうことじゃなくて、こういう事態になったことについてこれだけ議論になってきていたわけですよ。なぜこれだけ宙に浮いた記録が生まれたのかと、漢字の仮名、振り仮名振るとき間違えたんじゃないか、そういうことが議論になっているときに、ちゃんとこういう、これははっきりあれですよ、皆さんの内部でちゃんと三十年史としてまとめたわけですよ。そこにちゃんとそういうやり方書いているのにそれを一切出さない。野党が国会で質問したらば、ああそうでございますと。こんなやり方で議論ができるかと言っているんですよ。

 洗いざらい過去の数字も、さっきの千七百五十四万件も含めて全部出す。そしてこういう、これは正にあれですよ、個々の職員の問題じゃないということですよ。正に厚生労働省、社会保険庁のシステムの中から今回の宙に浮いた記録が生まれていたということじゃないですか。それについて説明しないで、野党から質問が出たらそれを渋々認める、こんなやり方ではもう議論進められません。私、これ重大だと思います。徹底的にこの間の経過について、これだけはっきりしているんだから、厚生労働省としてどういう経過で当時やられたのか、作業したのか、全部出してください。それから、先ほど持っていたあのファイルも全部出してください。そうしなければこの議論はこれ以上進められないというふうに申し上げたいと思います。

 それから、今日配付された三千件のサンプル調査についてもお聞きをします。

 私ども、昨夜九時ごろに問い合わせをしました。そうしたらば社会保険庁は知らないと答えた。ところが新聞には堂々と出ている。もう本当にこれも隠ぺいだと思いますね。

 先ほどいただいたもので、急ですが、もう通告できませんからもうそのまま質問しますが、社会保険事務所から十件ずつ無作為抽出して三千件選んだと言っています。これはだれがどんな方法で抽出したんですか。簡単に答えてください。

政府参考人(青柳親房君)

 こちらの方で統一的な方法は特に示しませんでしたが、確認したところ、事務所によって若干違いはありますけれども、例えばファイルになってあるようなところについてはそのうちの一番上にあるものを無作為に持っていったとか、リストになっているものについてはやっぱりそのうちの一番上のものを無作為に選出していったということで、無作為のやり方については若干事務所によって違いはあるようでありますけれども、特にこういう、こういったものということをルールを決めずに選んだものというふうに認識をしております。

小池晃君

 じゃ、無作為じゃないんじゃないですか。作為が入る余地が一杯あるんじゃないですか。

 しかも、このサンプル調査というのは特殊台帳とオンライン情報の照合だけですから、すなわちその特殊台帳というのは、特例納付の場合、あるいは一年間の中に未納やあるいは免除があるような特殊なケースだけのはずです。一年通じて納めた、要するにきれいな台帳はこれは全部破棄しているわけですね。だとすれば、今回の調査では、一年間きちんとまじめにこつこつ保険料を納めた、だけれどもオンライン情報にはそれは残っていないという場合は最初から調査対象から外されている、間違いないですね。

政府参考人(青柳親房君)

 きれいなものについては調査の対象になっておりません。

小池晃君

 だから、これだけじゃ間違いの調査にならないんですよ。

 それから、結果も出されました。先ほど、保管ありの自治体が千六百三十六自治体だという回答です。しかし、この保管ありかなしかじゃなくて、一体どこまで保管しているのかが問題なわけです。そもそも保存義務期間は五年間だったはずです。市町村から徴収義務が移管されたのは二〇〇二年ですから、これはぎりぎり五年なんです。それ以前のものは破棄されている可能性が極めて高いんじゃないか。だから、今回の保管あり、あるいはなしということしか聞いてません。どこまで保管しているのか、一部保管なのかそれとも何年も保管しているのか、それは全く分かりませんね。とにかく一年分でも保管していれば保管あり、そういう回答ですね。

政府参考人(青柳親房君)

 それぞれの自治体の中で、特に自治体の合併等も進んでおりますので、正にどの部分が保管されているかということについては今後確認させていただきたいと存じます。

小池晃君

 だから、保管ありが千六百三十六というのはほとんど何の慰めにもならないんですよ。一年分ぐらいの可能性もあるわけですね。

 保管状況を調査するのであれば、保管しているかどうかだけではなくて、いつごろの記録まで保管しているかまで調査しなければこれは意味がないはずであります。直ちに調査していただきたいと思いますが、いかがですか。

政府参考人(青柳親房君)

 いずれにいたしましても、それぞれの市町村においてどのような形でどのくらいのものが、ただいま委員のお尋ねのあったものも含めて、保存されているかについては引き続き確認作業をさせていただきたいと思います。

小池晃君

 そんなのんべんだらりとした話じゃないんだよ。すぐに調べなさいよ。これで保管しているかどうかなんという調査結果ですなんて言える代物じゃないんですよ、これは。全く無意味だ。直ちにいつの時点まで保管しているのかの緊急調査をしていただきたい。

 それから、あわせて、この調査のほかに社会保険庁では、国民年金、厚生年金の被保険者台帳について、マイクロフィルム化したもの、それから紙台帳のままに残っているものについての調査も行っていると聞いていますが、これは事実ですか。

政府参考人(青柳親房君)

 既にお約束をしておりますように、台帳とそれからオンライン記録の突合というものをこの記録問題の一連の取組ということでやらなきゃいけないということになっておりますので、私どもは、そのための作業として、全体像を把握する今ことについて作業中でございます。

小池晃君

 作業をしているんだったら、ちゃんとそれは言いなさいよ。こうやって国会で指摘しなければ、作業をしていることすら我々には言わないでしょう。このことを気が付かなければこの結果がどうなっている、これ五月三十一日まで締切りでやっているんでしょう。この結果を出してくださいよ。

 こういうやり方が、大臣ね、これだけ大問題になり議論しているときに、何を調査、もうこっそり調査をしている。我々がこういうふうに指摘しなければ、こういう調査をやっているということすら明らかにしない。五月三十一日の締切り終わったのにその内容すら明らかにしない。こういうやり方で大臣、国民が納得すると思いますか。今やっている調査について全部何をやっているのか、これを明らかにする、そして調査結果もすべて明らかにする、当然のことだと思いますが、いかがですか。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 小池委員からいろいろ御指摘をいただきました。

 まず、特例納付の記録とオンラインの記録との突合でございますけれども、これは衆議院の方でございますけれども、衆議院厚労委員会の委員の提案に対して私がやってみますということをお答えしたことに端を発して、今回こういう調査をやらせていただいたということでございますので、全部きれいに納付されているものというのは、そういうものとの突合ではなくて、この特例納付の記録との突合をしたらどうかと、こういう御提案を受けての話であるということで、ここは御理解をいただきたいと思います。

 それからまた、私どもは新しい取組の中で、オンラインの記録がその言わば元資料になったすべての資料と突合するということを、これをやりますということを申し上げてきたわけでございます。したがって、その元資料になったいろいろ手書きのものであるとか、あるいはマイクロフィルムに取られてあるものとかというものについては当然照合する資料というもので、これは必要でございますので、これがどのような、今どこにどの程度どういう資料があるかというのは当然これはまず第一に調べて、調べなければならないことでございまして、何もこれは隠し立てをするようなことではありません。

 いずれにいたしましても、私は、基本的に今回のこの年金記録の問題については、私どもの行う調査についても適時適切に国会にも御報告をしなければならない、公表申し上げねばならない、このように考えて取り組んでおります。

小池晃君

 いや、それは特殊台帳と照合したというのは野党の要求でやっている、それは分かるんですよ。ただ、じゃ、この数字が間違いの比率を示すものかというとそうじゃないでしょうと。これはあくまで特殊台帳の、非常に特殊な、一部未納、一部免除という人たちのデータとオンラインがどれだけ合致しているかということになるけれども、何かこれがあたかも全部の資料が正確かどうかの指標に、何%だから全部に当てはめるとどれだけだという話にならないでしょうと言っているんです。そのことを私は指摘をしたんです。だから、これでは実際に払ったかどうかの、特にまじめにきちんと払った人の記録がどれだけ間違いなく記録されているのかの調査にはなっていないという事実を私は指摘をしたんです。

 それから、今お答えにならなかったけれども、いろんな調査をやられているんであれば、だから、きちっと今何を、調査やっているのであれば、何を調査しているのか、これを明らかにしていただきたい、そして、その結果を国会に報告をしていただきたいと言ったんです。答えてください、それはやっていただけますね。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 いろんな調査をしているという委員の御発言でございますが、私が申したのは、我々の新しい対応策の中に、オンラインの記録とその元資料になった紙の台帳、手書きの台帳、それからまた市町村の名簿、さらにはマイクロフィルムに収録されているもの、こういうようなものを突合しますと、今後、突合しますということはもうはっきり申し上げているわけです。

 したがって、その相手になるものをオンラインとの突合の対象になるものというのは、当然我々はあらかじめ全貌をつかんでおかなければ、仕事だって手戻りが起こるわけです。あそこにもあった、また出てきたっていったらまたオンラインでやらなきゃならない。ですから、これはもう全貌をきちっと把握をして、ほかにもうないなというところまできっちりして初めて作業が始まるということでございまして、そういうことは当然、私どもとして何も隠し立てをすることではなくて、調査をしているということで御理解願えると思います。

小池晃君

 いや、だからそのとおりですよ。それはやって当然でしょう、全貌を把握する調査。だから、その中身、今何を、全貌を調査するためにどういう調査をやっているのかを国会に対してきちっと報告をしていただきたいと言っているんです。(発言する者あり)何で必要がないんですか。それは非常に重要な情報じゃないですか。それ、そういうのを一切隠して都合のいい数字だけぽっと出してくる、こういうやり方では国民は納得しないと申し上げているんですよ。これでは駄目です。

 それから、今社会保険事務所に問い合わせが殺到して窓口が大混乱しているということが連日報道されているわけですね。やっぱりこれは本当に何とかしなきゃいけない問題だというふうに思います。最後、その問題。

 やっぱり緊急のいろんな体制も必要だろうと思います。この点について大臣にどういうことを考えておられるのかお聞きしたいのと、私は……(発言する者あり)何を言っているんですか、不安をあおるんじゃないでしょう。ちゃんとした情報出さないからこういうことになるんでしょう。国会で野党が指摘しなければ何も言わないような体質があるから国民が不安に思ってるんじゃないですか。与党は自分に、天につばですよ、それは。

 大臣、今本当にみんな不安に思っているんです。すぐにやれることとして、私、こういうことはどうなのかと。例えば、今の対策のままでは恐らく突合作業しても来年の夏ぐらいまでは国民の元には何のお知らせも行かないということになるわけですよ。これだけ混乱、不安が広がっているんだから、やっぱりすぐにできることとして、すべての加入者、受給者に、あなたの納付記録はこうですと、こうなっていますということを直ちに知らせる、やっぱりそういうことぐらい検討しないと、これだけ不安が広がっているときに、私は、これはすぐできるはずです、いろんな作業抜きに。今、まあそれはすぐっていったって一週間、二週間じゃできません、一定の時間掛かるかもしれないけれども、でもやっぱりそういうことをして、とにかく、今国民の不安にこたえる、政府が持っている情報を提供する、このぐらいのことやったらどうかと思うんですが、今対策として考えておられることと併せて、そのことについてのお考えをお聞きしたい。

 ちょっといいよ、大臣でいいよ。あなたいいよ。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 被保険者、それから受給権者の年金加入記録というものが、私も実はそんなものはそろっていてすぐにでも国民の皆さんにお知らせできるかと思ったんですが、そうでないということでございますので、それは後でちょっと説明させます。

 今私が一番何といってもやらなきゃならないというのは、国民の皆さんの中で、やっぱり不安だ、あるいは確かめておきたいと、こういう言わば相談、あるいは窓口での相談、さらには電話での相談というものに対して、本当にもうできるだけの容易さでもってそういうことのコンタクトをして、そしてお答えをすると、こういうことが最も大事だというふうに思っております。

 そういうことのために、今事務次官以下、NTTと接触をして、できるだけの回線、それから地方の回線も同じ番号からすぐつながると、空いていればつながるというようなことの装置を、あるいはその手配をしてもらえるということで、とにかくできるだけの回線数を確保して、国民の皆さんからの架電に対して、呼び掛けに対して、それに応答できるような、できるだけたくさんの回線を用意して応答できるような体制をつくりたいということで目下取り組んでいるということでございます。

小池晃君

 もう別にいいです、答弁は。官僚の皆さんができないと言ったことは実はできると、知らないと言うことは実は知っているということではないかとしか思えないようなこの間の経過ですから、もういいです。

 やっぱり、本当にこの問題は本当に不安が広がっている。しかし、前提として、やっぱり真実を明らかにしなきゃいけない。全貌をしっかり国民に示すというのは私、政治の責任だと思うんですよ。その点で、前提としてきちっと事態がどうなっているのか、この全貌をしっかり示していただきたい。隠している数字は全部出していただきたい。隠している過去の歴史、記録、やり方、方法、すべて出していただきたい。そこから本当に議論が始まるんだと。やっぱり対策としては、本当にこれは国民が不安に思っているんだから、みんなで知恵出して一歩でも解決しなきゃいけないというふうに思いますが、その前提として、本当に事実を明らかにする、そのことなしには議論は進まないということを申し上げて、質問を終わります。

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