本文へジャンプ
日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

161 臨時国会 厚生労働委員会 質問

2004年11月9日(火)

  • 中越地震/健保医療の減免検討/小池議員要求に厚労相(関連記事

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 前回、最初に、時間切れとなってしまったちょっと中越地震の問題について幾つかお聞きをしたいと思います。

 一つ目は、被災地域の地域医療の問題なんですが、小千谷、十日町の病院の被害状況は前回お話ししました。小千谷総合病院、厚生連の魚沼病院、中条病院、県立十日町病院、こうした病院の状況に対するまず最初に認識をお伺いしたいのと、復旧のために公的な支援どうしても必要だと思うんですが、この点についてお聞きします。

 それから、二つ目はインフルエンザの対策ですが、当然安全性には留意しなければいけませんけれども、インフルエンザの流行を抑えるために希望するすべての被災者に無料で接種を行えるように災害救助法を活用すべきではないかと思うんですが、医政局長と、それから社会・援護局長にお伺いします。

政府参考人(岩尾總一郎君)

 医療機関の被害の状況でございます。

 十日町、小千谷の地域の基幹病院、先生御指摘の病院ですが、外来診療については関係者の御努力でおおむね確保されていると聞いております。ただ、入院医療を中心に日常の診療に支障が生じているということです。

 このような大幅な支障を来している病院については、災害復旧に係る医療関係施設の補助の活用、先生御指摘の災害復旧事業がございますし、これ、ここにある病院はすべてこういうものに、補助対象になるというふうに考えておりますので、国として、この医療体制の迅速な再建を図って、適切な医療確保には努めていきたいというふうに考えております。

政府参考人(小島比登志君)

 被災者に対しますインフルエンザ予防接種の件でございますが、これにつきましては、阪神・淡路大震災におきまして、避難所に避難していた六十五歳以上の高齢者で希望する方に対しましてインフルエンザの予防接種を行いまして、その費用につきましては災害救助法に基づき支弁をしたところでございます。その後、平成十三年には、インフルエンザの予防接種は高齢者が感染した場合の重症化防止に有効であるとの医学的知見が確立していることを踏まえまして予防接種法が改正されました。この際、六十五歳以上の高齢者のうち生活保護世帯等につきまして、その経費が交付税措置されたところでございます。

 こうした経緯を踏まえまして、今回の新潟県中越地震におきましても、阪神・淡路大震災のときと同様、避難所に避難している六十五歳以上の高齢者及び六十歳から六十四歳で心臓、腎臓、呼吸器の機能等に一定の障害を有する方で希望する方に対しましてインフルエンザの予防接種が行われた場合には、災害救助法に基づきその支弁することとしてまいりたいと考えております。

小池晃君

 医療機能を確保するためには、前回大臣おっしゃったように、緊急の支援とそれから地域医療再建のための抜本的な手だてが必要だと思いますので、公的な支援を強くお願いしたい。

 それから、インフルエンザ対策については周知されていませんので、是非、災害救助法の対象になるというような連絡も出すこともしていただきたいということを要望したいと思います。

 それから、災害時に、医療費の負担の問題なんですが、国民健康保険の医療費の一部負担金及び保険料の減免それから介護保険料の保険料、利用料の減免は、法律上これはあって、これはそういう事務連絡も厚労省送られています。しかし、健保、社保については、これは法律上の規定がない。

 大臣にお伺いしたいんですけれども、阪神・淡路大震災のときは、これは特別措置として、健康保険でも医療費の一部負担金及び保険料減免措置取りました。今回も同様の規模の震災なわけですからやはり同様の措置を取るべきでないかと思うんですが、大臣の見解をお伺いします。

国務大臣(尾辻秀久君)

 まず、その理屈から申し上げますと、健康保険の場合は給与をもらっておられる方ですから、あくまでも給与は出るだろうというのを前提にして考えておるわけでありまして、こういう法律の組立て方になっているということをまず申し上げまして、しかし被害が非常に大きくなりますと、その給料がもらえるのかもらえぬのかというような話になってきて、今御指摘になりましたように阪神・淡路大震災のときには特別立法で措置したと、こういうことでございます。

 今度どうするかということでございますけれども、政府全体の方針に従って、今後、今政府全体で考えておりますから、その方針に従って必要な対応を検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

小池晃君

 これ、被災者の実態というのは国保も健保も同じで、しかも今は健保も三割負担になって阪神のときより負担増えているわけですから、政府全体の方針に従ってというより、やはり厚労省として積極的な提起もしていただいて政府全体の方針にするように是非御努力いただきたいと思うんですが、大臣もう一度、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 今お話しのようなことも考えながら、ということは、厚生労働省が主体的な立場を取りながらということも含めて政府全体で考えるということを申し上げたつもりでございます。

小池晃君

 是非やっていただきたいと思います。

 社会・援護局長と医政局長は退席していただいて結構です。

 労組法の今回の法改正の問題ですが、不当労働行為の審査期間長期化の解決を図るものであります。

 労働現場では、今業務請負や派遣の問題などでトラブルがどんどんどんどん増えて、今後も増えることが予想され、問題も非常に複雑になってくると思うんですが、この労働者側の立証や反論の機会が抑制される、これが大変懸念されるわけです。その点についてお答えをいただきたいというふうに思います。

政府参考人(太田俊明君)

 お答え申し上げます。

 今お話ございましたとおり、この不当労働行為の審査制度が迅速かつ的確に行われるためには、審査の過程におきまして事実認定に必要な主張、立証の機会が当事者に対して十分に保障されることが重要であると考えております。今般の改正法案におきましては、審査の迅速・的確化を図るために労働委員会は審問前に争点、証拠や証人数等を記載した審査の計画を作成することとしておりますけれども、その作成に当たりましては、法律上、当事者双方の意見を聴かなければならないとされているところでございまして、私ども、こういう規定も使いながら、当事者の主張、立証の機会が不当に抑制されることのないように十分配慮をしていきたいと考えているところでございます。

小池晃君

 くれぐれも、労働者側の立証や反論の機会が十分に保障されることを求めたいというふうに思います。

 こうした問題の背景にある雇用の問題についてお伺いしたいんですが、青年の雇用問題で大臣に最初に御認識を私伺いたいんですが、非常に雇用情勢は深刻で、若年者の完全失業率一一・二%というふうに非常に高いわけですが、この若年者の失業率が依然として高いという問題について、これ大臣はこの基本的な認識、どのような認識をお持ちか最初にお伺いします。

国務大臣(尾辻秀久君)

 御指摘のように、若年者の雇用状況を見ますと、十五歳から二十四歳のところの失業率が九・四%でございます。そして、全体の四・六%に比べて極めて高い水準にあります。極めて厳しい状況にある、こういうふうに認識をいたします。一方で、有効求人倍率を見ますと、この十五歳から二十四歳のところで見ますと一・四七倍でありまして、これは全体の〇・八四倍に比べまして極めて高い。ということは、求人はあるものの就職に結び付かない状況が見られる。正にミスマッチの現象がここに見られるんだというふうに考えます。また、その中にフリーターの問題やニートの問題もあると、こういうふうに認識するところでございます。

 こうした問題の原因といたしましては、将来の目標が立てられない、あるいは目標を実現するための実行力が不足している者が増加しているなど若者の方の問題もありますけれども、それだけではなくて、今度は求人の方がパート、アルバイト等を、そうした人たちを求める面と、それから今度はうんと変わって、高度な技能、知識を要求、擁する者を求めると、そういう二つに分かれることなど、企業の側の要因も相まっておるということが言えるというふうに思います。いろんな意味でのミスマッチが拡大しておると、こういうことでございます。

 このような状況が続くことは、本人にとってもまた産業や社会を支える立場からも決して好ましいことではありませんので、将来の我が国経済社会に与える影響が極めて重大であるというふうに認識をいたしております。

小池晃君

 こういう若者の雇用問題だと大体いつも政府の皆さんは、仕事はたくさんあるんだけれどもミスマッチなんだという考え方示されるんですが、今日、資料でお配りしましたのは、これは経済産業省の方が作られたものなんですが、「若年者を中心とした産業人材育成政策について〜人材・雇用をめぐる神話と真実」という、そういう文書なんですね。これなかなか興味深いものなんですが、神話が七つ並んでおります。今日は全部紹介できないので、二つだけ。

 一枚目の神話5というのは、「リストラで人材投資を削減した方が企業利益は拡大する」、これが神話だというわけです。真実は何かというと、「教育訓練費を増加させた企業の方が、結果として、利益や雇用を増加させている」というふうにあります。それから、めくっていただいて、今フリーターというお言葉もありましたけれども、神話の7、「フリーターの大半は、自由を求めて「好きで」定職に就かない。」、この神話に対して真実は、最近のフリーターの大半は定職に就くことを希望しているんだということで、それを示すグラフも出ているんですね。

 大臣にお伺いしたいと思うんですが、私は、このミスマッチというだけで解決できない。フリーターの大半は別に好きで定職に就かないわけじゃなくて、本当は定職を求めているんだと、しかし、それに見合う仕事、求人が少ないということがやはり最大の問題。まあ経済産業省言っているように、ここに真実があるのではないかというふうに考えますが、大臣、どのようにお考えになりますか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 若者のそうした動向というのを正確に把握しているとも思いませんけれども、自分の子供たちのやっていることや言っていることなど見ましても、やはり両面あるのかなというふうにも思います。決して好んでフリーターをやっているわけではないという若者もいるでしょうし、結構やっぱり多様な生き方、多様な働き方を求めているという面もあると思います。

 したがって、その両方あると思いますからそれぞれに対応しなきゃいけないんだと思いますが、特に決して好んでフリーターをやっているわけではないという若者たちのために我々が何ができるか、これは真剣に考えるべき問題だというふうに思います。

小池晃君

 いや、私は、これを見ていただいても、両面あるというより、やはり本当に多くの若者というのはフリーターに就きながら本当は定職に就きたいという強い願いを持っていると、これがやはり基本にあるんだというふうに思うんですよ。そういう認識に立ってやはり若者の雇用対策を立てなければ、それこそ政策のミスマッチになってしまうということになるんじゃないだろうかと。

  〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕

 やはり、青年の雇用の実態を見ますと、この間、我々にも多数相談寄せられておりまして、例えばこんな話あるんですね。神奈川県の、もう名前は言えばだれでも知っているあの大手電器の量販店ですが、以前は正社員が八割だったと。これが今、契約社員が六割になって、もう逆転しちゃっている。サービス残業常態化して、残業代支払いを申し出たらば暴行を受けたんだと。仕事ができないと、死んでみろとか飛び降りてみろ、こういう罵声を浴びせると。こういう実態が寄せられて、契約社員の自殺者が出たということも聞いています。

 それから、これはある二十代の女性なんですが、都内でチラシとかティッシュを駅前で配布している業務請負の会社で働いている方なんですが、起床は朝四時半だと。朝の駅頭のティッシュ配りを、三つの駅頭をだんだんだんだん移動していってやるそうです、夜八時までやるんだと。会社が言う勤務時間は九時間三十分なんだけれども、仕事の始めから終わりまで移動時間も含めると十六時間拘束だと。土日も働いて月十六万程度の収入だというんですね。有給休暇も残業手当ももちろんない。雇用契約書もない。給与明細ももらえない。しかし、これくらいしか仕事がないというふうにおっしゃっている。

 私、厚生労働省にお伺いしたいんですが、こういう働き方させられている一方で、定職に就きたいという願いも切実なわけですから、やはりこういう青年の思いに本当に正面からこたえる施策に取り組むべきじゃないかというふうに思うんですが、ちょっと御見解を。

政府参考人(青木功君)

 今、若い方々の様々な希望、思いについてお話がございましたけれども、大臣からも申し上げましたけれども、若者が仕事を求める、様々な形であるいはそれぞれの思いで仕事を求めているということは御説のとおりでございます。

 そこで、若い人たちが一体どういうふうな意識を持ってどういう御希望を持っておられるかということで、その御相談をしなければならないということでありまして、ハローワークはもちろんでありますけれども、今年から全国に若年者のためのワンストップのサービスセンターであるいわゆるジョブカフェを全国に展開をいたしております。

  〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕

 そういった中でも、常用雇用に移りたいというフリーターの方々大勢いらっしゃることは事実であります。そういった、ちょっと個別的な議論になりますけれども、そういった場合、経営者の方はなかなかフリーター的な仕事をしてきた方を自分のところで常用でお迎えするその自信が持てない。また、働く方も今まで比較的仕事を替えながらきたのでそういった常用型の仕事に慣れないというようなこともございまして、私ども、その若年者トライアル雇用というものを展開をしております。

 これは、それぞれ働く方にとっても、それから採用する方にとっても、トライアルということで三か月間その仕事をさせていただくわけですが、こういったことをすると八割ぐらいの人がそのまんまいわゆる常用雇用に移行をするというような結果にもなっておりますし、とにもかくにも一人一人の若者の希望なり夢というものは違いますので、きっちりと御相談をしながら配慮をしていく体制を整えたいというふうに思っています。

小池晃君

 いろんな対策やられていると、若者自立・挑戦プランなどというのもやられているわけですが、例えば今お話あったトライアル雇用、今六万六千人ですよね、対象人数。それから、デュアルシステムは六万人ということで、四百十七万人と言われているフリーター全体に見れば本当にもうごくごくわずかということにしかなっていない。

 私は、本当に今本格的なやはり政策転換といいますか、この間やはり新規求人でいえば、中小企業が伸ばしている中で大企業だけは減らしていると。やっぱり大企業の新卒採用抑制というのをしっかりやめさせること、人材育成に本気で取り組ませるように働き掛けること、それから、先ほどから紹介しているような派遣や請負などの本当に不安定で無権利な状態、これやはり均等待遇というルールをしっかり守らせて不安定な雇用に歯止めを掛けると。こういう、本当にその根本からやはり若者が仕事に就けるような政策を真剣に取り組むことが求められているというふうに考えるんですが、大臣、その点いかがお考えですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 いろんな若者たちが多様な生き方をしておるわけではありますけれども、その中で常用雇用を希望する若者がいるならば、これはきっちりその希望にかなえてやるようにすることが我々の仕事だと、こういうふうに考えます。大変重要なところだと思います。

 そうした中で、一挙に何百万人も雇用が促進できるような施策があれば、それは一番いいわけでありますが、とてもそういうものは無理でありますから、一つずつ丹念にやれることをやっていく、これがまた我々がやるべきことだと、こういうふうに思うわけであります。

 その幾つかの例については既に申し上げたところでございます。そうした一つずつの努力を積み重ねながら、一人でも多くの若者が適切な就業の機会を得られるように我々は努力をしていきたいと、こう思っております。

小池晃君

 青年の雇用対策の抜本的な転換、先ほど述べたようなものを求めて、一つ一つ、じゃ丁寧にということでいうと、雇用対策に、別の問題でちょっとお聞きしたいんですが、緊急地域雇用創出特別交付金です。これ、この交付金を今年度末で取りやめようというふうにされているようなんですけれども、今年度含めて今までの予算額と雇用創出の人数を最初にお答え願いたいと思います。

政府参考人(青木功君)

 緊急地域雇用創出特別交付金の実績等でございます。この点につきましては、先生御案内のとおり、極めて厳しい雇用・失業情勢の下で緊急かつ臨時的な雇用機会の、雇用・就業機会の創出を図るということで、平成十三年度途中からスタートをしております。

 十五年度までの実績としては、事業額として約二千九百億円、それから雇用・就業の維持者数約三十九万人、それから今年度、平成十六年度でございますが、事業額が予定として約千二百億円、そして雇用創出維持者数については約十三万人というふうに見込んでおります。

小池晃君

 合計すると大体四千百億円、五十二万人程度になりますね。そういうことですね。

 これ、九九年から実施された旧交付金事業の実績三十一万人加えると八十三万人、大臣がおっしゃった何百万という数字じゃないですが、何十万人の中ではかなり上の方、かなり大きな実績を上げた事業だということは、これはもう言うまでもないと思うんです。こうした役立つ事業が存続の危機にさらされている。

 その一方で、雇用改善のための対策として地域雇用受皿事業特別奨励金という制度がございますが、これはサービス事業等による雇用機会の創出と創業支援ということで昨年二月から始まっていますが、目標とそれから実績、金額と人数についてお示しをいただきたい。

政府参考人(青木功君)

 地域雇用受皿事業特別奨励金についてのお尋ねでございます。

 これにつきましては、御案内のように昨年二月スタートをいたしておりまして、予算額としては一千億円を用意いたしました。最大約二十万人を超える雇用創出効果を見込んでおります。事業開始以来、本年九月末までの実績につきましては、事業計画の認定件数四百八十九件、雇入れ予定人員四千五百十三人というふうになっております。

 なお、実際の支給までにはこの事業の性質上ある程度期間を要するということでありまして、今年九月末までの支給決定件数は七件、対象者十五人、金額千七百二十四万八千円ということになっております。

小池晃君

 一千億円の事業で千七百万円、二十三万人ですよね、これ目標、に対して十五人、こういう実績なんですね。これから増えるというけれども、余りにもこれ、もう既に一年半やっているわけです。あと一年半しかないわけです。その段階で、一千億に対して一千七百万円、二十三万人に対して十五人という実績なんですよ。これ、例のサービス産業五百三十万雇用創出ということで、何か経済学者の方ですか、ぶち上げた話に基づいて五百三十万人雇用創出だということの一つの基金としてやったんだけれども、全く絵にかいたもちになっているんですよ。

 私は、こうした本当に効果が上がっていないようないろんな制度はしっかり見直して、そして、むしろ政府もその効果をはっきり認められるじゃないですか、特別交付金事業は。やっぱりこういったものに力を注いでいくべきだ。期限が切れるのであれば、またそれに代わるような形ででもやはりその施策を私は継続すべきだと思うんですよ。

 これ、もう大臣のところにもたくさん御意見寄せられていると思うんですが、三十二都道府県、五百三十六市町村それから全国都道府県議会議長会からも、これは制度を続けるべきだ、拡充すべきだ、又はそれに代わる施策をと要請されている。連合も全労連も、労働界も一致してこれ継続を求めている。雇用状況は、いまだに九月発行の厚生労働省の労働経済の分析見ても雇用不安高まっている。いまだに長いトンネル抜け切っていないわけですから、やっぱりこういうときに、これほど確実に成果を上げてきた基金を打ち切ってしまうというのは私は余りに問題が大きいと思うんですね。

 私、大臣にお伺いしたいのは、こういう雇用効果が認められているものが何の代わりもなく終了するというのは問題が多いんじゃないかと。やはり新しい情勢、厳しいこの雇用情勢下で雇用対策はどうあるべきなのかと。私は、自治体や労働団体の要請もしっかり受け止めて施策に当たるべきだというふうに思うんですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

国務大臣(尾辻秀久君)

 まず、お話しになりました緊急地域雇用創出特別交付金事業でございますが、お話しいただいていますように、それなりの成果を収めてきた、その評価をいただいたことは有り難いと思います。ただ、これが構造改革の集中調整期間中という時限的に行ったものでございますので、今年度で一遍切れる。これはもう最初の約束事でございますから、そうせざるを得ないところでございます。

 ただ一方、それをやめるからというので受皿になるようなものはできるだけちゃんとしなきゃいけない。それをまた、それなりに、私どもなりに施策を考えてやらしていただいておるところでございますけれども、それに対しての評価はいろいろ今から出てくると思います。絶えず、今や政策も評価をされておりますし、費用対効果みたいなこともいつもチェックをしておるわけでございますから、そうした中で今行っております施策についてもきっちり検証しながら私どもは次々と努力を重ねていかなきゃならぬと、こういうふうに思っております。

小池晃君

 私、何もむちゃなことを言っているつもりないんで、やはりこういう本当に役立つ事業に対して、やはりそれを乱暴に断ち切るというのではなくて、やはりそれに代わるものをしっかり考えるのは私は厚生労働省の責任だと思うんですね。

 概算要求で出されている雇用対策見ますと、コンテスト方式による雇用創造効果の高い事業に取り組む市町村等への支援というのがあるんですが、これ七十億円で、やはり各年度で千二百から千四百億あった交付金事業がこれに代わるというんじゃちょっとこれはもう納得できないというふうに思いますので、ここはやはり、坂口大臣も二月の予算委員会で雇用状況を勘案して相談したいというふうに御答弁されましたし、是非これは、災害時などにもこれは非常に役立つ制度でもあるという面もあるんで、引き続き是非検討をしていただきたいと思います。

 それから最後に、ちょっとこれは通告してない問題なんですが、学生無年金の問題で、十月二十八日に新潟地方裁判所で任意加入制度が憲法十四条に違反するという判決が出まして、これはもう二十年にわたって無年金障害者を放置してきた国の責任、厳しく断罪したものです。東京地裁に続く違憲判決です。

 ちょっと急を要する問題なんで今日お聞きしたいと思ったのは、あさってが控訴期限ということになっています。これは、やはり厚生労働省としては絶対に控訴せずに、やはりもう直ちに問題解決に取り組む、この姿勢で臨んでいただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 判決への対応でございますが、判決内容を精査の上、関係機関と今協議中でございますので、控訴期限である十一日までの間に結論を出してまいります。

小池晃君

 障害者の自立と社会参加というのは、これは政府全体の目標でもあるというふうに思います。そういう点でいえば、この障害年金の問題の、無年金問題の解決というのはやはり非常に大事な問題だというふうに思いますので、非常に明確な判決でありますから、重みをしっかり受け止めて控訴しないということを再度求めて、私の質問を終わります。

ページトップへ
リンクはご自由にどうぞ。各ページに掲載の画像及び記事の無断転載を禁じます。 © 2001-2010 Japanese Communist Party, Akira Koike, all rights reserved.