二十六日の参院厚生労働委員会で、労働基準法改悪案の採決に先立ち、日本共産党の小池晃議員が質問しました。

　改悪案は、「八時間労働」の原則をくずし、サービス残業（ただ働き）を合法化する裁量労働制について「本社機能をもつ事業場に限定する」との導入要件を削除します。

　小池氏は、それ以外の導入要件は現行どおり守られるのかとただしました。厚労省の松崎朗労働基準局長は、「基本的な考え方は変更しないので変更する必要はない」と答えました。小池氏は、「本社に限定するという外的要件をはずせば、裁量労働制がホワイトカラー全体にとめどなく広がる危険があり、許されない」と指摘しました。

　小池氏は裁量労働制導入後、適正に運用されているかと質問。松崎局長は、二〇〇〇年で二十四事業所、〇一年で四十六事業所、〇二年で二十二事業所で労基法違反があったことを明らかにしました。小池氏は、「裁量労働制の適用は百八十二カ所なのに、これだけ違反がある。労基法の手続きを厳格に守らせることこそ必要であり、要件の緩和などもってのほかだ」と迫りました。

　坂口力厚生労働相は、「裁量労働制が長時間労働、サービス残業を拡大すれば問題だから、監督・指導を強化しなければならない」と答えざるを得ませんでした。

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