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2003年10月2日(木) 予算委員会総括質問(総理出席・テレビ中継)2003年10月3日(金)「しんぶん赤旗」より転載
給付“削減ありき”の政府検討案参院予算委 小池議員の総括質問年金財政悪化の原因改めよ>> 速記録
間近に迫る二〇〇四年「年金改革」。開会中の国会で小泉純一郎首相は年内に政府案の成案を示すと答えました。各省が次々と打ち出す検討案は国民に痛みを押しつけるものばかり。なぜ年金危機を打開できないのか。三つの原因(別項)と責任を日本共産党の小池晃議員が二日の参院予算委員会で追及しました。 不安募らす大幅削減
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厚生労働省資料(各年度3月末現在の年代別加入者数)、総務省人口推計(各年度10月1日現在)にもとづき作成。 |
年金立て直しで何が問題になるのか。財政を悪化させた原因として、小池氏は、加入者の減少、とくに二十代青年の加入が激減している実態を明らかにしました。
青年加入者の減少は、年金財政の支え手を減らすだけでなく、不安定雇用は少子化に拍車をかけて将来の支え手を減らす、「二重の悪循環を招く」という小池氏の問題提起です。
減少ラインが浮き出たパネル(グラフ)を掲げると閣僚の視線が集まります。一九九六年に厚生年金に加入していた二十代青年は九百七万人。それが二〇〇〇年には八百八万人で、政府予測の九百万人より百万人ほど下回りました。青年人口と比べた、この五年間の加入率は 47 ・4 %から 44 ・4 %に落ち込み、〇一年は七百六十八万人、42 ・9 %と低下の一途をたどっています。
不景気、リストラによる加入者減を「一時的現象だ」と言い訳する坂口厚労相にたいし、小池氏は「一時的ではない」と青年加入者の推移を突きつけました。弁解できない坂口厚労相。「二十代の低い加入率を上げなければならないと思っている」と答え、さらに若者の雇用回復をめざす政府プランを紹介します。
小池氏は政府プラン(若者自立・挑戦プラン)に、企業に若者の採用枠を増やさせる具体策は一つもないと指摘。企業に働きかける政府の責任を強調しました。
小池 グリーンピア(大規模年金保養基地)はいくらで売却する予定か。
吉武民樹年金局長 最終的な譲渡額は確定していない。
小池 (地元の)市議会では発表している。そういう(情報隠しの)姿勢が、年金不信をあおっている。
「年金掛け金をどぶに捨てるようにムダづかいしてきた」と小池氏が批判したのが、「グリーンピア」とよばれるレジャー施設の問題です。国民が支払った年金の掛け金を使って、全国十三カ所に建てられました。政府は〇五年までにすべて廃止し、売却する方針です。
売却の見通しがたたず、ようやく地元自治体への売却が決まった宮城・岩沼と福島・二本松のグリーンピア。これまでに建設費や維持・管理費としてそれぞれ約九十億円の年金掛け金が投入されました。売却予定価格を答えようとしない吉武局長。かわって小池氏は、約三億円で地元と交渉していることを明らかにしました。
小池氏は「こういうやり方をしておきながら、だれも責任をとっていない。年金掛け金をハコモノづくりに投資し、赤字で行き詰まったら二束三文で売り払う。これで、国民に年金を削減する痛みを押しつけることができるのか」と批判。岩沼と二本松の施設ができた八八年度に厚生相だった小泉首相をただしました。
小泉首相は、「二回目の厚生大臣をやったとき(九六年〜)に、廃止しなさいと言った」とのべ、あとになってムダづかいに気がついたことを認めました。
小池氏は「年金改革というなら、積立金の運用や国庫負担引き上げの先送りなど、これまで年金財政を悪化させてきた三つの原因、問題点をきっぱりと改めることが出発点。国民にだけ痛みを押しつける議論は通用しない」と指摘しました。
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