本文へジャンプ
日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

156-参議院通常国会 厚生労働委員会 精神保健福祉に関する質疑

2003年6月10日(火)


精神障害者の社会復帰施設 補助金 たった 2 割


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 最初に、委員会運営について一言申し上げたいと思うんですが、五月の二十七日の委員会で、私は、十二月十八日の保険局医療課の課内の内部文書開示資料、これは、ないと言っていたのが、あるという答弁がありまして、あるなら出してほしいというふうに言いましたところ、厚労省は駄目だというふうに言ったわけであります。このこと自体、ないものを出せというのであれば、それは出せないということはあったとしても、あるものを出せと言って、出さないということ自体、これはけしからぬことだと思うんですが、大臣は委員会の指示があれば出すというふうに言ったわけであります。

 そういう点でいえば、国会の国政調査権がやっぱり私は問われる問題だというふうに思っておりますので、是非、委員会として、これは資料を要求するということを理事会で協議、お願いしたいというふうに思います。その点、いかがでしょうか。

委員長(金田勝年君)

 その点につきましては、現在、理事会等の場において協議中でございます。

小池晃君

 これは、本当、国会の責任問われる問題だというふうに思いますので、あの場で本来は出してもらわなきゃいけない問題だとも思うんで、ここまで引き延ばすということは私は許されないと思いますので、直ちに結論出していただきたいというふうに思います。

 お聞きしたいことは、日本精神科病院協会のことですが、日本精神科病院協会の、最初に厚労省にお聞きしたいんですが、住所と電話番号と代表者名をお願いします。

政府参考人(上田茂君)

 お答えいたします。

 社団法人日本精神科病院協会の主たる事務所の所在地は、東京都港区芝浦三丁目十五番十四号でございます。代表者である会長の氏名は、仙波恒雄でございます。電話番号は、〇三―五二三二―三三一であると承知しております。

小池晃君

 総務省選挙部長いらっしゃいますね。

 日本精神病院協会政治連盟の住所、電話番号、代表者名はどうなっていますか。

政府参考人(高部正男君)

 御指摘の日本精神病院協会政治連盟につきまして、平成十三年の収支報告書を確認いたしましたところ、主たる事務所の所在地は港区芝浦三の十五の十四、代表者、仙波恒雄、電話番号、〇三―五二三二―三三一一と記載されているところでございました。

小池晃君

 これは、公益法人と政治団体が住所も代表者名も電話番号も全く同じわけですね。これでいいんだろうかと。公益法人と政治団体が正にこれ一心同体。電話を掛ければ、多分、日精協ですと言うんでしょう。そこが政治連盟の事務所でもあるということなわけですよ。

 政府参考人にお伺いしたいんですが、これは、公益法人を監督されている担当者として、公益法人と政治連盟の活動、これ峻別すべきではありませんか。

政府参考人(上田茂君)

 私どもは社団法人日本精神科病院協会に対しまして指導をさせていただいているところでございまして、政治連盟につきましては、私どもが業務として立ち入るところではございませんので……

小池晃君

 公益法人に対してどういう指導をされているのかと聞いているんです。

 だから、公益法人に対する指導監督の責任なんですから、そういうところが自分たちの持っている政治連盟を、同じ場所で、同じ電話番号で、同じ代表者でやっていると。答弁では、違うんだ、政治団体がやっているんだというふうに木村副大臣は一生懸命言っているわけですけれども、全く一心同体なわけですから、そういうことに対して厚生省として指導しなくていいんですかとお聞きしているんです。どうですか。

政府参考人(上田茂君)

 ですから、先ほど申し上げましたように、社団法人たる日本精神科病院協会に対して私ども指導いたしておりますけれども、政治連盟につきましては私どもが関与する立場でございませんので、その点御理解いただきたいと申し上げているところでございます。

小池晃君

 それはかつての、過去の国会答弁に照らしても大問題なんですよ。

 私、KSD の問題の事件のときにこういう問題取り上げたわけですよ。そのときに、当時、例えば医政局長こう言っているんです。医師会と医師連盟が同じような活動をしていると誤解を与える文書を出したりすることについては、県に対して指導監督徹底していきたいという答弁もしているんです。大臣も、医師会が自民党の活動の支援を行っているような誤解を与えることについては、政治連盟と区別、区分を明確にすべきものだというふうに答弁しているんですよ。

 私は、過去の答弁に照らしてみても、こういう関係というのについては問題があるというふうに思うんです。そのことについて厚生労働省として、私は、これは適切な要請する、指導する、当然やらなきゃいけないんじゃないですか。いかがですか。

政府参考人(上田茂君)

 ただいま議員御指摘の点につきましても、私ども、そういった懸念がないように、あくまでも社団法人日本精神科病院協会は本来の社団法人としての業務を的確に行うべく指導をしてまいりたいというふうに考えております。

小池晃君

 私はこういう在り方は大変問題があるというふうに思いますので、厚生省として、公益法人を指導している立場として徹底的にやっぱり調査すべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。

 更にお伺いしたいんですが、七万二千人の社会的入院、早期社会復帰ということがずっと言われてまいりました。それをやるんだと言いながらああいう法案を強行採決したということについては、本当にひどい話だ、許し難い行為だったというふうに思うんですが、一方で、非常に大事なこの精神障害者の社会復帰の展望というのは全く見えてこないという現状があるわけです。

 この点で幾つかお伺いしたいんですが、先ほど議論がありました、今年度で補助金が二割しか内示されていないという問題であります。

 これは、都道府県、政令市が計画をして要望した精神障害者の社会復帰施設のうち、これは国の予算、二割しか認められていないという先ほどのちょっと数字をもう一回確認したいんですが、私、確認したいのは、自治体からの精神障害者の社会復帰施設についての今年度の要望額は幾らで、何件あって幾らだったのか、そして内示額は一体何件で幾らだったのかということについて、この数字をお答え願いたいと思います。

政府参考人(上田茂君)

 お答え申し上げます。

 社会復帰施設の関係でございますが、まず要望額が三十七億五千万でございまして、うち新規分が、失礼しました、三十三億でございます。失礼しました。済みません。

 全体のまず社会復帰施設の要望額が三十八億でございまして、このうち新規分が三十三億七千万でございます。そして、今回の内示につきましては、継続分を含めまして十一億の内示を行ったところでございます。

小池晃君

 新規分の内示は十一億じゃないはずですよ。六億九千万ということでよろしいんですか。

政府参考人(上田茂君)

 新規分の社会復帰施設の関係は六億九千万でございまして、三十五件でございます。

小池晃君

 要するに、百四十八件、三十三億七千万円の要望に対して、三十五件、六億九千万円しか下りていないと。

 今後、当初予算でというお話は大臣からあったんですが、この今年の分についてどうするのかということについてなんですよ。これ、どうするんですか。この三十三億に対して七億しか補助金下りていない、まさかこれでおしまいです、もう我慢してくださいね、残念でしたというわけにいかないと思うんです。これ、どうするんですか。

政府参考人(上田茂君)

 実は、先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、十三、十四年度については、繰越金ですとか補正予算の額を合わせて、そういった中での対応を行ったわけでございます。しかしながら、十五年度におきましては、執行可能な予算額が平成十四年度に比べて百億円の減となっております。十四年度は二百八十二億、今回が百八十四億ということで、こういうような状況で、そして先ほど申し上げたような新規、継続合わせて五十五件、十一億円の採択を行ったところでございまして、私どもとしましては、確かに今回、各都道府県の要望にこたえられないというような状況でございましたが、私どもとしましては、その限られた予算、あるいはそれぞれの中でこのように対応せざるを得なかったということで、そういう意味では、そういうふうに考えております。

 なかなかおこたえできなかったということで、今後は、先ほど大臣からもお話ございましたが、今後、こういった社会復帰施設等の整備というものを今回のこういった状況を十分踏まえながら考えていかなくちゃいけないということで、考えていかないということで思っております。

小池晃君

 そういう私、気の長い話しているんじゃなくて、取りあえず、これ大変なことになっているんですよ。百か所下りなかったわけですよ。それをどうするのかと。言い訳聞いているんじゃないんです。

 これは、ちょっと確認したいんですが、要するに全体の予算の問題であって、この百か所については、例えば不適格であるとか必要ないというふうに判断して下りなかったというわけじゃないんですね。それはもうイエスかノーかで結構です。これをお答え願いたい。

政府参考人(上田茂君)

 全体の枠に限りがあって対応できなかったところでございます。

小池晃君

 不適格だとか問題があるということで内示されなかったわけじゃないんです。全体の枠だということであれば、これ何らかの追加措置、緊急に必要じゃないですか。

 だって、これは、自治体としては国に要望を出す際には予算化しているところも多いと思うんです。用地取得のめども立たせて、それで要望しているというケースもたくさんあると思うんです。そういうところにとってみれば、前の年、前の前の年が大体、十三年度で三十四億、十四年度で三十四億七千万出ているわけですから、これは取れるだろうと思ってやっているわけですから、だから本当にはしご外されたという声が上がっているのは私は当然だと思うんですよね。こういうことをやっておいて、一方でああいう法案を強行採決するというのは、本当に国民的理解も、精神障害者の皆さんだって断じて許されないと思うんですよ。

 私、これ、これから先どうするか。当初予算でちゃんと獲得していきますと、当たり前のことでありますけれども、それはそれとして、今年のこの百か所の分についてやはり何らかの手だてを打たないと、二十七自治体で一件も認められないというこういう事態になっているわけですからね。しかも、今年、新障害者プランの最初の年でしょう。こういう年にこういうことをやって、果たして、じゃ、これから先、社会復帰政策、厚生労働省として責任持って進めていきますと言ったって、最初の年にこんなことをやっていたらだれも信用できないということになるじゃないですか。私、そう思うんです。

 大臣、先ほどお答えありましたが、私、これはとにかく緊急の手段ででも特別にやはり手だてを打って、何とかこの認められなかった部分、百か所を超える施設について、私は手当てをするということを大臣の口からお約束いただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

国務大臣(坂口力君)

 いわく言い難い話でございまして、この計画をできるだけやっていきたいというふうには思っておりますけれども、財政上の話は、これは補正予算やりますとは今この段階で言うにもならず、それはなかなか難しい話でございますから、委員の御趣旨だけは十分に心の中に入れておきたいと思っております。

小池晃君

 私は、これ放置するということは許されないと思うんですね。こういう形で進めるということは許されないというふうに思います。これは直ちに何らかの手を打つということを、内容をどうするかは是非御検討いただいて、求めてまいりたいというふうに思います。

 それから、幾つか細かいこともお伺いしたいんですが、社会的入院七万二千人の数について、これは実際もっと多いんじゃないかという指摘もあります。

 連合審査のとき、私、この問題、先ほどの日精協に委託したことを取り上げたんですけれども、そのときの答弁で、委託金額ちょっと間違っていたと思うんですね。改めてちょっと確認したいと思うんですが、委託金額幾らだったのか、この集計結果はいつ明らかになるんですか、調査結果は。

政府参考人(上田茂君)

 前回大変失礼いたしました、もう一度お答え申し上げたいと思います。

 精神障害者サービスニーズ調査の委託金額は、平成十四年度当初予算額で八千六百九十二万八千円でございます。

 今後の公表についてのお尋ねでございますが、調査につきましては、現在入力しましたデータのチェックを行っておりまして、今後は外部の専門家を含む評価委員会、仮称でございますが、こういった評価委員会を厚生労働省で開催いたしまして、そしてこの委員会の中でこれらのデータの分析、そして報告書の取りまとめを行いたいというふうに考えておりまして、こういったことを検討を行った結果、速やかに結果を公表することとしております。

小池晃君

 これ昨年度予算による調査ですけれども、いまだに結果出ていないわけで、これはできるだけ早くやはり明らかにすべきだというふうに思います。

 それから、社会復帰施設の整備の問題、全体の問題、ちょっとプランとの関係でお伺いしたいんです。

 これ法律に明記されてから十五年が経過をいたしました。さきの障害者プランでは、これは基盤整備を政策目標に整備が行われましたが、新プランで改めて今後十年で七万二千人の社会復帰の実現というふうにされております。これまでの基盤整備の遅れは明らかだと思うんですが、お聞きしたいのは、そもそも全国の市町村の中で精神障害者の社会復帰施設が一つでもいいから設置をされているという市町村の数は幾つで、全体の何%になるんでしょうか。

政府参考人(上田茂君)

 生活訓練施設、授産施設あるいは地域生活支援センター等、こういった精神障害者社会復帰施設につきましては、平成十四年四月におきまして三百六十の市町村に設置されておりまして、これは全市町村の約一一・二%に相当いたします。

小池晃君

 わずか一一%なんですね。ということは、要するに九割近い自治体は一つも施設がないということになるわけです。

 資料をお配りいただいていると思うんですけれども、これは今回初めて各都道府県ごとに厚生労働省が調べたということで出していただきました。これを見ますと、生活訓練施設二百三十一、ショートステイ百二十七、福祉ホームは A 型で百十八、B 型で二十三、通所授産施設百九十一、入所授産施設二十五、福祉工場十二、地域生活支援センター二百四十八、どれを取ってみても設置市町村は一割以下ということになるわけであります。

 これ、私、実は三年前にもこの同じ問題、この場で答弁求めまして、そのときは、九九年十月現在で二百八十五市町村、八・八%というお答えだったんですね。ということは、昨年で一一%ですから、一年間に一%も伸びていないということなんですよ、一つでもある市町村の数というのは。ということは、全国の市町村に一つでも精神障害者の社会復帰施設ができるという状況が今のペースで行くと九十年掛かるということになるんですね。私は、こういうペースでいいのか、こういう実態でいいのかと。

 大臣、これごらんいただいて、わずか一割の、すべてがそろうんじゃないんですよ。この中の一つでもいいから市町村にあるという市町村が一割しかない、三年前から比べて毎年一%も伸びていない、こういう状況に対して、今度初めてこれ調べていただいたんですけれども、やはり市町村ごとの設置状況も毎年明らかにして、計画的に進めていくということをやるべきではないか。やはりしっかり目標を持って、すべての自治体に少なくとも一つは作るということをこれは取り組むべきではないかというふうに思うんですが、いかがですか。

政府参考人(上田茂君)

 先ほどお答えしました市町村別の精神障害者社会復帰施設の設置状況につきましては、運営費の国庫補助要望の際に得られた情報を基に集計を行ったものでございまして、今後ともこういった集計は進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、ただいま議員の方から市町村における設置のお話がございましたが、このような精神障害者社会復帰施設につきましては、基本的には、複数の市町村を含む障害保健福祉圏域を単位としまして、関係市町村が連携しながら整備を進めていく必要があるというふうに考えております。このため、社会復帰施設の整備につきましては、例えば生活訓練施設や通所授産施設を障害保健福祉圏域に少なくとも、こういった圏域に少なくとも一施設設置することを当面の目標に掲げるなど、各種施設の整備を促進しているところでございます。

 したがいまして、厚生労働省におきましては、障害保健福祉圏域を単位とした施設の設置状況を把握することとしておりまして、これを今後の予算要求の際にも参考としているところでございます。

小池晃君

 今のような言い方では、これは私は伸びないと思いますね。今までと同じペースでしか伸びませんよ。地域生活支援センターとか生活訓練施設とか、やはり少なくとも、私は全部が、すべての市町村に全部そろえろと言っているんじゃないんですよ。せめて一つぐらいあるようなことをやはり実現するというのは最低限のこれ目標じゃないですか。やはりそのくらいやるべきだと。今のペースで行くんであれば、私は本当に障害者の社会復帰政策が充実したとはとても言えないというふうに思うんです。

 それから、社会復帰施設の整備計画はどうかということなんですが、新しい障害者プランでは、受皿であるグループホーム、福祉ホーム、援護寮、これは中間報告で挙げているわけですけれども、これは新しい障害者プランでは、それぞれ五年間でどれだけ増やすということになるんでしょうか。

政府参考人(上田茂君)

 新しい障害者プランにおきましては、平成十九年度までにグループホームは一万二千人分、福祉ホームは四千人分、それから援護寮、これは生活訓練施設でございますが、この生活訓練施設は六千七百人分を整備することとしております。

小池晃君

 五年間で増やす数。

政府参考人(上田茂君)

 申し上げます。失礼いたしました。

 グループホームは、新プランの期間での整備量としまして六千七百人分でございます。福祉ホームにつきましては千百五十人分でございます。それから、援護寮であります生活訓練施設につきましては千三百人分でございます。

小池晃君

 前のプランの七年間でグループホーム四千十五人、福祉ホーム二千六十人、援護寮三千七百八十人ですから、福祉ホームや援護寮は、これは前のプランの数字すら下回るわけです。それから、通所授産も、前のプランは三千七百八十人に対して、新プランでは二千百人なんですね。

 大臣、この新しいプランの目標の数、これは七年間掛かった前のプランに比べても、私は非常に貧弱ではないか、もっと引き上げるということが私は必要なんではないかというふうに思うんですが、精神保健福祉対策本部の中間報告を見ても、これは必要に応じて見直しも検討すると言っているんですね。これは私、状況に応じてこれは目標の引上げを図るべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(坂口力君)

 これは、見直しも含めてやりたいというふうに思っております。

 先ほども御答弁申し上げたところでございますが、今後十年なら十年のスケジュール全体で決めまして、そしてその優先順位、そして年間どれだけ、どれぐらいやっていかなきゃならないかといったようなことを少し全体像を明確にして、そしてやっていかないといけないというふうに思っております。もちろん予算的なものも財政上の問題もございますけれども、それに合わせて今度は人の配置の問題もございますから、建物だけは与えたけれども人材がないというようなことではいけませんから、そうしたことも含めて、これからどうやっていくかということをもう少し計画立ててやっていきたいというふうに思っております。

小池晃君

 それから、小規模共同作業所の問題をお聞きしたいんです。

 これは、法定された社会復帰施設の数は現在八百五十七か所であります。定員は一万二千人。一方、小規模作業所は千七百二十五か所、法定施設の二倍になっている。国の施策の後れた分を補っていると思うんです。ところが、この補助金が、これは非常に少ないわけです。一か所百十万円。これ大変問題になってまいりました。今年度予算では昨年より一割カットされたんですね、しかもね。

 これは、予算削減撤回してやはり補助金引上げを行うべきだということを主張してまいりましたが、もう一つ、小規模作業所の位置付けの問題なんです。ここをどうやって公的に支援していくかというところなんです。これは昨年十二月の社会保障審議会の精神障害分会の報告書を見ても、小規模作業所については、運営安定を図るため、小規模通所授産施設への移行を促進するというふうになっているんですね。これはこの間進めてこられた。

 ところが、この小規模通所授産施設への移行について、新しい障害者プランにも数値目標ないんですね。私は、これは目標を明らかにして計画的にこれ整備を進めていくということを掲げるべきではないかというふうに思っているんですが、部長、いかがでしょうか。

政府参考人(上田茂君)

 厚生労働省としましては、自主的かつ地域に根差した取組として創意工夫を凝らした活動を展開してきました小規模作業所の運営の安定化を図る観点から、ただいま議員からもお話がございましたが、小規模通所授産施設への移行を推進してきているところでございます。このため、平成十五年度予算案におきましては、精神障害者小規模通所授産施設の運営費補助金については、小規模作業所からの移行希望等に対応できるよう、二百十三か所分の増額を図ったところでございます。

 こうした予算については、小規模作業所からの移行希望等を踏まえ、年度ごとに所要額を計上することが基本となり、新障害者プランのように一定の整備目標値を定め計画的に箇所数を伸ばす手法は言わば実態に合わないということから、新障害者プランには盛り込まないこととしたところでございます。

 しかしながら、このプランに整備目標を盛り込まないとしましても、私どもこの事業の重要性に変わりはないというふうに考えております。今後とも、先ほど申し上げましたが、小規模作業所からの移行希望等も十分踏まえながら、その必要な予算額の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

小池晃君

 いや、ちょっと無責任ですよね。法律でやはり法定施設として位置付けたんですから、私は、何か勝手にやってくださいというんじゃなくて、きちっと計画的整備を図る、障害者プランにもちゃんと位置付けるというのは当然のことだと思うんです。

 もうどんどんどんどん移行させていくようなことをおっしゃるんですが、実際にはじゃどうなんですか。移行を希望しても十分な予算、確保されていないんじゃないですか。

 精神障害者の小規模通所授産施設施設整備補助金の今年度の新規の要望件数と、それから内示の件数、お示しいただきたい。

政府参考人(上田茂君)

 平成十五年度の精神障害者小規模通所授産施設に係る施設整備の要望は、二十一件、約二億四千八百万円でありまして、このうち四件、四千七百万円に対し内示を行ったところでございます。

 なお、平成十五年度の当該授産施設の運営費につきましては . .. .. .

小池晃君

 そんなこと聞いていないからいいです。

政府参考人(上田茂君)

 はい。

小池晃君

 移行するために施設を整備するための補助金、二十件要望があるのに四件しか出ていないわけですよ。私は、こういう姿勢で本当に移行を促進する、応援するんだという姿勢が見えない。しかも、計画的整備の目標もない。これでは駄目だということを申し上げたいと思います。

 それから、一点ちょっと大臣にお伺いしたいことがあるんです。実はちょっと被爆者の問題なんですが、このことを一点お伺いしたい。

 高齢化している中で、健康管理手当の更新手続の問題、大臣が衆議院の委員会でこれは検討するというふうにおっしゃっているんですね、更新手続を廃止してほしいということについて。かなり検討を進めております、そして検討する会を作って早く結論を出したいというふうにお答えになっているんです、四月に。

 ところが、これが依然として進まないということが要望として出されてきております。是非これ一刻も早く結論を出して、やはり更新手続、廃止するという方向に踏み出すべきではないかと思うんですが、このことについて大臣にお伺いしたいと思います。

国務大臣(坂口力君)

 今検討を進めております。早く結論を出したいと思っております。

小池晃君

 そういう漠然とした言いぶりではなくて、例えば今年、原爆平和記念式典が行われる八月、やはり今年の夏ぐらいまでにはやはり結論を出すという方向を是非進めていただきたいと思うんですが、これをお伺いして終わりにしたいと思うんですが、いかがでしょう。

国務大臣(坂口力君)

 今申しましたとおり、できるだけ早く出したいと思っております。

ページトップへ
リンクはご自由にどうぞ。各ページに掲載の画像及び記事の無断転載を禁じます。 © 2001-2010 Japanese Communist Party, Akira Koike, all rights reserved.