年金だけで暮らしていらっしゃる高齢者家庭というのは六割超えているんですよ、高齢者世帯の。しかも、今、貯蓄のない家庭、どんどん増えているわけですよ。日銀の調査でも二割超えているわけでしょう。
そういう中で、公的年金、何とかこれで生きていこうと思っている人に、公的年金だけで生きていく時代は終わったと、こんなこと言えるんですか。私は、本当に重大な、全く国民生活の実態を分かっていないと。こういうことでは、本当に百年安心などという看板はきっぱり下ろしていただきたいというふうに思います。
しかも、これ今、朝日新聞のアンケートでは七〇%がこれ成立させるべきではないというふうに言っている。共同通信のアンケートでは、見送るべきだが六七・七%、成立させるべきだという二二・七%を大きく上回っていると。こういう不信の状況の中で強行すれば、私は、年金なんというのは本当に信用できないという気持ちをかき立てることになってしまうというふうに思うんです。結局こういうやり方は、強行するというようなやり方は、正に年金の土台を崩すことになりかねない。
しかも私は、年金をめぐって今ほど政治の信頼が地に落ちているときはないのではないかというふうに思います。私は、こうした中で強行するということは、政府の年金改革案に賛成であろうと反対であろうと、私は絶対やってはいけないことだというふうに思います。
今やるべきことは何か。国民の不信を取り除くために私は三つのことをやる必要があるというふうに言いたい。
一つは、給付は五〇%確保する、こういう看板、偽りの看板崩れたわけですから、こんな法案をこのまま国会で通すわけにはいかない。法案を撤回し、出直すということを求めます。
第二に、国会議員と閣僚の年金未納問題、これが問題になっている。国会議員とか閣僚というのは、私は、特別の責任がある、法律を作るわけですから、それを国民に押し付けるわけですから、これは特別の責任があるわけで、我々日本共産党は、こうした自覚に立って全議員の納付状況を最初に発表いたしました。しかし、自民党は法案を提出した政党として特別の責任があるにもかかわらず、いまだに公表していない。これを直ちに公表するべきだと。総理、自民党総裁でもあるわけですから、これを、国会議員が強制加入となった八六年以降の全議員の在職中の納入状況を、これを発表するということをやるべきだと。
第三に、国会議員の互助年金制度の問題であります。
これ、国庫負担七割にも上る極めて特権的な制度であって、私は、国民の年金に対する不信のこれが一つの大きな土壌になっていることは間違いないというふうに思います。
この制度は一九五八年に作られました。そのときの国会審議を見ますと、これはあくまで国会議員の互助制度で、国庫負担は事務費に充てるのみだというふうに当時説明されているんです。ところが、年々国庫負担が増えていって、今年度予算では実にこれ国庫負担割合七二・七%です。十年間加入すると年額四百十二万円、月三十四万円の年金がもらえる。こんな国会議員の特権はなくすべきだというふうに言いたい。
総理がもしも民主主義を大切にすると言うのであれば、これだけ年金制度をめぐる国会への不信が渦巻いているんですから、この三つをやっていただきたい。潔くこの法律は撤回をして、そして自民党議員の未納の公表を行う、議員年金の問題に決着を付ける、国民の信頼を回復する努力をしてから、しかる後、来るべき参議院選挙で各党が年金改革案をお互い闘わせて、そしてその後の国会で年金改革の本格的な議論を行っていく。私はこれが民主主義の基本ではないかというふうに思いますよ。是非この三つを総理、お答えいただきたい。これが今こそ国民に対して我々が果たすべき責任ではないかと思いますが、見解を伺います。