「自立支援」
法施行で施設報酬激減
小池議員 単価引き上げ要求
日本共産党の小池晃議員は二十二日の参院厚生労働委員会で、四月施行の障害者「自立支援」法について質問しました。小池氏は障害者施設などが受け取る報酬額が激減することで施設の運営が困難になり、結果として障害者へのサービスが後退する問題を取り上げ、報酬単価の引き上げを求めました。
四月から施設が受け取る報酬は、月払いだったものが日払いに変更になります。施設が開いている日のうち障害者が通う日数は、知的障害者の施設で約八―九割、身体・精神障害者の施設で五―六割というのが実態です。このため日払いになっただけでも施設は年間二割程度の減収になります。
さらに新しい報酬体系のマイナス分も加えると、小池氏の試算で、定員四十人の知的障害者の通所授産施設で収入が三―四割(年間約三千万円以上)もの大幅な減収となります。
小池氏は「事業者は事業の撤退さえ考えなければいけない水準だ。厚労省は一貫して“サービスの質は低下させない”と言ってきたが、審議の際の約束はどうなったのか」と追及。厚労省の中村秀一社会・援護局長は「新体系の移行先をどう考えるかで相当違ってくる。報酬額が上回る場合もありうる」と述べましたが、小池氏の試算は否定できませんでした。
「自立支援医療」では、「重度かつ継続」的に医療が必要な患者には負担を軽減する措置を取ります。その範囲が精神通院医療は広がったのに、育成・更生医療は限定されています。小池氏は、去年の法案審議のとき厚生労働相が育成・更生医療についても「急いで検討を進める」と言っていたことを挙げ、「ただちに検討会を再開せよ」と求めました。
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