高齢者医療3割負担
対象、112万人超
小池氏 “一部の問題でない”
七十歳以上の高齢者が病院にかかるさいの窓口負担が、一定以上の所得者は現行の二割から三割に引き上げる問題で、その対象者が百十二万人を超えることがわかりました。
十九日の参院厚生労働委員会で、三割負担導入を検討している厚労省に日本共産党の小池晃議員がただしました。
小池議員は、「百万人以上が三割負担になることを考えると、決してひとにぎりの高額所得者だけの問題ではない」と述べ、受診回数が多くなる高齢者の特性からも現役世代と同じ負担は許されないと批判しました。これについて尾辻秀久厚労相は、「一定以上の所得者の自己負担は、公平な負担と現役世代とのバランスを含めて議論がある。現時点で、引き上げを決めているものではない」と述べました。
小池氏はまた、厚労省が「医療改革」として検討している新たな保険料負担についても質問。被用者保険の被扶養者として保険料を払っていない六十五歳以上七十四歳未満の前期高齢者から、新たに保険料を徴収することは「年金削減などでくらしが悪化しており、負担増は許されない」と述べ、厚労省の考えをただしました。厚労省は、「(対象となる被扶養者は)十九年(二〇〇七)度では百七十万と推計される」(水田邦雄保険局長)と明らかにしました。
▼高齢者の窓口負担 病院や診療所で現役世代の患者が窓口で支払う自己負担は、原則、医療費の三割となっています。七十歳以上になると一割負担で、一定所得以上の場合は二割負担となっています。厚労省はこれを三割負担にすることを検討。対象となるのは、税制上の控除を除いたあとの課税所得が年額百四十五万円以上(八月以降の基準)となる一定所得以上の高齢者で、高齢者夫婦世帯の年収で六百二十一万円程度(厚労省調査)とされています。高齢者の単身世帯では年収四百八十四万円程度。
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