私は、日本共産党を代表して、雇用保険法等の一部を改正する法律案の原案及び修正案に反対の討論を行います。
反対する第一の理由は、雇用保険への国庫負担の五割削減によって、制度への国の責任が大きく後退しているからです。
そもそも、失業給付への国の責任は、勤労権を保障した憲法二十七条に根差しています。大企業のリストラや非正規雇用の拡大など、深刻な雇用情勢の下で国の役割はますます重要です。二兆九千億円の積立金に示された雇用保険財政の好転は、委員会論議でも明らかになったように、前回改定による保険料率の引上げや給付額削減、受給期間の縮小の結果であることは明白です。本来なら、給付の拡充とともに、除外されている一千万人を超える未加入者への対策こそ求められており、国庫負担の削減など言語道断であります。
反対の第二の理由は、被保険者の受給資格に新たな差別を持ち込み、今まで六か月で受給できた権利が奪われることになるからです。
既に自己都合離職には給付制限期間三か月が課せられている上、前回改定で給付にも格差が付けられました。今回の改定は、この上、新たに資格要件まで差別化するものです。循環的給付や安易な給付を防止するという改定理由も、具体的根拠を一切示せないままでした。
反対の第三の理由は、本日質問した積雪寒冷地の被保険者等への特例一時金の削減です。
この制度は、冬期に仕事のない季節労働者の命綱であるにもかかわらず、通年で働ける措置がないままに削減が進められており、季節労働者の生存権が脅かされています。
さらに、雇用福祉事業三事業についても、今回廃止される五十二施策の中には、看護師等雇用管理研修助成金や出稼ぎ労働者の健康診断などに対する地方への補助や小規模事業所の雇用保険事務代行への助成制度が廃止されるなど、雇用福祉制度の後退があります。
育児休業職場復帰給付金の引上げは改善ですが、基本手当の算定基礎日数から育児休業期間を除外することは賛成できません。
そもそも、本法案は雇用保険制度の根幹にかかわる重要な法案であるにもかかわらず、日切れ法案扱いということで、十分な質疑時間の確保や参考人質疑も行われず、このような短時間の審議で採決すべきものではありません。
法案成立前の文書配付についても、国会軽視として厳しく抗議をいたします。
以上指摘をして、私の反対討論とします。
午後/雇用・労働等に関する一般質疑